ジャリオン・ローソン
ジャリオン・ローソン(Jarrion Lawson、1994年5月6日 ‐ )は、アメリカ合衆国テキサス州テクサーカナ出身の陸上競技選手。専門は走幅跳と短距離走(主に100m・200m)。走幅跳で8m58、100mで10秒04、200mで20秒17の自己ベストを持つ。2017年ロンドン世界選手権男子走幅跳の銀メダリストである。2016年全米学生選手権ではジェシー・オーエンス以来となる男子100m・200m・走幅跳の3冠を達成した。 経歴高校時代までリバティー=エイラウ高校 (Liberty-Eylau High School) の新入生になる前の2008年夏にテレビで北京オリンピックを見て、将来オリンピックに出場することを目標にした[1]。 高校時代には5度のテキサス州チャンピオン(4×400mリレー・走幅跳・三段跳)に輝くなど活躍[2]。2012年には全米高校コーチ協会 (National High School Coaches Association) の陸上男子最優秀選手賞 (Boys' Track & Field Athlete of the Year) を受賞した[3]。 高校時代には陸上競技の他にアメリカンフットボールとバスケットボールにも取り組んでいた。アメリカンフットボールでは州セカンドチームのディフェンシブバックに選出されるなど活躍し[2]、複数の大学から奨学金の申し出もあった[4]。 2012年には全米ジュニア選手権で走幅跳と三段跳の2冠を達成。両種目でバルセロナ世界ジュニア選手権に出場を果たし、走幅跳では銅メダルを獲得した[2]。 高校卒業後は陸上競技の奨学金を得てアーカンソー大学に進学した。 大学時代2016年6月の全米学生選手権(NCAA選手権)には100m・200m・4×100mリレー・走幅跳と2年連続で4種目に出場した(前回大会は100m・4×100mリレー・4×400mリレー・走幅跳に出場し、4×100mリレーで優勝)。まず最初の決勝となった8日の男子走幅跳は制したが、10日は1日で100m・200m・4×100mリレーの決勝3本を走るというハードスケジュールだった。しかし、まず最初に行われた4×100mリレーは2走を務め3位に貢献すると、次に行われた男子100mはクリスチャン・コールマンを0秒01抑えて優勝。更に約45分後に行われた男子200mでもコールマンを抑えて優勝し、大会3冠を達成した。これらの種目での3冠達成は、1935年大会と1936年大会に200mハードルも加え4冠を達成したジェシー・オーエンス以来、史上2人目の快挙となった。また、ローソンは今大会でアーカンソー大学が獲得した56ポイント中、1人で31.5ポイントを獲得する活躍を見せた。これは1935年大会と1936年大会で40ポイントを獲得したジェシー・オーエンスに次ぐ最高得点となった[5][6]。これらの活躍によりローソンは、全米学生陸上界最高の栄誉とされるバウワーマン賞 (The Bowerman) の男子選手部門を受賞した[7]。 6度の全米学生チャンピオン(100m・200m・4×100mリレー・走幅跳)、2度のサウスイースタン・カンファレンスチャンピオン(走幅跳)、19度のオールアメリカ (All-America) 、バウワーマン賞受賞などの輝かしい実績を残し、2016年の学生シーズン終了後にプロに転向した(アシックスと契約)[8][9]。 プロ転向以降2016年7月の全米オリンピックトライアル(全米選手権)では、男子走幅跳でアメリカ史上9人目の28フィート(8m53)超えとなる8m58(+1.8)をマークして2位となり、リオデジャネイロオリンピック代表の座を掴んだ(男子100mは7位、男子200mは準決勝敗退)[10]。今季世界最高記録保持者として出場した8月のリオデジャネイロオリンピック男子走幅跳では、8m25(-0.5)で4位につけ決勝最後の跳躍を迎えた。順位が確定する最終競技者として登場したローソンは、1位(8m38)の記録を超えたと思える跳躍を見せ、本人も観客も逆転での金メダルを確信したが、左手が先に砂場に着いていたため記録は7m78(+0.1)に終わり、メダルを逃した[11][12]。ローソンは今大会の男子4×100mリレーにも出場し、予選でアメリカチームのアンカー(1走マイク・ロジャース、2走クリスチャン・コールマン、3走タイソン・ゲイ)を務め決勝進出に貢献した(予選のみ出場)[13]。 2017年6月の全米選手権男子走幅跳を8m49(+3.7)で制し、初優勝を飾るとともにロンドン世界選手権代表の座を掴んだ[14]。今季世界4位(8m33)の記録を持って出場した8月のロンドン世界選手権男子走幅跳では[15]、8m43(+0.2)で2位につけ決勝最後の跳躍を迎えた。ローソンは記録を伸ばす8m44(+0.6)をマークしたが、1位のルヴォ・マニョンガには4cm及ばず、惜しくも銀メダルに終わった[16]。 2018年は非常に好調だったジャリオン・ローソンだったが、8月31日にドーピング検査を行った際、陽性反応になった。この事によりローソンは聞き取りが終了するまで出場停止となった。[17] 自己ベスト
主な成績
ダイヤモンドリーグ
全米タイトル
脚注
外部リンク
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