フマクト
フマクト(英: Humakt、原語(英語)での発音はヒューマクトに近いが[要出典]、フマクトを日本語での定訳とする)は、『ルーンクエスト』の背景世界グローランサに登場する架空の神性。死と真実を司る神であり、大気の神ウーマス(Umath)の息子、オーランス(Orlanth)の兄。但し、「大いなる中立」を宣し、風の神々とは義絶している。 概要トリックスターであるユールマル(Eurmal)が世界最初の「剣」である「死」(よって、死を司るルーンの形は剣の形を象ったもの(十字架の形)になっている)を発見した際に、これを「定命の祖父」(Grandfather Mortal)に使用し、殺害してしまう(殺害したのはユールマルであるとする神話もある)。以後、その子孫たる人間は死すべき定めとなった。フマクトやユールマルにまつわる神話は、いわゆる「死の起源神話」を架空神話の上で再現した好例となっている[誰によって?]。 傭兵や戦士の神であり、勇気と栄誉を鼓舞する神である。ファンタジーRPGの定式的に、死の神=悪の神と短絡するのではなく、死の神=戦争の神、栄誉ある武人の神としている点がフマクトを個性的にしている。 彼の信徒(フマクティ、Humakti)は、死後、地界で来るべき神々の大いくさで大きな役割を担うことを心待ちにし、自らを鍛え続けている(この下りは明らかに北欧神話のエインヘリャルをモデルとしている)。そのため、彼の信徒は、黄泉帰りの魔法が実在する世界であるにもかかわらず、決して復活しようとはしない。もし誰かがフマクトの信徒をよみがえらせた場合は、その者を探し出して殺し、自殺しなければならないとまで信徒に求める分派も存在する。 また、このカルトではダガー、片手剣、両手剣(いずれも両刃の直剣。十字架=死のルーンを模しているとされる)のみ所持を許されており、逆にバスタードソードの様な片手半剣の類やシミター等の曲刀は教義に反するとして所持を禁止されている。 フマクトのカルトでは身分や性別に対する偏見を持っておらず、男女問わず歓迎する(フマクトおよびフマクティは、身分や性別を「戦士にとって意味が無いもの」としているため)。戦士であり、規律を守り、名誉の規約(Honor Code)を守ると誓うかぎり、すべての種族が歓迎されるものの、非人間種族は少ない。それはカルトの規律を長期間維持できないからだという。 なおグローランサの他の神々同様、その神話に対する解釈は勢力により様々で「フマクトは風のルーンを自ら捨てて兄弟と義絶したのではなく、大暗黒の初めに北風の神殿で混沌の軍勢と戦ったときに奪われた」とする学説(なおこの学説の提唱者はフマクト信徒に殺された)もあれば、混沌の種族ブルーのようにフマクトを誇り高き武人ではなく、世界を破滅させる死の尖兵として崇める場合もある。 「死」の正当な所持者として、「真実」のルーンも持ち合わせることを象徴し、アヴァロンヒル第三版/ホビージャパン邦訳版では他のTRPGでの《デススペル》に相当する《霊魂放逐》や、誓いを破った相手を同呪文で攻撃するゲルマン民族のゲッシュをモチーフに持つと思われる《誓言》と言った呪文が特徴だったが、マングース版でトータルHPの概念がなくなった為か、これら呪文は二つともフマクトの呪文リストからは削除されが、2018年のケイオシアム社からの新版で復活している。 他の神々との関係実弟オーランスによるイェルム殺害とその後の大混乱を恥じ、あるいは「死」が軽々しく扱われることを恐れてフマクトは血族である嵐の神々との絆を断ち切り、厳正中立の神となった。よって明確な友好関係、敵対関係を持たない。ただし、『死のルーンの正当所持者(死の根源力を司る)』として他の神が死のルーンを扱うことには穏やかならず、死のルーンを用いる下記の様な神々とはライバル/緊張、敵対関係にあるとされる。
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