テックビューロ
テックビューロ株式会社は、プライベート・ブロックチェーン製品『mijin』や、NFTやFTを扱うマーケットプレイス『COMSA』など、暗号通貨技術とブロックチェーン技術に基づいたソフトウェアとサービスを開発し提供している[2][3]。 沿革
事業内容mijinmijin(ミジン[7])とは企業内もしくは企業間で利用するプライベートブロックチェーンであり、その開発や販売事業を行う[22][23]。NEMのコア開発者と合流してmijinを開発したことで、NEMと同じAPIを利用することができるようになり、NEMとの互換性を実現している[24]。また金融機関や認証システム、電子マネーといった幅広い分野で利用される事が想定され[22]、実際に金融機関のコストを90%削減すると同時にセキュリティを強化するように設計されている[25]。2018年5月14日には「mijin」のアップデート版として「mijin Catapult (v.2)」を一般公開し[26]、2019年6月12日には製品版を公開した。それにより、異なるブロックチェーン間でのトークン交換や複数トランザクションの一括処理が可能になり、また処理速度やスケーラビリティが向上した[27][28]。 mijinを使った実証実験2015年12月、日本のSBI住信ネット銀行は、日本の大手研究グループであるNRIにNEMブロックチェーン技術Mijinのテストを依頼した。彼らは3ヶ月間に渡ってさまざまな取引を行い、1日に200万件を超える取引を行って2,500,000件の口座を実証テストした。ネットワークは、可用性とフォールトトレランスを測定してさらにストレステストに合格した[29]。 また、さくらインターネットはテックビューロと協力して、Mijinの6ヶ月の無料試用版を提供している[30]。 インフォテリアはテックビューロと協力してブロックチェーン接続アダプタ「mijinアダプタ」を開発し、ミャンマーのマイクロファイナンス機関「BC Finance」の融資・貯金の基幹システムの勘定データをエンタープライズソフトウェア「ASTERIA WARP」と「mijinアダプタ」を使ってMicrosoft Azure上に配置した「mijin」に移行する実証テストを実行し、成功をした[31][32]。 COMSACOMSAとはNFT(非代替性トークン)やFT(代替可能トークン)を扱うマーケットプレイスであり、アセットのトークン化やトークンの取引、トークン保有を多くの人ができる事を目指す。発行できるトークンには、UNIQUEとBUNDLEがある。
COMSAで発行されるNFTはすべてのデータをSymbolのブロックチェーン上に格納した「オールオンチェーンNFT」となる[37][39][40]。 マーケットプレイスでのアセット購入にはXYM、CMS:XYM、クレジットカード(UNIQUEはETHも可能)が使用され[38][41]、売り上げの受取はXYM、日本円から選ぶことができる[35][36]。 COMSAローンチまでの経緯COMSAは当初、トークンの発行販売を用いた資金調達「ICO(=Initial Coin Offering)」と、各種ブロックチェーン技術の導入を同時に実施できる総合型のブロックチェーン・ソリューションとして初まった[42]。これは「COMSA CORE」と「COMSA HUB」の2つの製品からなりたつ。「COMSA CORE」はトークンの総量をコントロールするソフトウェアであり、「COMSA HUB」はmijinとパブリックブロックチェーンの間でトークンの残高をコントロールして価値の移転ができるソフトウェアである[43][44]。 2019年時点での日本国内におけるトークンの法的位置づけや自主規制の内容が定まっていない事や[45]、2020年5月1日に施行された改正資金決済法、及び改正金融商品取引法の内容から新規ICOプロジェクトが難しくなった事で、ブロックチェーン上のトークン発行支援をするビジネスモデルに変更した[17]。2022年1月26日にNFTやFTを扱うマーケットプレイスとして提供開始することを発表し[20]、日本時間の2022年1月31日から提供を開始した[21]。 提供していたサービス
発行したトークンZAIFトークンZAIFトークンとは、2015年にZaifを運営していたテックビューロ社のブランディングを目的に発行されたトークン。COMSAのICOでは、COMSAトークンを購入する通貨に選ばれた。当初はカウンターパーティートークンとして発行されたが、ERC-20トークンへの移行およびZAIF:XYMのエアドロップを予定している[47]。 COMSAトークンCOMSAトークン(CMS)とは、COMSAプラットフォームの内部通貨であり、2017年にCOMSAプロジェクトのICOによる資金調達で販売された[9]。CMSトークンの購入において、ビットコイン、イーサリアム、XEM、Zaifトークンのいずれかの暗号通貨建てで支払う形で行われ、約9540万ドル(約109億円)を調達した。COMSAトークンは発行元となるブロックチェーンがイーサリアムとNEMとSymbolで発行されている。イーサリアムで発行されるトークンは「CMS:ETH」と呼ばれ、NEMで発行されているCMSトークンは「CMS:XEM」と呼ばれ、Symbolで発行されるCMSトークンは「CMS:XYM」と呼ばれる[48]。 ICOの時はイーサリアムとNEM上で発行されたが、その後「CMS:XEM」を保有している人に対して「CMS:XYM」がエアドロップされた[19]。 脚注出典
外部リンク |
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