ウィリアム・ジョゼフ・"ジョイ"・ダンロップ (William Joseph "Joey" Dunlop, OBE , 1952年2月25日 - 2000年7月2日)は北アイルランド 、バリーマネー 出身のオートバイ レーサー。ワールドチャンピオンであり、ヨーロッパで最も有名なライダーの一人である。2005年にはモーターサイクル・ニューズ誌によって「歴史上最も偉大なライダーランキング」の5位に選ばれた。
略歴
1992年マン島TT
レースを始めたのは1969年。後にダンロップのトレードマークとなる黄色いヘルメットとゼッケン3はこの頃からのものである[ 1] 。
マン島TTレース において通算26勝を記録し、"キング・オブ・ザ・ロード"(King of the Roads )の異名をとった。1985年、1988年、2000年の大会ではハットトリック(1大会で3クラス制覇)を達成[ 2] 。また、マン島と並んでヨーロッパ有数の公道レース であるアルスターグランプリ でも24勝しており、1982年から1986年まではTT-F1世界選手権で5年連続チャンピオンに輝いた[ 3] 。
レースにおける業績によって1986年にMBE勲章 を受章。1996年にはルーマニア の孤児院での人道的な活動によりOBE勲章 が与えられた。ダンロップはしばしば自身が所有するレース機材搬送用の輸送機に物資を積み込み、ボスニア とルーマニアの紛争地域に衣類や食料を届けていたのである。これらの人道活動は、注目を引かないようにダンロップの名前を表に出すことなく行われていた[ 4] 。
事故死
2000年、エストニア共和国 タリン で行われた公道レースで750ccと600ccで勝利を収めたダンロップは、続いて125ccのレースに出場した。ウェットコンディションとなったレースでトップを走っていたダンロップであったが突如マシンのコントロールを失い、路傍の木に激突した。即死だった。
ダンロップの死後間もなくエストニア政府は公式ウェブサイトで追悼の意を表し、北アイルランドのテレビは葬儀の模様を生中継で伝えた。葬儀にはイギリスやアイルランドの各地からバイカーや関係者が集まり、参列者は5万人にのぼった[ 5] [ 6] 。
影響
スネーフェル・マウンテン・コースに建つダンロップの像
現在、その年に最もTTレースで活躍したライダーにはジョイ・ダンロップ杯が贈られている。ダンロップの故郷であるバリーマネーには記念の像が建てられた。
マン島 マウンテンコース のバンガロー・ベントを見下ろす丘にはホンダ・VTR1000 SPW に乗ったダンロップの像が建てられ、コースの26マイル標識のある 26th Mile Stone にはジョイの名が付けられ Joey's とされた[ 7] 。
アイルランドの出版社であるオブライエンプレスはフルカラーの追悼写真集を出版し、北アイルランドのロックバンド Therapy? はダンロップを歌った Joey という曲を収めたアルバム Shameless を2001年にリリースした。
主な戦績
マン島TTレース
年
クラス
チーム
マシン
順位
タイム
平均速度
1976
クラシック
Yamsel
DNF
シニア
ヤマハ
18位
2° 17′ 49″ .0
98.55mph
ジュニア
Yamsel
16位
1° 53′ 22″ .8
99.83mph
ライトウェイト250cc
DNF
1977
ジュビリー
ヤマハ
1位
1° 23′ 10″ .6
108.86mph
クラシック
ヤマハ
7位
2° 09′ 11″ .8
105.13mph
シニア
Yamsel
4位
1° 49′ 47″ .0
103.1mph
ジュニア250cc
Rea Yamsel
10位
1° 11′ 32″ .2
94.93mph
1978
クラシック
ヤマハ
DNF
フォーミュラ2
ベネリ
5位
1° 36′ 56″ .0
95.32mph
ジュニア
ヤマハ
11位
1° 56′ 40″ .0
97.02mph
シニア
スズキ
DNF
フォーミュラ1
スズキ
DNF
1979
クラシック
ヤマハ
6位
2° 04′ 39″ .2
108.96mph
フォーミュラ2
ベネリ
13位
1° 39′ 55″ .0
90.62mph
ジュニア250cc
DNF
シニア
スズキ
DNF
フォーミュラ1
ベネリ
DNF
1980
シニア
ヤマハ
9位
2° 07′ 11″ .2
106.79mph
ジュニア
ヤマハ
12位
1° 31′ 58″ .2
98.45mph
クラシック
ヤマハ
1位
2° 00′ 29″ .8
112.72mph
1981
クラシック
DNF
フォーミュラ1
ホンダ
3位
2° 04′ 07″ .6
109.42mph
1982
クラシック
ホンダ
DNF
フォーミュラ1
ホンダ
2位
2° 04′ 26″ .0
109.15mph
1983
クラシック
ホンダ
3位
2° 00′ 24″ .4
フォーミュラ1
ホンダ
1位
1° 59′ 06″ .4
114.03mph
1984
シニア
ホンダ
DNF
プロダクション251 - 750cc
ホンダ
DNF
クラシック
ホンダ
2位
1° 57′ 12″ .4
115.88mph
ジュニア
ホンダ
DNF
フォーミュラ1
ホンダ
1位
2° 01′ 37″ .0
111.68mph
1985
シニア
ロスマンズ ・ホンダ
1位
1° 59′ 28″ .2
113.69mph
プロダクション251 - 750cc
ホンダ
22位
1° 09′ 01″ .8
98.38mph
ジュニア
ホンダ
1位
2° 03′ 35″ .0
109.91mph
フォーミュラ1
ロスマンズ ・ホンダ
1位
1° 59′ 12″ .0
113.95mph
1986
シニア
ロスマンズ ・ホンダ
4位
2° 01′ 21″ .2
111.92mph
プロダクション・クラスC
ロスマンズ ・ホンダ
4位
1° 06′ 55″ .4
101.48mph
ジュニア
ホンダ
DNF
フォーミュラ1
ロスマンズ ・ホンダ
1位
1° 20′ 09″ .4
112.96mph
1987
シニア
シェル ・ジェミニ・ホンダ
1位
1° 30′ 41″ .2
99.85mph
プロダクション・クラスB
ホンダ
18位
1° 04′ 51″ .2
104.71mph
ジュニア 250cc
シェル ・ジェミニ・ホンダ
8位
2° 08′ 03″ .4
106.06mph
フォーミュラ1
ロスマンズ ・ホンダ
RVF
1位
1° 58′ 04″ .4
115.03mph
1988
シニア
シェル ・ジェミニ・ホンダ
1位
1° 55′ 42″ .6
117.38mph
プロダクション・クラスC
シェル ・ジェミニ・ホンダ
11位
1° 25′ 52″ .0
105.45mph
プロダクション・クラスB
シェル ・ジェミニ・ホンダ
5位
1° 21′ 49″ .4
110.66mph
ジュニア
シェル ・ジェミニ・ホンダ
1位
1° 20′ 56″ .6
111.87mph
フォーミュラ1
シェル ・ジェミニ・ホンダ
RVF
1位
1° 56′ 50″ .2
116.25mph
1990
シニア
ジェミニ・ホンダ
16位
2° 11′ 48″ .8
103.04mph
ウルトラ・ライトウェイト
ホンダ
RS125R
DNF
ジュニア
DNF
フォーミュラ1
ジェミニ・ホンダ
RVF
8位
1° 59′ 20″ .6
113.81mph
1991
シニア
シルコリン・ホンダ
RVF
2位
1° 53′ 30″ .2
119.66mph
ウルトラ・ライトウェイト
ホンダ
RS125R
2位
1° 27′ 59″ .2
102.91mph
スーパースポーツ 600
ホンダ
6位
1° 20′ 37″ .2
112.31mph
ジュニア
ホンダ
5位
1° 20′ 47″ .8
112.07mph
フォーミュラ1
RVF
DNF
1992
シニア
RVF
DNF
ウルトラ・ライトウェイト
ホンダ
1位
1° 25′ 01″ .6
106.49mph
スーパースポーツ 600
ホンダ
CBR600
9位
1° 20′ 53″ .8
111.93mph
ジュニア
DNF
フォーミュラ1
750 ホンダ
RVF
3位
1° 55′ 13″ .0
117.88mph
1993
シニア
750 ホンダ
RVF
11位
1° 59′ 27″ .4
113.7mph
ウルトラ・ライトウェイト
ホンダ
RS125R
1位
1° 24′ 25″ .0
107.26mph
クラシック・ライトウェイト
アエルマッキ
DNF
スーパースポーツ 600
CBR600
DNF
ジュニア
250 ホンダ
3位
1° 18′ 59″ .8
114.62mph
フォーミュラ1
ホンダ
RVF
14位
2° 00′ 09″ .0
113.04mph
1994
シニア
カストロール ・ホンダ
RC45
3位
1° 56′ 20″ .2
116.75mph
ウルトラ・ライトウェイト
ホンダ
RS125
1位
1° 25′ 38″ .0
105.74mph
スーパースポーツ 600
CBR FM ホンダ
CBR600F2
7位
1° 19′ 48″ .6
113.45mph
ジュニア
カストロール ・ホンダ
1位
1° 18′ 57″ .8
114.67mph
クラシック・ジュニア
アエルマッキ
2位
1° 32′ 52″ .2
97.5mph
フォーミュラ1
カストロール ・ホンダ
RC45
3位
1° 56′ 23″ .6
116.69mph
1995
シニア
カストロール ・ホンダ
RC45
1位
1° 54′ 01″ .9
119.11mph
ジュニア
V&M ダッカムス ・ホンダ
CBR600F3
4位
1° 19′ 01″ .6
114.58mph
ライトウェイト
カストロール ・ホンダ
RS250R
1位
1° 18′ 16″ .4
115.68mph
ウルトラ・ライトウェイト
ホンダ
RS125R
DNF
フォーミュラ1
カストロール ・ホンダ
RC45
2位
1° 55′ 33″ .9
117.53mph
1996
シニア
ホンダ ・ブリテン
RC45
2位
1° 54′ 37″ .2
118.5mph
ウルトラ・ライトウェイト
ホンダ
RS125
1位
42′ 34″ .6
106.33mph
ライトウェイト
ホンダ ・ブリテン
RS250
1位
1° 18′ 31″ .5
115.31mph
フォーミュラ1
ホンダ ・ブリテン
RC45
7位
1° 59′ 53″ .4
113.29mph
1997
フォーミュラ1
ホンダ ・ブリテン
RC45
6位
1° 56′ 29″ .4
116.6mph
シニア
ホンダ
RC45
7位
1° 56′ 01″ .3
117.07mph
ジュニア
ハリス・ホンダ
5位
1° 17′ 42″ .6
116.52mph
ウルトラ・ライトウェイト
マクメネミー・ホンダ
RS15R
10位
1° 26′ 20″ .7
104.87mph
ライトウェイト
ホンダ ・ブリテン
RS250
1位
1° 18′ 20″ .1
115.59mph
1998
シニア
RC45
DNF
ウルトラ・ライトウェイト
マクメネミー・ホンダ
RS125R
9位
1° 06′ 25″ .8
102.23mph
ライトウェイト
ホンダ ・ブリテン
RS250
1位
46′ 51″ .8
96.61mph
1999
シニア
ホンダ UK
RC45
5位
1° 53′ 28″ .5
119.69mph
ウルトラ・ライトウェイト
マクメネミー・ホンダ
RS125R
27位
1° 33′ 26″ .1
96.91mph
ライトウェイト 250
パイン・ホンダ
RS250R
5位
1° 19′ 50″ .8
114.48mph
ジュニア 600cc
ハリス・ホンダ
CBR600F4
5位
1° 17′ 13″ .3
117.26mph
フォーミュラ1
ホンダ UK
RC45
2位
1° 14′ 52″ .8
120.92mph
2000
シニア
ビムト・ホンダ
VTR SPW
3位
1° 52′ 33″ .8
120.66mph
ジュニア 600cc
ハリス・ホンダ
CBR600F4
4位
1° 16′ 26″ .7
118.45mph
ウルトラ・ライトウェイト
ホンダ ・ブリテン
RS125
1位
1° 24′ 30″ .8
107.14mph
ライトウェイト 250
パイン・ホンダ
RS250
1位
58′ 32″ .2
116.01mph
フォーミュラ1
ホンダ
VTR SPW
1位
1° 52′ 15″ .3
120.99mph
鈴鹿8時間耐久オートバイレース
年
チーム
ペアライダー
車番
マシン
タイヤ
予選順位
予選タイム
決勝順位
周回数
1981
ホンダ U.K.
ロン・ハスラム
9
ホンダ・RS1000
D
3
2'17”42
14位
184
1984
Team Ikuzawa
Jim Wells
11
ホンダ・White Bull
D
11
2'27”55
Ret
135
1985
ロジャー・マーシャル
7
ホンダ・White Bull II
D
16
2'26”545
Ret
62
脚注
外部リンク