トウィ語

トウィ語
アクアペム・トウィ
Akwapem Twi
Twi
発音 IPA: [tw]
話される国 ガーナの旗 ガーナ
創案時期 2013
地域 アシャンティ州
民族
話者数 4.4百万
言語系統
方言
表記体系 ラテン
公的地位
公用語 アシャンティ州
少数言語として
承認
ガーナ
統制機関 アカン正書委員会(英語)
言語コード
ISO 639-1 tw
ISO 639-2 twi
ISO 639-3 twi (『エスノローグ』の項目名は「aka」)
Glottolog akan1251[1]
消滅危険度評価
安全
 
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トウィ語Twi, [tɕʷi])は、ガーナ共和国で話される言語の一つである。クワ語族・アカン語方言に分類される。主な話者は南部から中部のアカン人が占め[注釈 1]、およそ440万人[2]。トウィ語には部族により多くの区分があるが、かつてアカン語には複数の方言があり、トゥイの相互に理解可能な言語スペイン語版にはボノ英語版アサンテアペムを含む[3][4][5]。聖書翻訳に使用されたアカン地方語の1番目がアクアペムであり、影響力を得た[6]コートジボワール南東部にも話者が暮らす[7][4][8]

一般にアハフォ語、アクアペム語、アチェム(英語)、アサンテ語、アセン語、ダンキラ語、クワ語族をまとめて呼ぶ[9]

トウィ語を話す人

語源

「Twi」という名称の由来は、ボノ英語版の王 Nana Baffuor Twiの名であるとされる[10]

言語名別称

  • チュイ語
  • トゥイ語
  • トウィー語
  • トウイ語

方言

発音の概要

子音

前舌母音の前では、全ての子音は口蓋破裂音化し、破裂音はある程度破擦音化する。/n/の異音はかなり複雑である。下記の表では、口蓋破裂音が他の口蓋破裂音も持つ場合、母音/i/と併記してある。

アシャンティ族では、母音に/gu/が続く場合には/gʷ/と発音されるが、アクワム族では/gu/のまま発音される。[tɕʷ, dʑʷ, çʷi, ɲʷ]は、唇音化された口蓋音で発音される時には、より厳密には[tɕɥ, dʑɥ, çɥ, ɲɥ]と表記されるであろう。/nh/は[ŋŋ̊]と発音される。

下記の表の欄内は、/音韻/、[音声]、<表記>の順で並んでいる。なお、注意事項として、正字法での<dw>は曖昧さを含んでいる。教科書での<dw>=/g/は、発音記号では[d̩w]と区別されるかもしれない。同様に、軟口音の時の<nw>は[n̩w]となろう。<nu>は口蓋音化して[ɲʷĩ]となる。

唇音 歯茎音 軟口蓋音 唇化音
無声破裂音 /p/ [pʰ] <p> /t/ [tʰ, tçi] <t, ti> /k/ [kʰ, tɕʰi~cçʰi] <k, kyi> /kʷ/ [kʷ, tɕʷi] <kw, twi>
有声破裂音 /b/ [b] <b> /d/ [d] <d> /g/ [g, "dʒ", dʑi~ɟʝi] <g, dw, gyi> /gʷ/ [gʷ, dʑʷi] <gw, dwi>
摩擦音 /f/ [f] <f> /s/ [s] <s> /h/ [h, çi] <h, hyi> /hʷ/ [hʷ, çʷi] <hw, hwi>
鼻音 /m/ [m] <m> /n/ [n, ŋ, ɲ, ɲĩ] <n, ngi> /nʷ/ [ŋŋʷ, ɲʷĩ] <nw, nu>
重音 /nn/ [ŋː, ɲːĩ] <ng, nyi, nnyi> /nnʷ/ [ɲɲʷĩ] <nw>
その他 /r/ [ɾ, r, ɽ] <r> /w/ [w, ɥi] <w, wi>

母音

5つの母音からなる。

2つの正書法、e’とo’は、発音上はしばしば区別されない。ファンテ族だけは、a’は必ず区別する。

声調

高声(High)、中声(Middle)、低声(Low)がある。最初の音節は高声か低声のみである。

高声は、前の高声か中声と同じレベルになり、中声は、前に続く中声より低くなる。低声は常に、会話する時のいちばん低い音となる。ただし、単体の低声の前後に高声が来る場合には、低声は上げられ、次に来る高声は低くなる。このため、HMHとHLHは似たような発音となる。

高声は低声の次に来る場合、段階的に低下する。中声の次に来る高声と中声の組み合わせは低くなり、結果的に段階構造となる。

脚注

注釈

  1. ^ ガーナの地方語は17件あり、その中でアカン語の話者総数は最大。

出典

  1. ^ Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). “Akan”. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History. http://glottolog.org/resource/languoid/id/akan1251 
  2. ^ e27, Akan
  3. ^ Arhin, Kwame; Institute of African Studies, University of Ghana (1979) (英語). A Profile of Brong Kyempim: Essays on the Archaeology, History, Language and Politics of the Brong Peoples of Ghana. Afram. https://books.google.com/books?id=R9gJAQAAIAAJ&q=twi 
  4. ^ a b Christaller, Johann Gottlieb (1875) (英語). A Grammar of the Asante and Fante Language Called Tshi Chwee, Twi Based on the Akuapem Dialect with Reference to the Other (Akan and Fante) Dialects. Harvard University. Printed for the Basel evang. missionary society. https://archive.org/details/agrammarasantea00chrigoog 
  5. ^ Garry & Galvez Rubino 2001, p. 8
  6. ^ Omniglot”. 11 January 2015閲覧。
  7. ^ Akan” (英語). Ethnologue. 2019年12月25日閲覧。
  8. ^ Ofosu-Appiah, L. H. (1998年). “Christaller, Johannes Gottlieb”. Dictionary of African Christian Biography. 2019年12月25日閲覧。 “This article was reprinted from The Encyclopaedia Africana Dictionary of African Biography (in 20 Volumes). Volume One Ethiopia-Ghana, ©1997 by L. H. Ofosu-Appiah, editor-in-chief, Reference Publications Inc., New York, NY. All rights reserved.”
  9. ^ 『エスノローグ』25版、項目名「aka」。
  10. ^ Meyerowitz 1958, The Akan of Ghana: Their Ancient Beliefs

参考書籍

主な執筆者の姓の順。

  • Garry, Jane; Galvez Rubino, Carl R. (2001). Facts about the World's Languages: An Encyclopedia of the World's Major Languages, Past and Present. H.W. Wilson, USA 
  • Meyerowitz, Eva Lewin Richter (1958) (英語). The Akan of Ghana: Their Ancient Beliefs [ガーナのアカン族:古代の信仰]. 10. Faber & Faber. https://Books.google.com/books?id=ExJPAQAAMAAJ&q=Bafuo+Twi 
  • Obeng, Samuel Gyasi (2001). African anthroponymy: An ethnopragmatic and norphophonological study of personal names in Akan and some African societies. LINCOM studies in anthropology 08.. Muenchen: LINCOM Europa.  ISBN 3-89586-431-5.
  • Redden, J.E. (1963, 1995). Twi Basic Course (Hippocrene reprint) ed.). Foreign Service Institute . ISBN 0-7818-0394-2.
  • aka” (英語). www.ethnologue.com. Ethnologue. SIL International. 2024年4月13日閲覧。

辞書:

外部リンク