フィクシング・ア・ホール
「フィクシング・ア・ホール」(Fixing a Hole)は、ビートルズの楽曲である。1967年に発表された8作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に収録された。レノン=マッカートニー名義となっているが、実質的な作者はポール・マッカートニーで、リード・ボーカルもマッカートニーが担当した。 歌詞本作の歌詞について、マッカートニーは「穴を直すと言うことを言いたかった。自由になって自分の心を漂わせて芸術を志向し、前衛を冷笑するのはやめようという気持ち」と語っている[4]。歌詞中の「See the people standing there who disagree, and never win / And wonder why they don't get in my door(あそこに立っている人を見てください。反対ばかりしていて、絶対に勝てない人たち。 / なぜ僕のドアから入れないのか不思議に思っています。)」というフレーズは、マッカートニーの自宅の周りに群がるファンについての言及とされている[5]。 この曲は直訳すると「穴を修理する」となるが、スラング読みだと「(覚せい剤などの)液体の麻薬を注射した跡」となってしまうためBBCでは放送禁止に指定されてしまったというエピソードを持つ[6][4]。 レコーディング「フィクシング・ア・ホール」のレコーディングは、1967年2月9日にリージェント・サウンド・スタジオという実質デモ作成用のスタジオで開始された。普段ビートルズのレコーディングには、EMIレコーディング・スタジオが使用されているが、当時3つのスタジオすべてが埋まっていて使用できなかった。これにより、ビートルズのレコーディングがEMIレコーディング・スタジオ以外のイギリスのレコーディング・スタジオで行われた初の例となった[7]。同日に3テイク[注 1]録音された[4]。トラック1にはマッカートニーのハープシコードに加えて、リンゴ・スターのドラムとマラカス、トラック2にはジョン・レノンのベースが録音され[注 2]、トラック4にマッカートニーがボーカルを録音した後に、空いているトラック3を利用してダブルトラッキングされた[4]。 テイク1のすべてのトラックをピンポン録音してテイク2にした際に、2つのボーカルがトラック4にまとめられ、ベース、ハープシコード、ドラム、マラカスをトラック1にダビング。そこで空いたトラック2にジョージ・ハリスンがトーン・コントロールを調整して、「ひとりぼっちのあいつ」でも聴くことができる高音のリードギター[注 3]を録音[4]。トラック3に先のギター・ソロをダブルトラッキングした後、バッキング・ボーカルを追加[4]。 1967年2月21日にEMIレコーディング・スタジオで作業を再開。先のスタジオでレコーディングしたテイク2のリダクション・ミックスを作成し、新しいテープにコピー[4]。ここで、リードギターとバッキング・ボーカルのトラックがトラック3にまとめられ、マッカートニーのボーカルを録音したトラックと共にミックスされたうえでトラック4にダビングされ、リズム・トラックはトラック1に残された[4]。EMIレコーディング・スタジオでのセッションでは、ハープシコードをジョージ・マーティンが演奏し、ベースを通常通りマッカートニーが演奏している。このため最終的なマスターでは、ベース、ドラム、ハープシコードのパートが、それぞれ2種類ずつ入っている[4]。 同日に5種類のモノ・ミックスが作成された。モノ・マスターは2分6秒の辺りで、リミックス3とリミックス6を編集で繋いで作成されている[4]。 クレジット※出典[4]
カバー・バージョン
脚注注釈出典
参考文献
外部リンク
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