ザ・タウン
『ザ・タウン』(原題:The Town)は、2010年公開のアメリカ映画。チャック・ホーガンの小説『強盗こそ、われらが宿命』を原作とした犯罪スリラー作品で、『ゴーン・ベイビー・ゴーン』以来2本目となるベン・アフレック監督作品である。 第67回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション外で上映された。第23回東京国際映画祭で特別招待作品のクロージング作品として上映された。 ストーリーボストン北東部のチャールズタウン(通称タウン)は銀行強盗の発生率が全米一で、強盗は家業のように親から子へと引き継がれた。強盗一味のリーダーであるダグ(ベン・アフレック)は、この街を出て再出発することを夢見ているが、なまじ腕が立つ為に強盗稼業から抜け出せずにいた。 ケンブリッジ銀行を襲撃し、若い女性支店長のクレア(レベッカ・ホール)を人質に取るダグの一味。免許証を奪ってクレアを解放したが、住所を見るとクレアはタウンの住人だった。顔は見られていないはずだが念の為に彼女に近づくダグ。強盗や人質の経験に怯えるクレアを慰めるうちに、2人は恋に落ちていった。 ダグが優秀なアイスホッケー選手だったことを知るクレア。ダグはプロのチームにドラフトされたが入団は叶わず、強盗に甘んじている男だったのだ。一度は夢に近づいただけに、周囲の人々のような麻薬漬けの屑では終らないというダグの決意は固かった。 FBI捜査官フローリー(ジョン・ハム)は相次ぐ強盗事件を捜査し、ダグの一味の存在を知って証拠はないまま内偵を開始した。そんな中、現金輸送車を襲撃して無数のパトカーに追われるダグの一味。なんとか逃げ切ったものの、フローリー捜査官は「遺留指紋らしきもの」をでっち上げてダグや仲間のジェム(ジェレミー・レナー)を拘束した。だが、指紋など残さなかった自信があるダグ。案の定、ダグたちは無事に釈放された。 強盗から足を洗い、共に街を出ようとクレアを旅に誘うダグ。それを執拗に引き止めるジェム。ダグと兄弟同然に育ったジェムは、ダグの為に殺人を犯し9年も服役した男だった。それでも街を出る覚悟で、元締めである“花屋のファーギー”に会いに行くダグ。 次の仕事は抜けるというダグをファーギーは許さず、昔の秘密を語った。ダグの父親は裏社会のボスであるファーギーの子分だったが裏切った。その報復としてファーギーはダグの母親に麻薬を与え中毒にした。母がそれを苦に自殺したことを初めて知るダグ。ファーギーはダグとクレアの関係も知っており、逆らえばクレアを殺すとダグを脅した。 クレアの身を案じて家に駆け付けるダグ。だが、フローリー捜査官からダグの正体を聞かされたクレアはダグを信じようとしなかった。必死でクレアを説得し、待っていて欲しいと頼んで最後の仕事に向かうダグ。 ジェムの妹でダグに惚れているクリスタに接近するフローリー捜査官。ダグが別の女(クレア)と街を出ると知ったクリスタは、フローリーにダグたちの強盗計画を漏らした。ファーギーが用意した次の仕事は、ボストンの球場フェンウェイ・パークで開催される対メッツ戦の売り上げを奪う大仕事だった。 綿密な計画で売り上げ金350万ドルを奪うダグの一味。だが、逃走したダグたちはFBIと警官隊に包囲された。次々と死んで行く仲間たち。ジェムもダグの目の前で射殺された。ただ1人生き残り、親の敵であるファーギーを殺してからクレアに電話するダグ。だが、クレアの周囲はFBIに固められていた。言外に「来るな」というクレアの声を聞きながら、いつまでもFBIに追われ続ける人生を覚悟して、1人で街を出る決意をするダグ。 家庭菜園の手入れ中に、ダグが埋めた札束入りの鞄を掘り出すクレア。中には、「君なら有効に使える」という、ダグからの別れの手紙が同封されていた。街に残ったクレアは匿名で金を寄付し、使用中止になっていたスケートリンクを再開してアイスホッケー部を復活させた。 キャスト
製作2008年9月、ワーナー・ブラザースが小説を映画化する為にベン・アフレックと交渉中であることが報じられた[3]。2009年8月末にマサチューセッツ州ボストンで撮影が始まった[4][5]。 評価北米では公開初週末3日間で2380万8032ドルを稼いで初登場1位となり[6]、また、それだけでベン・アフレック監督の前作『ゴーン・ベイビー・ゴーン』の累計興行収入を上回った[7]。 Rotten Tomatoesによると、94%(191名中180名)の評論家が本作に肯定的な評価を下し、また平均点は10点満点で7.7点となった[8]。 第83回アカデミー賞でジェレミー・レナーが助演男優賞にノミネートされた。 ソフト化日本ではワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメントより発売。
出典
外部リンク |
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