トライ (ラグビー)トライ(英: try)とは、ラグビーユニオンならびにラグビーリーグにおける得点方法の一つである。トライは相手のゴール領域(インゴールエリア)内(ゴールライン上あるいは後方)にボールを接地(グラウンディング)させることで得点される。ラグビーユニオンとリーグでは「ボールのグラウンディング」と「インゴール」エリアの定義がわずかに異なる。 トライという用語は「トライ・アット・ゴール (try at goal)」に由来する。ラグビーが始まった当初はグラウンディングしただけでは得点にならず、ゴールキックに挑戦(トライ)する機会が与えられるだけであった[1]。 トライはアメリカンフットボールおよびカナディアンフットボールにおけるタッチダウンと類似している。大きな違いは、トライではボールがインゴールエリアのグラウンドとプレーフィールドあるいはインゴールエリアにいる選手に同時に触れている必要がある点である(NFL規則によればアメリカンフットボールにおけるエキストラポイントの公式な名称はトライである)。ラグビーユニオンとリーグ双方の規則では、「タッチダウン」という用語は正式には守備側によって自陣のインゴールにボールをグラウンディングさせることのみを指す。 得点方法ユニオンとリーグ双方に共通する要素2つのラグビーコード間では規則の詳細部分とそれらの解釈において違いがある。まずは共通要素を以下に挙げる。
ラグビーユニオンに特有の変化
ラグビーリーグに特有の変化
点数→「ラグビーユニオンの歴史 § 得点」を参照
ラグビーユニオンではトライは5点、ラグビーリーグでは4点である。ラグビーリーグではトライの点数は低いものの、ゴールキックの点数の低さとポゼッションの保証のため、より多くの場合トライが主要な得点方法である。しかしながら、ラグビーユニオンではゴールの点数が大きいことと守備チームの技術によって、トップレベルの試合では点数を積み重ねるためにゴールにより依存している。 ラグビーユニオンでは、トライの点数は0点から5点へと長い期間をかけて変化してきた。ラグビーリーグでは、元々の点数は3点で、1983年に4点に上昇した。 ウェールズラグビー協会 (WRU)はプロ12の下部ディビジョンであるウェルシュ・プレミアシップ2015 - 16シーズンにおいて得点の価値を変更する試行を行っている。この試行ではトライは5点から6点に増える(コンバージョンは2点のまま)。加えて、ペナルティーゴールとドロップゴールは3点から2点へと減る[3]。 認定トライラグビーリーグとラグビーユニオンどちらのコードにおいても、守備チームの反則によってトライが妨げられたとレフェリーが考えた場合、攻撃チームに「認定トライ」(ペナルティートライ)を与えることができる。反則がどこで起こったかにかかわらず、ペナルティートライは常にポストの下で与えられる。ラグビーユニオンでは、トライが「おそらく」決まったであろうということがレフェリーによって適用される基準である。ラグビーリーグでは、「守備チームの不正がなければトライが決まっていただろう、というレフェリーの考えにおいて、認定トライを与えることができる」[4]。 ラグビーリーグでは、守備チームがボールがグラウンディングされている時に反則行為を犯した場合、8ポイントトライが与えられる。まずトライが与えられ、次にトライが決まったインラインからコンバージョンの試行を行い、最後に、ポストの前からペナルティーキックが行われる。ラグビーユニオンでは、トライ後の反則は、(キックオフの代わりに)中間点で与えられるペナルティーとなる。 コンバージョンどちらのコードにおいても、トライが決まった時、得点したチームは「コンバージョン」を試みる。このゴールへのキックが決まると、トライの点数がより大きな点数へと変換(コンバート)されるため、コンバージョンと呼ばれる。キックは、ボールがグラウンディングされた地点に沿って、タッチラインと平行なプレーフィールド上のどの地点からでも行われる。成功した場合、点数が加算される。コンバージョンが成功となるためには、ボールはクロスバーの上、ポールの間を通過しなければならない。どちらのコードにおいても、コンバージョンはプレースキックとドロップキックのどちらで試みてもよい。とは言っても、ほとんどの選手は一般的により簡単であると考えられているプレースキックを選択する。しかし、7人制ラグビー(ユニオンのルールで行われることが多い)とラグビーリーグナインズでは、コンバージョンはドロップキックとしてのみ行われる。ラグビーリーグでは、試合の時計はコンバージョンの準備と実行の間も動き続ける。一部の大会ではレフェリーによってトライが与えられた時点から25秒のショットクロックが開始される。 より簡単にコンバージョンを行うために、攻撃側の選手はできるだけインゴールエリアの中央に近い位置にボールをグラウンディングしてトライを決めようとする。 ラグビーユニオンとラグビーリーグどちらでも、コンバージョンは2点である。したがって、ゴールへのキックによってトライの点数がラグビーユニオンでは5点から7点に、ラグビーリーグでは4点から6点にコンバートされる。 ラグビーユニオンでは2017年から時間短縮のため、認定トライの場合はコンバージョンは行わずトライが認められた時点で7点が与えられるようになった。ペナルティを犯した選手は注意を受けるか、または一時退出 (イエローカード, シンビン)or退場 (レッドカード)となる。(本規則 P.49 「ペナルティトライ」3.より) 過去から現在![]() ラグビーフットボールの初期の形では、試合の点は「ゴール」によって決められた。トライ [・アット・ゴール] は相手のインゴールエリアへのボールのグラウンディングに対して与えられた。トライ自身の点数は0点であったが、相手チームの妨害を受けずにゴールへのキックに「挑戦(トライ)」できた。このキックが成功すると、「トライ」が「ゴール」へ「コンバート」される。 トライ自体に点数が与えられるようになった後もトライの価値の重視が進み、ユニオンでは1972年にはトライのみの得点が4点(ゴールキック成功で6点)、1992年にはトライのみの得点が5点(ゴールキック成功で7点)となった。 その他ジャパンラグビートップリーグ (TL)では勝ち点などで並んだ場合、トライ数によって順位を決める場合がある他、大会 (TLおよびラグビーワールドカップ, シックス・ネイションズ, プレミアシップ, プロ14等)によっては1試合で4トライ以上獲得した場合ボーナス勝ち点が与えられる(勝利の場合ボーナスと合わせて勝ち点5となる)。トーナメントでは試合終了時に同点の場合、トライ数の多いほうが勝利となる。スーパーラグビーや仏Top14のように、相手チームより3トライ差以上でボーナスポイントが与えられる大会もある。 脚注
外部リンク
関連項目
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