トウィ語 (Twi , [tɕʷi] )は、ガーナ 共和国で話される言語の一つである。クワ語族・アカン語 の方言 に分類される。主な話者は南部から中部のアカン人が占め[ 注釈 1] 、およそ440万人[ 2] 。トウィ語には部族により多くの区分があるが、かつてアカン語には複数の方言があり、トゥイの相互に理解可能な言語 (スペイン語版 ) にはボノ (英語版 ) 、アサンテ 、アペム を含む[ 3] [ 4] [ 5] 。聖書翻訳に使用されたアカン地方語の1番目がアクアペムであり、影響力を得た[ 6] 。コートジボワール 南東部にも話者が暮らす[ 7] [ 4] [ 8] 。
一般にアハフォ語、アクアペム語、アチェム (英語) 、アサンテ語、アセン語、ダンキラ語、クワ語族をまとめて呼ぶ[ 9] 。
トウィ語を話す人
語源
「Twi」という名称の由来は、ボノ (英語版 ) の王 Nana Baffuor Twiの名であるとされる[ 10]
言語名別称
方言
発音の概要
子音
前舌母音 の前では、全ての子音 は口蓋破裂音化し、破裂音はある程度破擦音化する。/n/の異音 はかなり複雑である。下記の表では、口蓋破裂音が他の口蓋破裂音も持つ場合、母音/i/と併記してある。
アシャンティ族では、母音に/gu/が続く場合には/gʷ/と発音されるが、アクワム族では/gu/のまま発音される。[tɕʷ, dʑʷ, çʷi, ɲʷ] は、唇音化された口蓋音で発音される時には、より厳密には[tɕɥ , dʑɥ , çɥ , ɲɥ ] と表記されるであろう。/nh/は[ŋŋ̊] と発音される。
下記の表の欄内は、/音韻 /、[音声 ]、<表記>の順で並んでいる。なお、注意事項として、正字法での<dw>は曖昧さを含んでいる。教科書での<dw>=/g/は、発音記号では[d̩w] と区別されるかもしれない。同様に、軟口音の時の<nw>は[n̩w] となろう。<nu>は口蓋音化して[ɲʷĩ] となる。
唇音
歯茎音
軟口蓋音
唇化音
無声破裂音
/p/
[pʰ]
<p>
/t/
[tʰ, tç i]
<t, ti>
/k/
[kʰ, tɕʰi~cçʰi]
<k, kyi>
/kʷ/
[kʷ, tɕʷi]
<kw, twi>
有声破裂音
/b/
[b]
<b>
/d/
[d]
<d>
/g/
[g, "dʒ", dʑi~ɟʝi]
<g, dw, gyi>
/gʷ/
[gʷ, dʑʷi]
<gw, dwi>
摩擦音
/f/
[f]
<f>
/s/
[s]
<s>
/h/
[h, çi]
<h, hyi>
/hʷ/
[hʷ, çʷi]
<hw, hwi>
鼻音
/m/
[m]
<m>
/n/
[n, ŋ, ɲ, ɲĩ]
<n, ngi>
/nʷ/
[ŋŋʷ, ɲʷĩ]
<nw, nu>
重音
/nn/
[ŋː, ɲːĩ]
<ng, nyi, nnyi>
/nnʷ/
[ɲɲʷĩ]
<nw>
その他
/r/
[ɾ, r, ɽ]
<r>
/w/
[w, ɥi]
<w, wi>
母音
5つの母音からなる。
前舌音 (緊張音 ): /i̘ e̘ a̘ o̘ u̘/ [i e æ~ɑ o u] <i e a o u>
奥舌音 (弛緩音 (ドイツ語) ): /i e a o u/ [ɪ~e ɛ ɑ ɔ ʊ~o] [<e ɛ a ɔ o>]
2つの正書法、e ’とo ’は、発音上はしばしば区別されない。ファンテ族だけは、a ’は必ず区別する。
声調
高声(H igh)、中声(M iddle)、低声(L ow)がある。最初の音節は高声か低声のみである。
高声は、前の高声か中声と同じレベルになり、中声は、前に続く中声より低くなる。低声は常に、会話する時のいちばん低い音となる。ただし、単体の低声の前後に高声が来る場合には、低声は上げられ、次に来る高声は低くなる。このため、HMHとHLHは似たような発音となる。
高声は低声の次に来る場合、段階的に低下する。中声の次に来る高声と中声の組み合わせは低くなり、結果的に段階構造となる。
脚注
注釈
^ ガーナの地方語は17件あり、その中でアカン語の話者総数は最大。
出典
^ Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). “Akan” . Glottolog 2.7 . Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History. http://glottolog.org/resource/languoid/id/akan1251
^ e27 , Akan
^ Arhin, Kwame; Institute of African Studies, University of Ghana (1979) (英語). A Profile of Brong Kyempim: Essays on the Archaeology, History, Language and Politics of the Brong Peoples of Ghana . Afram. https://books.google.com/books?id=R9gJAQAAIAAJ&q=twi
^ a b Christaller, Johann Gottlieb (1875) (英語). A Grammar of the Asante and Fante Language Called Tshi Chwee, Twi Based on the Akuapem Dialect with Reference to the Other (Akan and Fante) Dialects . Harvard University. Printed for the Basel evang. missionary society. https://archive.org/details/agrammarasantea00chrigoog
^ Garry & Galvez Rubino 2001 , p. 8
^ “Omniglot ”. 11 January 2015 閲覧。
^ “Akan ” (英語). Ethnologue . 2019年12月25日 閲覧。
^ Ofosu-Appiah, L. H. (1998年). “Christaller, Johannes Gottlieb ”. Dictionary of African Christian Biography . 2019年12月25日 閲覧。 “This article was reprinted from The Encyclopaedia Africana Dictionary of African Biography (in 20 Volumes). Volume One Ethiopia-Ghana, ©1997 by L. H. Ofosu-Appiah, editor-in-chief, Reference Publications Inc., New York, NY. All rights reserved.”
^ 『エスノローグ』25版、項目名「aka」。
^ Meyerowitz 1958 , The Akan of Ghana: Their Ancient Beliefs
参考書籍
主な執筆者の姓の順。
辞書:
外部リンク