パキスタン地震 (2013年)

パキスタン地震（2013年）
震源の規模とメルカリ震度階級における震度 (USGS)
本震
発生日	2013年9月24日
発生時刻	16時29分47秒 (PKT)[1]
持続時間	約2分[2]
震央	パキスタン バローチスターン州アワラン北北東63km北緯26.971度 東経65.520度 / 26.971; 65.520座標: 北緯26.971度 東経65.520度 / 26.971; 65.520
震源の深さ	15 km
規模	モーメントマグニチュード(Mw)7.7
最大震度	メルカリ震度階級VII：アワラン[3]
津波	なし
地震の種類	横ずれ断層型
余震
回数	10
最大余震	Mw5.9
被害
死傷者数	死者: 515人 負傷者: 600人[4]
被害地域	パキスタン
出典：特に注記がない場合はアメリカ地質調査所の地震情報による。
プロジェクト:地球科学 プロジェクト:災害

パキスタン地震（パキスタンじしん）[5][6][7][8]は、2013年9月24日16時29分47秒（パキスタン標準時）にパキスタンのバローチスターン州で発生した地震である。Mw7.7、震源の深さ15kmで[1]、515人以上の死者と600人以上の負傷者が発生した[4]。また、アラビア海に新島が形成された[2]。「パキスタン南西部地震」[9]の呼称も用いられる。

概要

地震のタイプは浅い地殻内での横ずれ断層型の地震であった。パキスタンではユーラシアプレートに対してインドプレートとアラビアプレートが沈み込んでいる複雑な構造をしているため地震が発生しやすいが、今回の地震の付近では、1990年7月に発生し6人の死者を出したMw6.1の地震以外、過去40年間大規模な地震発生がなかった[1]。この地震では、震源に近い都市であるアワランで、メルカリ震度階級で震度VIIを記録した他、震源から遠く離れたインドやオマーンでも揺れを感じた[10][11]。

特異事象

東京大学地震研究所の解析では、破壊の進行速度（4km/秒）がS波の速度（3.5km/秒）を越えており、超せん断破壊と言う現象が生じた可能性を示唆するデータが得られた[12]としている。

余震

震源付近ではMw4.7以上の余震が10回発生している。最大規模は本震から約7分後のMw5.9の地震である。

9月28日午後0時34分（現地時間）M6.8の余震があり、少なくとも22人が死亡した。震源地は本震より北北東30km、深さは14.8kmである。

余震の一覧

年月日	時刻 (PKT)	座標	規模 (Mw)	深さ (km)	出典
2013年9月24日	16:36:31	北緯27.295度 東経65.663度 / 27.295; 65.663	5.9	24.5	[13]
	17:07:06	北緯27.297度 東経65.647度 / 27.297; 65.647	4.7	10.1	[14]
	17:42:12	北緯27.310度 東経65.594度 / 27.310; 65.594	5.0	25.7	[15]
	18:01:40	北緯27.344度 東経65.642度 / 27.344; 65.642	5.6	27.7	[16]
	19:08:33	北緯27.516度 東経65.715度 / 27.516; 65.715	5.2	27.2	[17]
	20:12:24	北緯27.144度 東経65.506度 / 27.144; 65.506	4.9	27.8	[18]
	22:20:15	北緯27.193度 東経65.487度 / 27.193; 65.487	5.5	23.6	[19]
2013年9月25日	00:54:07	北緯27.444度 東経65.699度 / 27.444; 65.699	4.7	25.7	[20]
	02:59:04	北緯27.495度 東経65.755度 / 27.495; 65.755	4.9	24.0	[21]
	03:38:17	北緯27.294度 東経65.611度 / 27.294; 65.611	4.8	23.0	[22]

影響

地震に襲われた地域は、泥煉瓦で作られた建物が多くあり、多くの建物が本震や余震によって倒壊している。震央から約66km離れたアワランでは、約80%の建物が損傷または倒壊したとされている。これによって、確認されているだけでも208人の死者と350人の負傷者が発生しているが、全容把握に時間がかかっている[4]。

また、グワダル沖のアラビア海に新島（地震島）が出現したことが確認されており、海岸付近は見物人が多数集まっている。海岸から約1.6kmの地点で、高さ約6mから9m、直径約30mから100mの規模である[2][10]。アメリカ地質調査所もこの島の存在を確認しているが、今回のような地震の規模で、このような大きさの島が形成されることは珍しいとされている[2]。なお、震央と島が出現した距離が約400km 離れていることから、今回の地震との直接の関係を疑問視する研究者もいる[23]

出典

1. ^ “M7.7 - 63km NNE of Awaran, Pakistan 2013-09-24 11:29:47 UTC”. 2013年9月25日閲覧。
2. ^ パキスタンでM7.7の地震 46人死亡、海上に島が出現 CNN.co.jp
3. M7.7 - 63km NNE of Awaran, Pakistan 2013-09-24 11:29:47 UTC United States Geological Survey Archived 2013年9月26日, at the Wayback Machine.
4. ^ Death toll from Balochistan earthquake rises to 217 DAWN.com
5. 「パキスタン地震、死者３２７人に　救助作業難航」共同通信、2013年9月25日付、2013年11月26日閲覧
6. 「パキスタン地震、死者３３０人に」読売新聞、2013年9月26日付、2013年11月26日閲覧
7. 「パキスタン地震:死者３２７人に　海底隆起で島が出現」毎日新聞、2013年9月25日付、2013年11月26日閲覧
8. 「パキスタン地震 ２６４人死亡　NHKニュース」NHK、2013年9月25日付、2013年11月26日閲覧
9. 「パキスタン南西部地震、死者２３８人に　海に小島隆起」朝日新聞、2013年9月25日付、2013年11月26日閲覧
10. ^ Pakistan earthquake: Hundreds dead in Balochistan BBC
11. Tremors from Pakistan quake felt in Muscat gulfnews.com
12. 2013年9月24日パキスタンの地震 東京大学地震研究所
13. M5.9 - 102km NNE of Awaran, Pakistan 2013-09-24 11:36:31 UTC United States Geological Survey
14. M4.7 - 101km NNE of Awaran, Pakistan 2013-09-24 12:07:06 UTC United States Geological Survey
15. M5.0 - 101km NNE of Awaran, Pakistan (BETA) 2013-09-24 12:42:12 UTC United States Geological Survey Archived 2013年9月27日, at the Wayback Machine.
16. M5.6 - 106km NNE of Awaran, Pakistan 2013-09-24 13:01:40 UTC United States Geological Survey
17. M5.2 - 94km WSW of Khuzdar, Pakistan 2013-09-24 14:08:33 UTC United States Geological Survey
18. M4.9 - 81km NNE of Awaran, Pakistan 2013-09-24 15:12:24 UTC United States Geological Survey
19. M5.5 - 85km NNE of Awaran, Pakistan 2013-09-24 17:20:15 UTC United States Geological Survey
20. M4.7 - 98km WSW of Khuzdar, Pakistan 2013-09-24 19:54:07 UTC United States Geological Survey
21. M4.9 - 91km WSW of Khuzdar, Pakistan 2013-09-24 21:59:04 UTC United States Geological Survey
22. M4.8 - 100km NNE of Awaran, Pakistan 2013-09-24 22:38:17 UTC United States Geological Survey
23. パキスタンの地震(2013/9/24)

外部リンク

• 2013年9月24日パキスタン南部の地震 日本地震工学会