ジギー・スターダスト
『ジギー・スターダスト』(原題:The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars)は、イギリスのミュージシャンのデヴィッド・ボウイの5作目のアルバム。 その後、1990年にEMI(米国ではRYKO)よりCD化され再発売されており、その際ボーナストラックとして未発表テイクが5曲追加収録されている。また、2002年にもEMIより再発売されており、その際は2枚組で12曲がボーナストラックとして追加収録されている。このアルバムタイトルは、後述の解説にあるとおり「ジギー・スターダスト&ザ・スパイダーズ・フロム・マーズの栄枯盛衰」とでも訳すべきものであるが、日本盤では当時の担当ディレクター・高橋明子が発案した話題性確保の一環として、『屈折する星屑の上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群』と、固有名詞を直訳する珍妙な邦題を付して発売された(現行版は簡潔に『ジギー・スターダスト』となっている)。 このアルバムは、『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』(2020年版)に於いて、40位にランクイン[1]。アルバム収録曲「ジギー・スターダスト」(屈折する星くず)は、ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500や、ロックの殿堂の「The Songs That Shaped Rock and Roll」(ロックン・ロールを形成した500曲)に選出された。 解説デヴィッド・ボウイの代表作の一つ。5年後に迫る資源枯渇を原因とする人類滅亡の危機に、救世主として異星より来たバイセクシャルのロックスター「ジギー・スターダスト」の物語からなる。その名“ジギー”はイギー・ポップから、“スターダスト”は、テキサスのミュージシャン、レジェンダリー・スターダスト・カウボーイが由来となっている。自らが異星からやってきた架空のスーパースター「ジギー」となり、ロック・スターとしての成功からその没落までを描く物語を、アルバムに収録された曲で構成している作品である。それまでにボウイ自身が体験してきた音楽、俳優、絵画やパントマイム、また日本の歌舞伎といった大衆芸能を網羅し、自らの作品へと結実している。聴衆は「デヴィッド・ボウイ」ではなく、「ジギー」として彼を讃え、「ジギー」は虚像のスターとしてロック界の頂点に立った。妖艶さと狂気を兼ね備えた「ジギー」のキャラクターは、ボウイ自身の「バイセクシャル」であるという公言や、ステージでの宇宙人を思わせる奇抜な衣装やメイク、パフォーマンスによって神格化されていく。その頂点に達した時、突如ボウイは「ジギー」を否定し引退宣言をしてステージから姿を消すことになる。「ジギー」としてのパフォーマンスは、1973年7月3日のハマースミス・オデオンが名目上最後とされているが、その後にもう一度だけ行われている。 ボウイがモット・ザ・フープルに提供した楽曲「すべての若き野郎ども」は、『ジギー・スターダスト』の物語とつながりがある[2]。 英音楽誌NMEは、本作から「月世界の白昼夢」(11位)、「5年間」(12位)、「ロックンロールの自殺者」(13位)「サフラジェット・シティ」(14位)、「スターマン」(15位)、「屈折する星くず」(20位)の6曲を「NMEが選ぶデヴィッド・ボウイの究極の名曲1〜40位」に選んでおり、シングルとしてリリースされ本作には収録されなかった「ジョン、アイム・オンリー・ダンシング」も30位にランクインしている。[3] 収録曲
ボーナストラック
参加ミュージシャン
リイシュー5.1ch版2003年 5.1chサラウンドミックスが制作され、SACD(2003年発売)・DVD(2012年発売:40周年記念盤[LP&DVDセット])に収録されている[4]。 脚注
外部リンク
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