ケロロ小隊ケロロ小隊(ケロロしょうたい)は、吉崎観音原作の漫画『ケロロ軍曹』および、それを原作とするアニメ版などの作品に登場する架空の小隊である。本稿ではアニメ版に登場したケロロ小隊のコピーロボットについても記述する。 概要ケロロ小隊は、この物語の主人公であるケロロ軍曹を隊長とし、タママ二等兵・ギロロ伍長・クルル曹長・ドロロ兵長の隊員で構成される、ケロン星の軍隊「ケロン軍」の小隊の一つである(ただし地球の陸軍の小隊とは異なり、分隊もしくはそれより小さい組に相当する規模だが、編制が異なる)。 ケロン軍内の「第三宇宙侵略軍」に所属している[1]。正式な名前は「ガマ星雲第58番惑星 宇宙侵攻軍特殊先行工作部隊」であるが、アニメ第51話においてケロロ上司が「宇宙侵攻軍特殊工作部隊」とも称していることから「先行隊」などとも呼ばれる。ケロン軍におけるランクは「F級」である[2]。ケロン軍本部では「K-66X5-2301V3小隊」と呼ばれている。 隊員のうちケロロ・ギロロ・ドロロは幼馴染で(別名・元祖ケロロ小隊)、タママとクルルは部隊編成時に合流した。映画『ちびケロ ケロボールの秘密!?』ではケロロ・ギロロ・ドロロの3人が幼少時代にクルルと出会っていたこともある[注 1]。なお現在アンゴル=モアがオペレーター的な位置づけにあり、ケロン軍本部にも存在が認識されているものの、正規隊員ではない。 隊長であるケロロには毎月内職として造花・傘貼り・袋貼りのノルマが課せられており、締め切りに遅れると3倍増しになるという[3]。また、夏と冬に宿題があり、これも締め切りに遅れると本部より恐怖のペナルティが課せられる。 日向家の地下に前線基地を設けている。各隊員は全員誰かの家に居候しており、居候先はケロロ・ギロロ・クルルが日向家、タママが西澤家、ドロロが東谷小雪宅である。地球侵略が目的であり、小隊の戦闘能力、総じて個々隊員の戦闘能力は(ケロロも含めて)極めて優秀である。 しかし、理由や状況はどうあれ敵性種族はもちろん同軍であるガルル小隊やゲリリ少佐の侵略活動を阻止しており、実質的には地球を護る立場となってしまっている。 なお、ケロロ小隊はケロン星で知らない人がいないほど非常に有名な小隊であり、ケロン星での活躍報道・小隊への応援の手紙・本星でのケロロ小隊のグッズ販売など多岐にわたり地球征服を期待されており、現状に配慮してか大部分侵略が進んでいるような報道の捏造が行われてそれに拍車をかけている模様である。ガルル小隊との対戦後、タルルが軍内で「強くてかっこよい」という評判を流し、より過度な期待が向けられておりケロン軍幼年訓練所の子供たちも隊長であるケロロを憧れの目で見ている。 地球人からは概ね「悪の組織」や「敵」として見られることの方が多い。ただし一部の人(アニメ版のダソヌ☆マソ・ダソヌ☆マリ・月神散世など)からは「お笑い芸人」と間違って認識されていることもある。
地球侵略ケロロ小隊の目的は、前述のように地球侵略である。当初、彼らは先行工作部隊であったが、彼らを残し軍本隊が撤退したため、実質的に地球侵略はケロロ小隊にのみ任されている。なお原作第226話で侵略開始の3年前に、偵察機「バトラコス」を地球に送り込んでの偵察任務を行うなど、先行工作部隊の名に恥じない行動も行っている。 隊員の5人はしばらくばらばらの状態であったが、徐々にケロロの元へ合流、日向家に築いた地下秘密基地を拠点に活動を開始する。しかし侵略活動は遅々として進まず、それどころか地球人の側に立って活動することもしばしばである。 侵略が進まない原因としては、隊員ごとに侵略に対する見解が異なることや、地球文化や特定の地球人に対する思い入れが強く介在することで、思い切った行動に踏み切れない実態があり、さらにはそれらをまとめることのできない隊長・ケロロの統率力の無さが挙げられる。 また、地球が特殊な環境下にあることも大きな理由のひとつである。辺境とはいいながら、地球は古来より宇宙人が少なからず訪れるも決して過度の干渉を行わずその発達を見守ってきた星であり、現在では様々な目的を持った宇宙人が多数共存している。その中にはケロン人に対抗し地球侵略を目論む敵性種族や、それらの侵略行為から地球を守ろうとするヒーローも含まれているため、ケロン軍がいかに強大であろうと、こと地球においては絶対的な優位を持っている訳ではない[4]。 また、地球における宇宙人の動向には、強い権力を持つ宇宙警察が目を光らせている。また、侵略行為は宇宙法の規定により細かく規制されており、これに触れれば厳しい処分を課せられるため、強引な武力制圧も困難な状況にある[5]。 要は、地球侵略を成功させるためには、地球の社会や環境を壊さず、他の宇宙人をうまく出し抜き、なおかつ宇宙法にも抵触しない作戦が求められ、さらには日向家及びその四方の風といった強力な地球人をも制する必要があり、いかに優秀な人材を集めたとはいえ、小隊の規模ではいささか荷が重過ぎるきらいもある。 ケロン軍本部は、ケロロ小隊に活を入れるため、侵略ノルマを設定したり、課題を提出させたり、ガルル小隊を派遣し更迭を匂わせる[6]などして梃入れを試みていたが、その記録で目の当たりにした夏美の戦闘力と冬樹の知略に恐れをなしたらしく、当分はケロロ小隊に地球侵略を任せるつもりでいる[7]。 なお、同本部はアニメ版において、ケロロ達の行った「勝手な慰安旅行」を引き金に175日を期限とする侵略カウンターを設置[8]し、期限内に侵略が完了しなければケロロ小隊を撤退させ、カウンターに内蔵されたキルルに地球を滅亡させるという強硬な処置をとったことがある(原作では、キルルは宇宙法が厳しくなって兵器として使用できなくなっている[1])。ただしこの処置は、ある偶然の重なりによってうやむやになり[9]、結局ケロロ小隊が引き続き地球侵略の任に当たることになったようである[7]。 その後、原作184話で侵略本隊であるケロロ第弐小隊として新ケロロが地球に配属された。 隊員
一時的な隊員
隊員同士の合体アニメ295話Aパートで登場[注 4]。『仮面ライダーW』などのパロディとなっている。因みに一人称と喋り方、語尾が隣と入れ替わることがある。
関連するグループ
ケロロ小隊のコピーロボットコピーロボットには3種類ある。いずれもアニメ版のみに登場する。 アニメ第57話のコピーロボットケロロが侵略会議をサボって遊園地に『超精神ジャバライザー』のショーを見に行くためにクルルに作ってもらったコピーロボット。額の星が赤色ではなく青色であるので判別可能である。「それはただいまレポート作成中であります」と何度も言ったためギロロに怒られて投げ飛ばされた結果壊れてしまった[注 5]。故にこのバージョンはケロロのものしか存在しない。 アニメ3rdシーズン以降のコピーロボット初登場は第104話Aパート。このコピーロボットは明らかに本物と違うのだが、ケロロ小隊とナレーター以外は何故か誰も気づかない[注 6]。 本物との相違点
劇中での経緯第104話Aパートでは侵略モード・家事モード・休憩モードの3つのモードがあった。ケロロたちが慰安旅行に行く際、コピーロボットを家事モードにして留守番役をさせるつもりだったのだが、間違えて侵略モードにセッティングしたため暴走していた。 第130話Aパートではクルルが侵略モードを削除し家事手伝いモードに最適化を図ったものの、コピーロボットたちが強い自我を持つようになり全く融通がきかなくなりやはり自己暴走し始めた。更に同話Bパートではガルル小隊と死闘を繰り広げたが、ガルル小隊もまたコピーロボットを本物のケロロ小隊だと最後まで勘違いしていた。しかし戦闘後のガルル小隊を見ると、ガルルだけはケロロ達がコピーロボットと気付いていた様子だが、「勝って兜の尾を締めよ」を部下達に学ばせる為に黙殺した。さらにコピーロボットが非常に強かったためガルル小隊は自分たちがおごり高ぶっていたと自覚し、ケロロ小隊のもとへ行って自分たちに活を入れてくれたことを感謝するという事態が起こった。もちろん当のケロロ小隊には身に覚えがないため、ガルル小隊が自分達に会いに来た理由が全くわからなかった。因みに130話から初登場したプルル看護長はケロロのコピーロボットと戦った。 第182話Bパートでは3度目の登場を果たしており、ケロロ小隊は「相手そっくりに化けて本物と入れ替わる」という侵略作戦を立てたが、ロボットの暴走によりタママ以外の本物は全員基地に閉じ込められてしまう。この回では冬樹・夏美・モアのコピーロボットも登場し、さらに全コピーロボットが相違点を排して本物とまったく同じ姿で登場している。タママのもののみ初めは以前と同じような外見で登場したが、能力比べに勝った後はタママと完全に同じ外見になり、背中のスイッチすらも見えない状態になった。 第193話Aパートではクルルのコピーロボットのみ登場。クルルが初詣に行くことを面倒がり、代わりに「初詣モード」に設定したコピーロボットに行かせた。なお、この回では他に「昼寝モード」というモードも存在していたが詳細は明かされていない。 第260話Bパートの『ケロ0』では、ケロロ小隊のうちタママ以外の4人のコピーロボットが登場。時系列上ではこちらが本当の初使用であり、地球侵略前のパレードにケロロ・ギロロ・ゼロロ(後のドロロ)がいなかったと知り、クルルが自身のコピーロボットとケロロら3人のコピーロボットを用意し、パレードに参加させた[注 11]。 第346話Bパートではケロロのコピーロボットのみ登場しており、超空間ゲートの事故によりケロロの肉体が形を失い、魂のみの状態になってしまったケロロ[注 12]がこれを利用し、とある経緯により自分の心が蹂躙されたことに対する復讐として夏美を精神的に追い詰めた。コピーロボットは、夏美を不憫に思ったギロロが「ケロロが肉体を失ったというのは作り話であった」という嘘を作り上げる目的で、ケロロ小隊のメンバーとともに用意したものとして登場した。 アニメ217話Aパートのコピーロボット正確にはケロロ小隊の所有するロボットではなく、ケロロ達が訓練所時代に使ったものである。ゼロロが父親に買ってもらった市販品で、スイッチである鼻が緑色になっており、本物との差異はその鼻と体色が少し濃いことだけである。また、人工知能のレベルが低いため、単純な作業しかできない。 脚注注釈
出典
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