シロテテナガザル
シロテテナガザル(白手手長猿、学名:Hylobates lar)は、霊長目テナガザル科テナガザル属に分類されるサル。馴染み深いテナガザルの一種で、多くの動物園で見ることができる。特定動物。 分布中国南西部、インドネシア(スマトラ島北西部)、カンボジア、タイ、ベトナム、マレーシア(マレー半島)ミャンマー東部 形態本種の体毛は、部位により黒に近い暗褐色から淡褐色まで多岐に渡る。これは亜種や地域には関係なく個体変異の範疇である。黒い顔の周りを白色の毛が輪のように覆っている。四肢の先端部も白色であることが和名の由来。 体色、体サイズに性差はほとんど見られない。他のテナガザルと同様、長い腕を持ち、尾はない。 亜種
これ以外にボウシテナガザルをシロテテナガザルと同種とする説もある(両者は交配可能)が、両者の鳴き声が全く異なる事やボウシテナガザルは特徴的な体色があることから別種にされることが多い[3]。 生態昼行性、樹上性で、熱帯雨林に生息している。地上に降りることは滅多になく、長い腕を使い樹から樹へ腕わたり(ブラキエーション)をする。鈎型の手で振り子のようにはずみをつけ、勢いよく枝から枝へ移動する。一夫一婦のつがいを形成し、このペア関係は生涯持続する。家族集団は固定した縄張りを持ち、ほえ声で威嚇することで他のテナガザルを自分達の縄張りに寄せ付けない。 他のテナガザルと同様、妊娠期間は7ヶ月で、通常は1仔産である。子どもは約2年間授乳され、およそ8年で性成熟する。野生下での平均寿命は25年といわれる。 天敵として トラ、ヒョウ、ウンピョウ、アジアゴールデンキャット、ドールがいる。 保全状況評価国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストにて絶滅危惧IB類に指定されている[4]。 ENDANGERED (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))
人間との関係シロテテナガザルは種々の脅威にさらされている。食肉のために狩られたり、子どもをペットとして捕らえるために親が殺されたりする。最大の脅威は居住地の喪失である。プランテーションや畑、人間の居住地創設のために、東南アジアでは森林伐採が猛スピードで進んでいる。国立公園や自然保護区も存在するが、監視が行き届いていないのが現状である。 参考文献
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