タコノマクラ目
タコノマクラ目(タコノマクラもく、Clypeasteroida)は、ウニ綱に分類される目。 分布全世界の浅海域から深海域にかけて[4]。日本近海にはタコノマクラ属Clypeasterのみ分布する[4][5]。 形態殻は扁平な円盤形で、殻板背面の孔対に花紋が形成される[3][5]。カシパン類に似るが、花紋部が全板と半板で構成されることや[4]、センベイウニ類を除いて殻に膨らみがあること、耳状骨が2対となる点で区別できる[5]。生殖孔はセンベイウニ類では4個、タコノマクラ属では5個ある[4]。 分類不正形類の1グループであり、現生群はタコノマクラ亜目Clypeasterinaのみで構成される[1]。以前はカシパン類をカシパン亜目Laganina[6]あるいはヨウミャクカシパン亜目Scutellinaとして含めていたが[2]、遺伝子解析により本目とは異なる系統とされ、独立したカシパン目Scutellinaとして分割する意見もある[5]。またWorld Echinoidea Database (2023) では、カシパン類をScutelloida亜目としてマンジュウウニ目Echinolampadoida・アメリカマンジュウウニ目CassiduloidaとともにEchinolampadacea目にまとめている[1][7]。 現生科はタコノマクラ科のみで、ほかに2つの絶滅科が知られている[1]。現生科としてセンベイウニ科Archnoididaeを認める説もあるが[2][4][5]、World Echinoidea Database (2023) ではタコノマクラ科に含めている[1]。 以下の分類は、World Echinoidea Database (2023) に従う(†は絶滅群)[1]。和名がある種については、望月ほか (2008)・田中ほか (2019) に従って掲載した[4][5]。
生態砂泥に潜って生活し、有機物や微生物を食べる[3]。 人間との関係英名はsea biscuitsで、殻の形状に由来する[3]。和名の「タコノマクラ」は、江戸時代にはヒトデ類やクモヒトデ類、カシパン類を指す呼称として使われており、本目の構成種には使用されていなかった[8]。その後1883年にカリブ海産のClypeaster subdepressusに対して使用され、1890年以降は日本産のC. japonicusの和名として定着している[8]。 脚注
|
Portal di Ensiklopedia Dunia