フアン・シモン・グティエレス(Juan Simón Gutiérrez、1634年 - 1718年)はバロック期のスペインの画家である。
略歴
現在のアンダルシア州カディス県のメディナ=シドニアに生まれ、1634年6月4日に洗礼を受けた。当時の画家としては異例に遅いのであるが21歳になった時、母親によってフアン・アンドレス(Juan Andrés)という画家の弟子に送られて画家の道に入った[1]。セビリアに移った時期は知られていないが、「セビーリャ派」の画家たちの指導的存在であったバルトロメ・エステバン・ムリーリョから指導を受け、影響を受けたことはグティエレスの作品から知ることができる。1664年から結婚する1667年まで、セビリアの美術アカデミーで学んでいたとされる[2]。1672年までにアメリカ大陸の植民地、ヌエバ・エスパーニャ(メキシコ)やカラカスのためにそれぞれ数十点の宗教画・複製画を描き、出荷された記録がある[3]。1680年に画家・工芸家組合で入会者を審査する役職に就いた[4]。
グティエレスの作品とされている作品のうち、署名のある作品はスペインのカルモナの聖トリニティー修道院の「聖母子と聖アウグスティヌス」などの2点しかないが、グティエレスの作品は、イギリスのウォレス・コレクションやアメリカのロサンゼルス・カウンティ美術館などに収蔵されている。
作品
脚注
- ^ Valdivieso (2015), p. 112.
- ^ Pérez Sánchez, p. 364-365.
- ^ Kinkead, pp. 231 y 233.
- ^ Kinkead, p. 231.
参考文献
- Kinkead, Duncan T., Pintores y doradores en Sevilla 1650-1699. Documentos, Bloomington In., AuthorHouse, 2006, ISBN 1-4259-7205-5
- Pérez Sánchez, Alfonso E. (1992). Pintura barroca en España 1600-1750. Madrid : Ediciones Cátedra. ISBN 84-376-0994-1.
- Quiles García, Fernando, «Apuntes para una biografía de Juan Simón Gutiérrez», Átrio: Revista de historia del arte, n.º 0 (1998), pp. 103-113.
- Requena Bravo de Laguna, José Luis, «Un san Juan Bautista firmado por Juan Simón Gutiérrez», Archivo Español de Arte, LXXVI, n.º 304 (2003), pp. 429-432
- Valdivieso, E. y Serrera, J.M., La época de Murillo. Antecedentes y consecuentes de su pintura, catálogo de la exposición, Palacio de Aranjuez, 1982, Depósito Legal SE 225-1982.
- Valdivieso, Enrique, «Juan Simón Gutiérrez, a la sombra de Murillo», Ars Magazine, n.º 25, enero-marzo, 2015, pp. 110-120.
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