ビーキーパー
『ビーキーパー』(原題:The Beekeeper)は、アメリカ合衆国の女性シンガーソングライター、トーリ・エイモスが2005年に発表したスタジオ・アルバム。通算8作目(ベスト・アルバムを除く)、オリジナル曲によるアルバムとしては7作目に当たる。 背景アルバム・タイトルは養蜂家を意味しているが、エイモス自身は『アンカット』誌のインタビューにおいて「命の庭園を訪れて知恵の樹の実を食べようと決断した女性」が真のテーマと説明している[16]。本作は全曲とも「不毛の庭園」、「岩石庭園」、「薔薇と棘」、「温室」、「果樹園」、「妙薬とハーブ」といった6つの「庭園」をモチーフとしており、アルバムのブックレットには、どの曲がどの庭園に対応しているか明記されている[17][18]。エイモス自身は、ハチの巣の六角形と6日間の天地創造から、6という数字にこだわったという[17]。なお、限定スペシャル・エディション盤に付属したボーナスDVDには、それぞれの庭園をモチーフとした映像と、アルバム未収録曲「Garlands」のミュージック・ビデオが収録されている[19]。 「オリジナル・シンシュアリティ」の「Sinsuality」は、「罪 (Sin)」と「官能 (Sensuality)」を合わせたエイモスの造語である[16][17]。 録音エイモスは本作のレコーディングにおいて、ベーゼンドルファーのピアノだけでなく、夫からのクリスマス・プレゼントであるハモンドB-3も多用した[16]。エイモス自身は、「私の感覚では、ハモンドはファンキーで男性的、ピアノは情緒的で女性的なの。『ビーキーパー』では、それらが一体化して完璧に調和しているのよ」と語っている[16]。 「オリジナル・シンシュアリティ」はエイモスのピアノ弾き語りのみの録音で、残りの18曲ではマック・アラディン、ジョン・エヴァンス、マット・チェンバレンがバックを務めた[18]。「ザ・パワー・オブ・オレンジ・ニッカーズ」はアイルランドの歌手ダミアン・ライスとのデュエットで[20]、「リボンズ・アンダン」にはエイモスの姪ケルジー・ドビンズが参加した[17]。 反響・評価母国アメリカのBillboard 200では5位に達し、自身5作目の全米トップ10アルバムとなった[1]。アメリカ国内での売り上げは、リリースから3年余りの時点で29万枚を超えている[21]。ドイツのアルバム・チャートでは自身2度目のトップ10入りを果たし、自己最高の8位を記録した[4]。 Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中3.5点を付け「『ボーイズ・フォー・ペレイ 〜炎の女神〜』や『クワイヤーガール・ホテル』におけるガチャガチャとした闇とは大きな隔たりがある。このアルバムは、テンポが遅くなりメロディがムードを増した時でさえ温かい気質を保ち、明るく光っている」「40代を迎えたシンガーソングライターに、極めて似つかわしいレコード」と評している[22]。また、バリー・ウォルターズは『ローリング・ストーン』誌において5点満点中3点を付け「彼女は自分の才能を、当たり障りのないレコード作りに浪費した」と批判する一方、「幸い『ビーキーパー』は後半で持ち直している。タイトル曲では1998年の『クワイヤーガール・ホテル』で聴ける引き立ったエレクトロニック・サウンドが復活し、"Original Sinsuality"は『リトル・アースクウェイクス』の悲痛な赤裸々さに立ち戻ったかのように聴こえる」と評している[20]。 収録曲全曲ともトーリ・エイモス作。
参加ミュージシャン
脚注
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