ソロモン・シェレシェフスキーソロモン・ヴェニアミノヴィチ・シェレシェフスキー (Соломон Вениаминович Шерешевский、Solomon Veniaminovich Shereshevskii、1892年 – 1958年5月1日) は、完璧な記憶力の持ち主として「記憶術師シィー」の名で有名になったトルジョーク出身のユダヤ人。 人物
生涯1920年、新聞記者だったシェレシェフスキーは、編集長の勧めで、ソビエト連邦モスクワの心理学者アレクサンドル・ロマノヴィッチ・ルリヤの元を訪ねた。このとき、まだシェレシェフスキーは自身の特異な能力を自覚してはいなかった。 ルリヤは彼に数字や単語の系列を覚える記憶力テストを行ったが、彼はどれだけ系列を増やしても完璧に覚えてしまった。驚いたルリヤはその後およそ30年間の間、シェレシェフスキーの記憶力の異常発達、それが認識過程や人格形成にもたらした作用について、心理学的なアプローチで観察・分析することになり、シェレシェフスキーの完璧な記憶能力は世の知るところとなる。 ルリヤはシェレシェフスキーのことを「この世の誰よりも想像力が著しく発達した人間」と述べた。彼は苦痛の感覚を想像力で作り出した「私」に押し付けることによって苦痛を感じなくなることができたし、想像力によって、心拍数や体温も自在にコントロールできた。 シェレシェフスキーはしばらくは記憶術師として働き、舞台にも出て世間で話題を呼んだが、続けることができなくなり、職を転々とするようになる。人生の後半は忘れられないこと・膨大な記憶量によって心が混乱することや、共感覚者特有の日常的な弊害に悩み、「忘れること」と普通の人間に戻ることを望んでいた。 2008年2月、病床で記した[要出典]彼の直筆の日記が発見された。 関連項目参考文献
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