ダイヤモンドの功罪
『ダイヤモンドの功罪』(ダイヤモンドのこうざい)は、平井大橋による日本の漫画。『週刊ヤングジャンプ』(集英社)において、2023年11号から連載中。圧倒的なスポーツの才能をもつ少年の活躍と苦悩と、彼に魅了され歯車を狂わされていく周囲の人々を描いた野球漫画である。「このマンガがすごい!2024」オトコ編では1位に、「マンガ大賞2024」では5位に選出された。2025年4月3日までに累計発行部数は150万部を突破している。 あらすじ圧倒的な才能からどんなスポーツに挑戦してもすぐに経験者より上達する小学5年生の綾瀬川次郎は、自分のせいで負ける人や挫折する人が生まれてしまうことに悩み、孤独感を覚えていた。そんな中、次郎は弱小ながら皆が楽しくプレーしている少年野球チーム「足立バンビーズ」に入団する。チームメイトと打ち解けた次郎は野球の楽しさを知っていったが、次郎の才能に魅了されたバンビーズの監督はU12日本代表の選考会に無断で応募する。 登場人物
沿革2023年2月9日発売の『週刊ヤングジャンプ』2023年11号で連載が開始した[2]。本作は平井の初連載作品となる[3]。2023年6月19日にはYouTubeで1巻発売記念PVが公開された[1]。 2025年4月3日までに累計発行部数は150万部を突破している[4]。 作風とテーマライターのHonda Yuukiは、本作のテーマは「天才の苦悩」であり、「圧倒的才能がもたらす負の側面」がはっきりと描かれた作品であると述べている[5]。漫画ライターのちゃんめいは、本作で描かれているのは従来のスポーツ漫画のような「友情、努力、勝利」ではなく、「人の妬み嫉みといった薄暗い感情と、天才ゆえの計り知れない孤独」であると述べている[6]。漫画ライターのもり氏は、本作の「高みに行き過ぎた人間の孤独と、自分になら何を言っても構わないのだという弱者の驕りに対してのやり場のない怒り」が読者に刺さったと述べている[7]。 評価「次にくるマンガ大賞 2023」コミックス部門では7位に選出された[8]。「このマンガがすごい!2024」オトコ編では1位に選出された[9]。「全国書店員が選んだおすすめコミック2024」では4位に選出された[10]。「マンガ大賞2024」では5位に選出された[11]。 漫画ライターのちゃんめいは2023年のベスト漫画5選に本作を挙げ、「極限まで“才能”を突き詰めたヒリつくようなストーリー展開、壮絶さに身震いが止まらない」と評している[6]。漫画ライターのもり氏は、「読者の大多数が一般人であることからして、俯瞰で天才側が受け止め続ける苦しみの深さから学べる部分は大きい」と評している[7]。産経新聞記者の本間英士は、「従来とは異なる切り口で新たな野球漫画のあり方の一つを示した」と評している[12]。読売新聞編集委員の石田汗太は、「初めての連載作品とは思えないほどストーリーテリングが上手い」と評している[13]。ライターのHonda Yuukiは、登場人物の芝居がかっていない口語の表現によって、微妙にすれ違っていく人間関係が秀逸に描写されていると評している[5]。『スクリーン・ラント』のマルセル・グリーンは、野球はアクションが重視されるスポーツではないにもかかわらず、スポーツ漫画では滅多に見られないような鋭いグラフィックで投球・安打・捕球・走塁といった動きのある部分が描かれていると評している[14]。 書誌情報
脚注
外部リンク
|
Portal di Ensiklopedia Dunia