コウヤボウキ
コウヤボウキ(高野箒[4]、学名: Pertya scandens)はキク科コウヤボウキ属の落葉小低木[2]。古名はタマボウキ[4]。キク科の多くは草本であるが、本種は木本である[4]。 名称和名「コウヤボウキ」は、和歌山県の高野山で茎を束ねて箒の材料としたのでこの名がある[4][2][5]。玉箒(たまぼうき、古くは「たまははき」)と呼ばれて古くから箒の材料とされ、正月の飾りなどにもされた[5]。正倉院にある宝物の一つである子日目利箒(ねのひのめとぎぼうき:儀式用の玉飾りの箒)はコウヤボウキを材料としたものであることがわかっている[6]。 特徴日本の関東地方以西の本州、四国、九州に分布する[4][7]。山林の日当たりのよいところ、すこし乾燥した林内によく見られる[4][2]。 落葉広葉樹の小低木で、高さは 60 - 90センチメートル (cm) になる[4][7]。根本からたくさんの枝を出し、集団を作り、草本のように見える[7]。茎は灰褐色で細いが[4]、木質化していて硬い。茎には毛が多く生えているので、触るとざらつく[7]。葉は本年枝について互生し、幅広い卵形[4]。前年枝の節に束生する葉は細長い[4][2]。冬には葉を落とし、枝のみが目につく[2]。 冬芽は卵形で白い毛に覆われていて目につき、葉痕はわかりづらい[7]。側芽は枝に互生する[7]。春には葉が展開し、夏ごろには枝先の花芽が膨らんでくる[7]。 花期は秋(9 - 10 月)[4]。本年枝の先端に頭状花が一輪ずつ咲く[4][2]。頭状花は筒状花のみ十数個からなり[4]、白い房状、長さ1.5 cmほどで[2]、花弁は細長くてよじれる。 果実は痩果で冠毛がつき、風にのって散布される[4]。冠毛の長い果実は冬でもよく残っており[7]、風あたりの弱い場所では春まで残っている。
近縁種
脚注
参考文献
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