ツリフネソウ
ツリフネソウ(釣船草、吊舟草、学名: Impatiens textorii Miq.)は、ツリフネソウ科ツリフネソウ属に分類される一年草の1種。ムラサキツリフネ(紫釣船)とも呼ばれる[3]。 特徴草丈は、40-80 cmほどに生長する[4]。葉は鋸歯(縁がギザギザになる)で、楕円形から広披針形、キツリフネより広披針形に近い傾向がある。 花期は夏から秋(山地では 8月頃から、低地では 9-10月)。茎の先端部から細長い花序が伸び、そこに赤紫色で3-4 cmほどの横長の花が釣り下がるように多数咲く。稀に白い色の花があり[1]、シロツリフネ(f. pallescens)[5]という。花弁状の3個の萼と唇形の3個の花弁をもち、距が長く筒状になっている。下の花弁の2個が大きく、雄しべが5個[6]。その花が帆掛け船を釣り下げたような形をしていることや花器の釣舟に似ていること[7]が名前の由来と考えられている[8]。 花の形はキツリフネに似るが、色が赤紫色であることと、花の後ろに伸びる距の先端が渦巻き状に巻くこと本種の特徴である[8]。なお一般にツリフネソウ属の花は葉の下に咲くが、本種はその例外である。 大きく深い花がたくさん咲き距の部分に蜜がたまり、主にマルハナバチなど大型のハナバチや、ツリアブ類などが好んで集まり、花粉を媒介する。 種子が熟すと、ホウセンカなどと同様に弾けて飛び散るように拡がる[9]。 分布と生育環境日本では北海道・本州・四国・九州の低山から山地にかけて分布し、水辺などのやや湿った薄暗い場所に自生する。キツリフネとともに群生していることも多い。日本には同属では、ハガクレツリフネも生育している[10]。 種の保全状況評価日本の各都道府県で、以下のレッドリストの指定を受けている[2]。環境省としての、レッドリストの選定はない[11]。 近縁種
その他
関連画像
脚注
関連項目 |