ジャズ・イン・ザ・ガーデン
『ジャズ・イン・ザ・ガーデン』(Jazz in the Garden)は、スタンリー・クラーク・トリオが2009年に発表したスタジオ・アルバム。クラークの所属レーベルであるヘッズ・アップ・インターナショナルが原盤権を有しているが、日本のユニバーサルミュージックから直輸入盤仕様で先行発売された[4]。リターン・トゥ・フォーエヴァー時代の盟友レニー・ホワイトと、日本人ピアニストの上原ひろみを迎えて制作され、上原の参加したスタジオ・アルバムとしては初のストレート・アヘッド・ジャズ作品となった[5][6]。 背景クラークは以前から上原のことを知っていたが、共演の直接のきっかけは、長年クラークと親交の深かったチック・コリアの推薦だったという[7]。上原は自作曲「シシリアン・ブルー」と「ブレイン・トレーニング」を提供し[5][6]、また、マイルス・デイヴィスのカヴァー「ソーラー」は上原のアイディアで録音された[8]。 クラークの新曲「パラダイム・シフト」は、2008年アメリカ合衆国大統領選挙で当選を果たしたバラク・オバマに捧げられている[8][9]。「テイク・ザ・コルトレーン」は、デューク・エリントンがジョン・コルトレーンとの共演盤『デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン』(1962年)のために書き下ろした曲のカヴァーで、この曲はクラークとホワイトのデュオで録音された[8]。一方、アニメーション映画『白雪姫』挿入歌「いつか王子様が」のカヴァーと即興曲「グローバル・テュウィーク」は、クラークと上原のデュオによる演奏である[8]。「アンダー・ザ・ブリッジ」は、レッド・ホット・チリ・ペッパーズが1991年にシングル・ヒットさせた曲のカヴァー。 上原は2009年8月のインタビューで、クラーク及びホワイトとの共演について「2人のインタープレイを目の当たりにするのは、豪華なボートに乗っているような気分だった」と語っている[10]。 反響・評価アメリカの『ビルボード』ではコンテンポラリー・ジャズ・アルバム・チャートで5位、ジャズ・アルバム・チャートで12位に達した[11]。日本のオリコンチャートでは10週チャート入りし、最高23位を記録した[1]。 Michael G. Nastosはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「熟達したピアノ、ベース、ドラムのトリオによる完成度の高いスタンダード曲の演奏という域を超え、元ネタは何であれ、自分達の言葉で新鮮かつ独創的な新しい音楽を創造している」と評している[9]。John Fordhamは『ガーディアン』紙のレビューで5点満点中4点を付け「活気と喜びに満ちたトリオ作品で、正に驚くしかない」と評している[12]。また、スティーヴ・ホロヴィッツはPopMattersにおいて10点満点中7点を付け「このような小編成であることから予想できるように、このレコードは穏やかで、意味のある沈黙に満たされている。しかし、それは実験的でないという意味ではない」「クラークと仲間達は、高速で澱みなく硬質な演奏を駆使して、聴き手を未知への旅に連れていく」と評している[2]。 収録曲
日本流通盤ボーナス・トラック
参加ミュージシャン
脚注・出典
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