ヒナイシドジョウ
ヒナイシドジョウ (Cobitis shikokuensis) は、条鰭綱コイ目ドジョウ科シマドジョウ属に分類される魚類。タイプ産地は高知県高岡郡四万十川水系日野地川[4]。 分布形態最大全長オス6センチメートル、メス8センチメートル[2]。背から体側面にかけて、3 - 5本の暗色の縦縞もしくは暗色の斑点が列状にならぶ[2]。背鰭や尾鰭に、暗色の斑点が3 - 5本の列状に並ぶ[2]。尾鰭基部の上方にある黒色斑は、眼よりも小型[2]。斑紋は3タイプによって異なる。オスの胸鰭は顕著に尖り、第2条は発達するが骨質盤はない[2]。口髭は3対あり、第2口髭が眼径より長い。背鰭分枝軟条は6条。臀鰭第5軟条胸鰭が分枝しない。腹鰭間筋節数は14~15で平均は15[5]。 分類以前は核型に差異がないことからイシドジョウだと考えられていたが、核DNAやミトコンドリアDNAの分子系統解析から別種であることが示唆されていた[3]。2006年に形態の差異もあることから、新種記載された[3]。 生態河川の上流域から中流域にある、礫層が発達した淵尻に生息する[3]。5 - 7月に、約200個の卵を淵尻や水際にある礫の隙間で産卵する[3]。仔魚はしばらくその隙間でとどまる。越冬などでもそういった隙間を利用し、10月下旬から4月上旬の間はほとんど活動しない[5]。生後1年で繁殖するようになり、寿命は2年だと考えられている[3]。 下位分類ヒナイシドジョウの斑紋列は上部から順にL1、L2、L3、L4、L5となっており、この5列の斑紋の違いから原記載論文では3タイプに分類されている[5]。
人間との関係森林伐採や河川改修・道路建設・ダム建設などによる生息地の破壊により、生息数が減少している[2]。道路建設による護岸や取水堰・根固めの設置・宅地開発などにより生息環境である淵がなくなったり、本種が好む環境である礫の隙間が浮泥により塞がってしまうことにより本種に影響を与えていると考えられている。ペット用の採集による影響も懸念されている[2]。2017年の時点で高知県では条例により、希少野生動植物に指定されており保護される。[3]。 脚注出典
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