チョウセンブナ
チョウセンブナ(朝鮮鮒、Macropodus ocellatus)は、スズキ目オスフロネムス科の淡水魚の一種である。別名、ジシンブナ、トウギョ[1]。 形態全長5-7cm。体は側扁している。背鰭、尻鰭の基底は長い。尾鰭の後縁は丸みを帯び、鰓蓋後縁に青色斑がある。産卵期のオスは、背鰭、尻鰭、尾鰭が著しく伸び、全ての鰭が青の美しい婚姻色となる。名にフナと付くがコイ目のフナとは別種であり、近縁のベタやタイワンキンギョと同じように、鰓膣上部に鰭弓上皮が変形した迷路状器官(迷路器官ともいう)という器官があり、これで空中の酸素を取り込む。このため、低酸素環境でも生きられる。 分布中国の長江以北およびアムール川以南、朝鮮半島西部に分布している。 日本には1914年(大正3年)に朝鮮から観賞用として移入されたが、関東で1917年(大正6年)に発生した洪水によって飼育個体が野外に流出、霞ヶ浦では1930年(昭和5年)に棲息が初確認された。1937年(昭和12年)の調査では、南東北から中部地方、岡山県にかけての12都県で棲息が確認され、戦後も各地に移殖されたと見られるが、都市化や圃場整備による環境変化で棲息数を減らし、21世紀以降は茨城県、新潟県、長野県、愛知県、岡山県の一部水系で確認されるのみとなっている[2]。 生態本種は水田や用水路、平野部の池など、止水か流れが弱い環境に生息している。後述するように水面に巣を作る性質があるため、流れが速い川などでは繁殖が難しい。 繁殖期は6-7月。オスは浮草の間に口から泡を出して巣を作る。オスとメスは腹を上にして産卵、放精し、卵と稚魚はオスが保護する。 食性は主に、動物プランクトンやアカムシ、イトミミズなどを食す。 利用観賞魚として飼育されている。流通量は多くないが、捕獲個体のほかに繁殖個体も市販されている。 参考文献
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