ハシリ
ハシリ (Hasili、1991年3月12日 - 2018年3月23日) は、アイルランドで生産、フランスで調教されたサラブレッドの競走馬である。競走馬としてより繁殖牝馬として顕著な成績を残した馬で、G1馬5頭を輩出したほか、種牡馬ダンシリの母ともなった。 出自オーナーブリーダーであるハーリド・ビン・アブドゥッラーが、アイルランドのジュドモントファームで自家生産したサラブレッドの牝馬である。ハーリド所有のもと、フランスのアンリ=アレックス・パンタール調教師に預けられて競走生活を送り、引退するまでに17戦して4勝を挙げた。勝ち鞍の中には、ナント競馬場で行われた2歳戦のサボロネ賞(L)があり、3歳時にはアンプリュダンス賞・リラ賞という2つの準重賞で2着に入っている[2][4]。 繁殖成績ハシリは1995年に競走馬を引退、故郷のジュドモントファームに戻って繁殖牝馬となった[3]。1996年に産んだ初仔のダンシリが重賞勝ちやフランス2000ギニー2着などの好成績を収める幸先の良いスタートを切ると、さらに第2仔のバンクスヒルがコロネーションステークスを制してG1馬の母となった。ハシリは2012年に引退するまでに10頭の仔を産み、うち8頭が競走馬となり、7頭が勝ち上がり(さらに重賞勝ち)を収めた[2]。特にG1勝ち馬は5頭にのぼり、これは2018年現在において、ニュージーランドの歴史的名牝であるエイトカラットと並ぶタイ記録である[3]。 産駒の繁殖成績もまた優れており、特にダンシリはレイルリンクを始めとした活躍馬を輩出し続け、2006年にはフランスのリーディングサイアーに輝いた。繁殖牝馬としては、バンクスヒルがジャンロマネ賞勝ち馬のロマンティカを出しているほか、第3仔ヒートヘイズや第4仔インターコンチネンタルも勝ち上がり産駒を出している[3]。 引退後はハーリド所有のバンステッドマナースタッドで余生を過ごしていた[3]。2018年3月23日に死去、27歳であった[3][2]。 産駒一覧
血統表
血統背景祖母スーケラ(Sookera)はチェヴァリーパークステークス勝ち馬で、イギリスのオーナーブリーダーであるロバート・サングスターが生産・所有した馬であった。ジュドモントファームはサングスターから同馬を繁殖用に買い取り、ハシリの母となるケラリ(Kerali)を生産した[3]。 ケラリは競走馬としては1勝で終わった馬であったが、繁殖牝馬としてはハシリを含む7頭の勝ち上がり馬を出すことに成功した。ハシリの妹たちにも繁殖牝馬として成功したものもおり、全妹のアライヴ(Arrive)はプリティーポリーステークス勝ち馬のプロミシングリード(Promising Lead)を出し、また未出走に終わったディセンブル(Disemble)はブラジルに渡り、そのブラジルから北米に移籍したルロワデザニモー(Leroidesanimaux)を出している[3][8]。 脚注
外部リンク
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