ジョーカナチャン
ジョーカナチャン(欧字名:Jo Kana Chan、2015年2月3日 - )は、日本の競走馬、繁殖牝馬[1]。 主な勝ち鞍は、2020年のアイビスサマーダッシュ(GIII)。 アーモンドアイやダノンスマッシュなどと同じ、ロードカナロアの初年度産駒であり、500万円以下以降3連勝でオープンクラスに昇格した。直後に2度目の骨折を経験するも復帰し、アイビスサマーダッシュを制覇、ライオンボスの連覇を阻む重賞勝利であった。通算5勝中3勝は新潟競馬場の直線コース、芝1000メートルのものである。 経歴デビューまで母のラッキーダイスは、2007年に社台ファームで生産されたネオユニヴァース産駒である[5]。アントニー・クラストゥスが騎乗した未勝利戦勝利のみの1勝で、13戦に出走した[6]。引退後は社台ファームで繁殖牝馬となり、初仔であるクロフネ産駒のメガミチャンは、後に名古屋競馬場で7勝を挙げ、繁殖牝馬となった[7]。ラッキーダイスは、2年目と3年目はメイショウサムソン、クロフネと種付けを実施したものの[8]、競走馬を残すことができなかった[8]。 ラッキーダイスの4年目の種付けは、種牡馬として初めての年となるロードカナロアが選ばれる。2015年2月3日、1993年から北海道新冠町で牧場を経営し、毎年5頭ほどの生産を行っている三村卓也の下で[9]、後のジョーカナチャンが誕生する。 生まれたときは標準的な体型だったが、10日後には尻の部分が大きくなり、三村は父ロードカナロアを実感したという[9]。 所有することなった上田江吏子が用いる冠名「ジョー」に、父ロードカナロアの「カナ」、呼称に用いられる「チャン」を組み合わせた「ジョーカナチャン」と命名され[10]、栗東トレーニングセンターの松下武士厩舎に預けられる。 競走馬時代2017年12月17日、阪神競馬場の新馬戦(芝1400メートル)に武豊を鞍上に据えてデビュー。後にフィリーズレビュー(GII)を勝利するリバティハイツが単勝オッズ2.1倍の1番人気に支持される中、13.8倍の4番人気で出走[11]し、道中2番手で進んだものの、最後の直線で後退し6着に敗れた[11]。3歳となり2018年1月14日、京都競馬場の未勝利戦では池添謙一に乗り替わり、ダート戦に出走し初勝利。12.2倍の4番人気だったが、後方に1馬身離してのものであった。優馬はこの勝利を「3点[注釈 1]」(500万円以下クラス)と評価した[12]。 その後、芝に戻り1200メートルの競走に相次いで出走したが勝利を挙げられなかった。4月1日、未勝利戦勝利から3戦目となる500万円以下では初勝利のダートに戻って勝利、ハナ差での決着となった[13]。騎乗した池添はレース中に外側に張る点を「乗りやすさがほしいところ」と指摘[13]。また芝で「甘くなるところ」をダートで補えるとした[13]。 間隔が空き、飛翼特別(1000万円以下)で復帰。鮫島克駿に乗り替わり、43.9倍の13番人気という「低評価」で出走した[14]。良いスタートを決めて馬場の外に位置取り、ジュリーハーツをクビ差退けて勝利、2連勝[14]。休養し、4歳となると、2019年4月27日の駿馬ステークス(1600万円以下)に出走。再び新潟の直線コースに、幸英明に乗り替わって参戦した。スタートから楽に先行し、外ラチ沿いで逃げの手を打った[15]。そのまま後方に4分の3馬身離して勝利[16]、オープンクラスに昇格した。3連勝かつ直線競馬2連勝に、週刊Gallopは「よほど相性が良いのだろう」と分析[15]、幸も「この舞台が合っています(中略)能力の高い馬だと思います」と表した[17]。 しかし、レース直後に左前脚の骨折が判明[18]、自身2度目の骨折となった[19]。判明直後に松下は「秋の新潟に間に合わせたい」とし宣言[18]。その通りに秋の新潟開催であるオープンクラス初戦、ルミエールオータムダッシュ(L)に出走した。菱田裕二に乗り替わり参戦したものの、10着に敗退した[20]。5歳となり、淀短距離ステークス(L)では13番人気ながら、1着のアイラブテーラーに2分の1馬身迫る2着[21]。直線コースで行われる韋駄天ステークス(OP)でもライオンボスにアタマ差の2着となるなど[22]、2020年の上半期はいずれも0.3秒以内の「惜敗」であった[23]。 7月26日、得意の直線コースで行われる唯一のJRA重賞であるアイビスサマーダッシュ(GIII)に出走、初めて重賞に参戦することとなった[10]。2019年の覇者で連覇を狙うライオンボスが2.4倍の1番人気に推される中、次いで7.8倍の2番人気の支持となった[24]。通常より半歩遅くスタートしたが[25]、二の脚先手を主張し[25]、有利とされる外側を確保[10]。逃げの手を打ち、ライオンボスがその後ろから追い上げる格好となった。しかし、そのまま逃げ切りライオンボスをアタマ差退けて勝利、重賞初制覇となった[10]。菱田は1年7か月ぶり3度目の重賞勝利となった[10]。 続いてサマースプリントシリーズの第4戦、北九州記念(GIII)に出走し[26]、7着。秋の京阪杯(GIII)[27]も12着に敗退した。12月13日、3歳の春以来となるダートのカペラステークス(GIII)に出走し、最下位となったのを最後に引退を発表。12月17日付でJRAの競走馬登録を抹消した。引退後は、北海道日高郡新ひだか町の平野牧場で繁殖牝馬となる[28]。 競走成績以下の内容は、netkeiba.comの情報に基づく[29]。
繁殖成績
血統表
脚注注釈
出典
参考文献
外部リンク |