ファピアノ
ファピアノ(Fappiano、1977年 - 1990年9月3日)は、アメリカ合衆国のサラブレッドの競走馬、および種牡馬。種牡馬としてブリーダーズカップ優勝馬を2頭出すなど、ミスタープロスペクター系の拡大に貢献した。 経歴ドクターフェイガーなどの調教師であったジョン・A・ネルードが、運営を管理するフロリダ州のタータンズファームで生産した馬である。母はドクターフェイガーを父に持つ4勝馬のキラロー、父は種牡馬として活動し始めて間もなかったミスタープロスペクターで、後に多数の名馬を輩出してリーディングサイアーに輝く少し前のことであった。 ファピアノはネルードの息子、ジャン・H・ネルードのもとで1979年にデビューした。2歳時は短距離を中心に出走し、重賞こそ出走しなかったが、モーヴェンステークスを含む4戦4勝の成績を挙げた。3歳の時には8月のジェロームハンデキャップで重賞に初挑戦して2着、後の11月にディスカヴァリーハンデキャップで重賞初勝利を挙げた。 1981年の4歳シーズン、ファピアノはメトロポリタンハンデキャップに優勝してG1競走初勝利を飾った。また、同年にはメトロポリタンハンデを含む3勝を挙げており、そのうちの1戦フォアゴーハンデキャップでは、同年のエクリプス賞最優秀スプリンターに選ばれたギルティコンサイエンスを破っている。 この年の暮れ、17戦10勝2着3回の戦績で競走生活を引退した。1株30万ドルのシンジケートを組まれ、種牡馬としてタータンズファームに戻った。 引退後ファピアノは種牡馬入り後、競走馬時代を上回る大きな成績を挙げた。初年度の産駒からブリーダーズカップ・ジュヴェナイルを勝つタッソーを出し、同年は他にも3頭の重賞馬を出した。翌年度の産駒にもクリプトクリアランス(フロリダダービーなど)やタピアノ(メイトロンステークスなど)といったG1馬を2頭出している。 ファピアノの代表産駒といえる馬が、1987年に生まれたアンブライドルドである。同馬は1990年にケンタッキーダービーを勝ち、さらに同年のブリーダーズカップ・クラシックにも優勝、その年のエクリプス賞最優秀3歳牡馬に選ばれた。 1987年の夏頃、ネルードがタータンズファームから離脱したのと同時期に、ファピアノは競りにかけられてケンタッキー州のレーンズエンドファームへと移された。ケンタッキーにおいてもカナダの最優秀2歳牡馬コメットシャインなどを出しているが、フロリダ時代に比べてあまり目立った産駒は出さなかった。1990年、ファピアノは12歳の時に蹄葉炎を患い、治療の甲斐もなく9月3日に死亡した。 主な産駒ファピアノ産駒の牡馬たちもまた種牡馬となり、なかには父と同等以上の種牡馬成績を挙げたものもいた。このため、ファピアノの父系はしばしば「ファピアノ系」と呼ばれ、元のミスタープロスペクター系からさらに細分化されたものとして見られることがある。
母の父としての代表産駒
評価主な勝鞍
血統表
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