ドーファー級ミサイル艇
ドーファー級ミサイル艇(英語: Dhofar Class Missile Boat)は、オマーン海軍のミサイル艇の艦級[1]。イギリスのヴォスパー・ソーニクロフト(VT)社によって4隻が建造された[1][2]。 概要本級は、1980年に1隻、1981年1月に2隻、1986年1月に1隻の計4隻が発注され、1982年8月から1989年3月にかけて就役した[1][2]。設計はVT社のプロヴィンス型に基づいており、同じ設計を使用した半姉妹艦としてケニア海軍のニャヨ級が存在する[1][2][3][4]。また、本級をベースとした艦に、カタール海軍のバルザン級がある[5]。 排水量は基準311t・満載394tで、全長は56.7m、最大幅は8.2m、喫水は2.4mである。乗員は士官5名を含む45名で、固有の乗員のほかに14名の訓練生を搭乗させることができる[1][2]。1番艦とそれ以降では搭載する電子装備が異なるため、マスト構造に違いがある[4]。 兵装は、艦首にオート・メラーラ社の「コンパット」76mm両用砲を、艦尾にはブレダ社の40mm連装機関砲塔(砲自体はボフォースL70)を搭載している[1][2]。また、上部構造物後方の主甲板に「エグゾセ MM40」艦対艦ミサイルの4連装発射筒(1番艦のみ3連装)を2基、舷側に向けて設置している[1][2]。このほか、20mm機関砲2基(12.7mm重機関銃2基とする資料[1]もある)を搭載している[2]。 電子装備については各艦で差異があり、火器管制レーダーについては1番艦がスペリー社の「シー・アーチャー」レーダー、2-4番艦がフィリップス社の「9LV 307」I/Jバンドレーダーを搭載している[1][2]。対空/対水上捜索レーダーについては1番艦がプレッシー社の「AWS-4」E/Fバンドレーダー、2-4番艦が同「AWS-6」を搭載している[1][2]。航海レーダーは全艦同一だが、レイカル/デッカ社の「TM1226C」とする資料[1][4]とケルビン・ヒューズ社の「タイプ1007 ARPA」Iバンドレーダーとする資料[2]がある。電子戦・対抗装備としては、レイカル社の「カットラス」電波探知機と「スコーピオン」レーダー妨害装置、ワロップ社の「バリケード」チャフ/IRフレア発射機がある[1][2]。 機関にはパックスマン社の「ヴァレンタ 18 RP 200 CM」ディーゼルエンジンを4基4軸で搭載している[1]。出力は資料によって差異があり、15,000hp[2]、17,800hp[4]、18,200hp[1]とする資料がある。また、緊急時および低速航行のために、補助電気モーター2基(200hp)が装備されている[2][4]。最大速力は38ノット、航続距離は18ノット時で2,000海里である[1][2]。 運用史運用の途中で、艦番号がBからZに変更されている[2]。 2023年時点で、1隻が運用中である[6]。 同型艦
脚注
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