タニア・ロバーツ(Tanya Roberts, 本名:Victoria Leigh Blum, 1949年10月15日 - 2021年1月4日)は、アメリカ合衆国の女優。
略歴
ニューヨーク・ブロンクスで、アイルランド系アメリカ人の父とユダヤ系アメリカ人の母との間に生まれる。しかし、貧しさにより両親は後に離婚し、自らも高校を中退する。
15歳で結婚し、アメリカ中をヒッチハイクで旅行する生活を送るが、相手側の母親の訴えにより婚姻の無効となる。同時に15歳で芸能界デビュー。その後は、ニューヨークでモデルやアーサー・マレーの下でダンスのインストラクターを務めるなどし、アクターズ・スタジオでリー・ストラスバーグなどから演技を学び、オフ・ブロードウェイやCMなどに出演。1975年、『ラスト・レイプ』で映画デビュー。
アーロン・スペリング総指揮のテレビシリーズ『ベガスII 私立探偵ダン・タナー』ゲスト出演で注目され、テレビシリーズ『地上最強の美女たち! チャーリーズ・エンジェル』の最終シーズン(1980年 - 1981年)でエンジェルの1人(ジュリー・ロジャース役)に抜擢。以後は美しくセクシーな容姿を生かした役柄を演じる事が多くなった。
1984年、ジョン・ギラーミン監督の『シーナ』に主演。この作品は、女版ターザンとして人気のあったアメリカの人気コミックを映画化したもので、「事故で両親を失い、アフリカの奥地にひとり残された白人の少女が、原住民の女祈祷師に育てられ美しく成長し、ジャングルの王女として悪と闘う」という内容。
1985年には、『007 美しき獲物たち』でボンドガール・ステイシー役に抜擢される。演じるにあたり、黒髪を金髪に染めた。この作品は、世界中で1億5240万ドルの興行収入をあげる大ヒット作となった。アメリカにおいても5030万ドルで1985年の全米第10位の興行収入をあげた。1985年の映画の世界興行成績で第5位、日本でも1985年度の外国映画の配給収入で第5位と大ヒットしたが、タニアはあまり印象に残らないと評された。
1988年、アミ・アルツィ監督の女囚サスペンス『タニア・ロバーツのプリズン・ベイビー』では、綺麗に割れた腹筋と均整の取れた見事な肢体を披露した。
1990年、ジャグ・マンダーラ監督のサスペンス、『ナイトアイズ 危険な肉体』では、セクシーな人妻役を好演。
1991年、フレッド・オーレン・レイ監督のエロティック・スリラー『スキャンダラスな女 愛と欲望の私生活』では、夫への妄想に悩まされる人妻に扮している。
2020年12月24日、犬の散歩から帰宅後、自宅で倒れロサンゼルス市内のシダーズ=シナイ医療センター(英語版)に入院[1]。その後、2021年1月3日に複数のアメリカメディアがロバーツのパートナーの話を基に同日中に死亡したと報道したが、翌4日に広報担当者が死亡報道をいったんは覆し、実際は生存しているものの重篤な状態であるとされた[2][3][4][5][6]。その後、パートナーが病院から正式にロバーツが尿路感染症のため4日夜に死去したと連絡を受けたことが広報担当者より発表された。71歳没[7]。
親族
私生活では、1974年に脚本家のバリー・ロバーツと再婚。2006年、夫バリーと死別。
主な出演作品
映画
テレビシリーズ
脚注
- ^ “Tanya Roberts, View to a Kill Bond Girl and That ’70s Show Actress, Dead at 65”. Vulture. ニューヨーク・マガジン. (2021年1月4日). https://www.vulture.com/2021/01/tanya-roberts-bond-girl-and-that-70s-show-star-dead-at-65.html 2021年1月4日閲覧。
- ^ “死亡報道の元ボンドガール T・ロバーツさん、実際は入院中で重体”. AFP🔵BB News (2020年1月5日). 2025年1月4日閲覧。
- ^ “Tanya Roberts Is Reportedly Not Dead”. Vulture. ニューヨーク・マガジン. (2021年1月4日). https://www.vulture.com/2021/01/tanya-roberts-bond-girl-and-that-70s-show-star-dead-at-65.html 2021年1月5日閲覧。
- ^ “タニア・ロバーツさん死去を正式発表 誤報から2日”. 日刊スポーツ (2021年1月6日). 2023年11月11日閲覧。
- ^ “元ボンドガール、タニア・ロバーツさん死去 「チャーリーズ・エンジェル」出演”. 産経新聞 (2021年1月6日). 2025年1月4日閲覧。
- ^ “死亡報道の米女優タニア・ロバーツさん「生存」 元ボンドガール”. サンケイスポーツ (2021年1月5日). 2025年1月4日閲覧。
- ^ “タニア・ロバーツさん死去 米女優、元ボンドガール”. 時事ドットコム. 時事通信社 (2021年1月6日). 2021年1月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年1月4日閲覧。
- ^ a b c d e Gates, Anita (2021年1月5日). “Tanya Roberts, a Charlie's Angel and a Bond Girl, Is Dead at 65”. The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2021/01/05/arts/television/tanya-roberts-dead.html 2021年1月5日閲覧。
- ^ a b c d Rahman, Abid; Nordyke, Kimberly (2021年1月3日). “Tanya Roberts, Bond Girl and 'That '70's Show' Star, Dies at 65”. The Hollywood Reporter. https://www.hollywoodreporter.com/news/tanya-roberts-bond-girl-and-that-70s-show-star-dies-at-65
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “Tanya Roberts”. British Film Institute. 2021年1月4日閲覧。
- ^ “Tanya Roberts”. TV Guide. 2021年1月4日閲覧。
- ^ “Tanya Roberts, That '70s Show and Charlie's Angels Actress” (2021年1月3日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “Tanya Roberts”. Rotten Tomatoes. 2021年1月4日閲覧。
- ^ “Tanya Roberts' publicist retracts report that said actor had died”. The Guardian. (2021年1月4日). https://www.theguardian.com/film/2021/jan/04/tanya-roberts-representative-says-actress-is-still-alive. "The former Bond girl was mistakenly reported dead after being hospitalised following a fall at her home"
- ^ “Almost Pregnant (1991)”. Rotten Tomatoes. 2021年1月4日閲覧。
- ^ “Tanya Roberts Dead at 65 After Premature Announcement”. The A.V. Club (2021年1月5日). 2021年1月6日閲覧。
外部リンク