『ローリング・ストーン』誌は「ストーナーロックが伝えるものはリフだ。脈々と受け継がれるミシシッピ・ブルースの伝統である。レッド・ツェッペリンとブラック・サバスは、これを確立した最初のバンドと言えるだろう[10]」と書いている。サー・ロード・バルチモアは、「ストーナーロックの始祖」であるといわれている。リーフ・ハウンドはカイアスやモンスター・マグネットをはじめとする数えきれないほどのストーナーロックバンドに影響を与えたとされる[11]。プライムヴィルのアルバム『Smokin' Bats at Campton's』は、ストーナーロックのひとつの「基準」となったともいわれる[12]。Jim DeRogatisは、ストーナーロック・バンドは「クリーム、ブラック・サバス、ディープ・パープル、ホークウインドなどのメタルが産まれる前のサイケデリックなジャムバンドからインスピレーションを得ている」と語っている[13]。DeRogatisによれば、ストーナーロックの萌芽はブラック・サバスのアルバム『マスター・オブ・リアリティ』、ホークウインドの『25 Years On 1973–1977』ボックスセット、先に述べたブルー・チアーのアルバム、ディープ・パープルの『マシン・ヘッド』、ブルー・オイスター・カルトの『Workshop of the Telescopes』に見られるという[13]。なかでも、ブラック・サバスの『マスター・オブ・リアリティ』は最初のストーナーロックの作品であるとして挙げられることが多い[14][15]。Martin Popoffは「『Sweet Leaf (訳注:『マスター・オブ・リアリティ』収録の楽曲)』が始まると、リスナーは同時にストーナーロックの産声をも聴くのだ」と言っている[16]。
1992年、カイアスがアルバム『ブルース・フォー・ザ・レッド・サン』をリリース。評論家はこの作品をヘヴィミュージックの記念碑になると絶賛した[19]。一方で、『NME』は「ハンドレッドウェイトの熱い砂漠の砂をメタルに溶かし込もうとしたよう」だと表現した[20]。同年、スリープがアルバム『ホーリー・マウンテン』をリリース。大きな反響を呼び、スリープはカイアスとともにストーナーロックを代表するバンドとなった[7]。両者はドゥームメタルの影響を受けた「まるでトリップ状態にあるかのような」グルーヴを導入した最初のバンドである[21]。モンスター・マグネットもファースト・アルバム『Spine of God』をリリースしてデビューしている[22]。1994年にはアシッド・キング、アクリモニーがファースト・アルバムをリリース。どちらもドゥームメタルに対してサイケデリック・ロックのアプローチをしたものであった。この時代で重要なバンドでは他にフー・マンチュー、クラッチ、サンズ・オブ・オーティス、コロージョン・オブ・コンフォーミティがいる[23]。
^Sharpe-Young, Garry. “MusicMight – Kyuss biography”. MusicMight. 2016年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年12月10日閲覧。 “[Kyuss] almost single handed invented the phrase ‘Stoner Rock’. They achieved this by tuning way down and summoning up a subterranean, organic sound…”
^“Stoner Metal”. Allmusic. 2009年5月22日閲覧。 “Stoner metal could be campy and self-aware, messily evocative, or unabashedly retro.”
^Rivadavia, Eduardo. “Kyuss biography”. Allmusic. 2007年12月10日閲覧。 “…they are widely acknowledged as pioneers of the booming stoner rock scene of the 1990s…”
^Rivadavia, Eduardo. “Kyuss Biography”. Allmusic. 2007年7月15日閲覧。 “Although they are widely acknowledged as pioneers of the booming stoner rock scene of the 1990s, the band enjoyed little commercial success during their brief existence […]. Soon hailed as a landmark by critics and fans alike, the album (Blues for the Red Sun) took the underground metal world by storm and established the signature Kyuss sound once and for all: […].”