ズー・ル=ヒッジャ
ズー・ル=ヒッジャ(アラビア語: ذُو ٱلْحِجَّة, 実際の発音:IPA: [ðu‿l.ħid͡ʒ.d͡ʒah](ズ・ル=ヒッジャ))またはズー・アル=ヒッジャ(ラテン字転写:Dhū al-Ḥijjah)は、イスラム暦における12番目(最後)の月。非常に神聖な月とされ、イスラム圏の人々はこの月にハッジの巡礼やイード・アル=アドハーという犠牲祭を実施する[1]。 「ズー・ル=ヒッジャ」という語句は「巡礼の主」または「巡礼の月」という意味である。この月に、世界中のムスリム巡礼者がメッカに集結してカアバを訪れる。ハッジの巡礼はこの月の8日、9日、10日に行われる。アラファの日はこの月の9日に行われる。イード・アル=アドハーの犠牲祭は10日目から始まって13日の日没で終了する。 ハディース(言行録)イスラム圏の伝統によれば、ズー・ル=ヒッジャ最初の10日間は善行や祝事を行うための最も祝福された日で、指導者アリーによると「ズー・ル=ヒッジャの9-10日は婚姻契約(nikah)にとって最高の日である」という。 イブン・アッバースの供述。預言者は「他の日に行われた善行が、これら(ズー・ル=ヒッジャ最初の10日間)で行われた事に勝ることはない」と言った。すると預言者の付き人数名が「ジハードでも勝らないのですか?」と言った。彼は「ジハードでも駄目だ、自分自身と自分の財産を危険に晒してそれを実行し、それが何も戻らない人は例外だが」答えた。(ティルミズィー著) ムハンマドがこの月最初の9日間を断食に費やしたのは、これら日々の認識された美徳が理由である。 ムハンマドの妻達の一人は[誰?]「アッラーの使者は、アーシューラーの日々ことズー・ル=ヒッジャ(最初の)9日間を断食に費やし、そして毎月3日間を断食していた」と語った。(アブー・ダーウード著)[2] タイミングイスラム暦は太陰暦であり、新月が目撃された時点が月初となる。イスラムの太陰暦は太陽暦よりも11日から12日短いため、ズー・ル=ヒッジャは(というかイスラム暦の月は全て)四季を通して毎年10日ほどずれていく。サウジアラビアの暦(Umm al-Qura calendar)に基づくズー・ル=ヒッジャの推定開始日と終了日は次のとおり[3]。
特別な日
所定の崇拝行為ズー・ル=ヒッジャ最初の9日は、次の行為が定められている。
クーバニの日々こと、ズー・ル=ヒッジャの10日と11日と12日と13日は、生贄に捧げる動物(クーバニ)の血をこぼす事が最も素晴らしい行動。 断食とタハッジュドに対する報いハディースによると、ズー・ル=ヒッジャ最初の9日間の日中を断食し、かつ最初の10夜に起立礼拝(タハッジュド)することへの大きな報いが書かれている。
この言行録は、多くの学者により弱い(daeef)ハディースに分類されている。 この10日間が特別扱いされる理由は、この時期に礼拝、断食、慈善行為、タクビール、ハッジが重なっているためである。 ズー・ル=ヒッジャ最初の9日間以降は、2年間の罪の償いとしてアラファの日に断食することが特に推奨されている。
一般的な催事
スンニ派
シーア派
関連項目出典
外部リンク |