ナンヨウブダイ
ナンヨウブダイ(C.microrhinos)は、スズキ目ベラ亜目ブダイ科の魚。サンゴ礁でみられる亜熱帯種である。体色は青色から緑色で、尾鰭は両端が糸状に伸長する。丈夫な歯で藻類をかじり取って食べ、夜は粘液を出し寝る。性転換を行う個体もいる。 分布日本国内では、静岡県、和歌山県、高知県柏島などで幼魚がみられる[2][3]。北硫黄島などの小笠原諸島、八丈島、屋久島、南大東島、口永良部島、琉球列島に分布 [3][1]。 国外では、台湾南部と東部、福建省、東沙諸島、西沙諸島、南沙諸島、小スンダ列島を除くインドネシア、オーストラリア、ニューカレドニア、フランス領ポリネシア、ハワイ諸島とイースター島を除く西・中央太平洋[2][3][1]、インド洋最東端[4][1]。 形態例として八重山諸島では雌において1歳で尾叉長が約10cm、2歳で約20cm、6歳以上で40cmを超える[2]。 成魚は体が青~緑色で、頭部の頬に口から後方へはしる明るい青色帯がある。性転換に伴う色彩の変化はあまりないが、大型個体では吻部が絶壁状になり、尾鰭の上下両端が糸状に伸長する[2]。雄は老成すると頭部がこぶ状に発達する[3][2][4]。雌雄ともに海域による色彩変異があるようだ。 オニハゲブダイに似るが、ナンヨウブダイは眼の周辺に模様がなく、口元から頬にかけて青いラインがあり、体側上部と体側下部の色彩の濃淡の境目がある。アオブダイに似るが、ナンヨウブダイは尾鰭の上下両端が糸状に伸長する[3]。 幼魚は体側は全身が黒色が、4本のクリーム色の縦のラインがある。混泳してるブダイの中でも一際よく目立って見える[3]。 生態サンゴ礁の外縁の潮通しのよい礁斜面や、岸壁、水路で普通にみられる[3][4]。 夜間はサンゴの下や隙間に入って粘液の膜を張って寝る。これはウツボ類などからの捕食を防ぐためと考えられてきたが、寄生虫がつくことを防いでいる可能性もあることがわかってきた[2][4]。 サンゴや岩に付着している藻類を食べる藻食性。糞はサンゴ礁の白い砂となる[4]。 名称沖縄では、老成魚のこぶが玄翁(げんろう)で殴られた状態を連想させることから、ゲンノウイラブチャー、ゲンナーなどと呼ばれる[2]。 利用ギャラリー
脚注
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