ジュリア・クイン
ジュリア・クイン(Julia Quinn、本名:ジュリア・ポッティンガー〈Julie Pottinger 〉、旧姓:コトラー〈Cotler 〉、1970年 - )は、アメリカ合衆国のロマンス作家。ペンネームの「クイン (Quinn) 」は、本棚でベストセラー作家のアマンダ・クイック (Quick) の隣に並べられたいとの思いから名付けたと明かしている[1]。著作は26か国語に翻訳されており[2]、『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラー・リストに18回ランクインしたことがある[3]。 経歴両親の離婚後はカリフォルニアで過ごしたが、主にニューイングランド地方で育った[2]。幼い頃から本ばかり読んでいた。ティーン向けのロマンス作品"Sweet Dreams" や「スイート・ヴァレー・ハイ」シリーズを読むことに父親はあまりいい顔をせず、そうした作品が自分にとって良いと証明できたら読み続けてもいいと言い渡し、すぐに自分はこの本で書き方を勉強しているのだと反論したという。そのことを証明しようと出たばかりのコンピュータの前に座って最初の2章を書いたという。3年かかって書き上げた作品を"Sweet Dreams" の出版社へ送ったが断られた。[4] ハーバード大学を芸術史の学位を取得して卒業。4年生の時、その学位で何をしたいのかが分からず、医学部へ進むことを決めていた。医学部に入るには科学が必修で、更に2年通わなければならなかった[3]。 科学の勉強に多くの時間を当てながら、軽めのリージェンシー・ロマンスを書き始めた[1]。医学部への入学が決まって数週間後、初めて書いた2作『すみれの瞳に公爵のキスを』(原題:Splendid )と『求婚のワルツは真夜中に』(原題:Dancing At Midnight )がオークションで売れているという、駆け出しのロマンス作家にとって信じられないことが起こっていることに気付いた[5]。さらに2作を書くために入学を2年延ばすことを決めた[4]。 イェール大学医学部に入学し、医師になりたいと決めた時には、3作品が出版されていた。医学の道に進んでわずか数か月後、やはり自分は解剖より書く方が好きだと気付き、退学してフルタイムで執筆に専念することにした[4]。 フェミニストと自認しており、作品のヒロインにもその気質を持たせているが、時代設定と照らし合わせると必ずしも正しいとはいえない[1]。作品の特徴として、ユーモアたっぷりでありながらシャープでウィットに富んだ会話が繰り広げられることが挙げられる[4]。ロマンス小説にありがちな、登場人物が窮地に立たされ、大きな争いに巻き込まれるような展開は少ない。『青い瞳にひそやかに恋を』(原題:When He was Wicked )もそういった普通のロマンス小説とは異なり、最初の4章でヒロインの(ヒーローでない男性との)幸せな結婚生活が描かれ、最初の夫の死、ヒロインと夫の親友だったヒーローの2人が悲しみに立ち向かい、2人の2度目の「恋」が怒濤のように始まっていく[5]。 作品の多くに夫ポールへの献辞が書かれている。2007年、『夢の乙女に永遠の誓いを』(原題:On the Way to the Wedding )でアメリカロマンス作家協会(以下、RWA)が主催するリタ賞を受賞、翌2008年には『ミランダの秘密の日記』(原題:The Secret Diaries of Miss Miranda Cheever )で連続受賞した。2010年には『レディ・オリヴィアの秘密の恋』(原題:What Happens in London )で受賞し、最年少で15人しかいないロマンス作家協会の殿堂入り作家の1人となった。2003年には『タイム』で特集記事が組まれたが、ロマンス作家では珍しい出来事だった。2005年、『パブリッシャーズ・ウィークリー』のレビューで『まだ見ぬあなたに野の花を』(原題:To Sir Phillip, With Love )が星付けされたことでその年のベストセラー6冊のうちの1冊になった[3]。『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラー・リストに近著の13作がランクインしており、2008年10月には『ウィンダム公爵とつれない許嫁』(原題:Mr. Cavendish, I Presume )は第1位になった。更に、アンソロジー「レディ・ホイッスルダウン」シリーズ2作にも参加し、同じく『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラー・リストにランクインした。またクインの代表作である「ブリジャートン」シリーズの後日談が収録されているアンソロジー『伯爵の花嫁探し』や『さらわれた花嫁たち』(コニー・ブロックウェイとエロイザ・ジェームズの2人とコラボレーション)もランクインした[3]。 2001年、クイズ番組「ザ・ウィーケスト・リンク」で79,000ドルを獲得した[6]。現在も読書量は変わらず多く、フェイスブック上でお薦めの作品を紹介している。 夫とアメリカ北西部に住んでいる。 受賞、栄誉
作品リストシリーズ作品
アンソロジー
出典
外部リンク
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