クビアカツヤカミキリ
クビアカツヤカミキリ(首赤艶天牛、学名:Aromia bungii)は、コウチュウ目カミキリムシ科に分類される昆虫の一種。別名クロジャコウカミキリ(黒麝香天牛)とも呼ばれることもある[1][2]。サクラやモモの木を食害する害虫であり[3]、日本では2018年(平成30年)1月に環境省により特定外来生物に指定された[4](「食害」で詳述)。 分布中国(亜寒帯〜亜熱帯)、モンゴル、ロシア極東部、朝鮮半島、ベトナム北部に分布する[5]。イタリアや日本(栃木県、群馬県、埼玉県、東京都、愛知県、大阪府、徳島県)に外来種として移入・定着している[5]。 特徴体長22 - 38mm[5]。体全体は光沢のある黒色で赤色の前胸が目立つ。黒色の触角は体長と同等かそれ以上の長さになる。日本では2012年(平成24年)に愛知県で初めて発見されて以降、分布を拡げており、他地域でも見つかっている。 繁殖力は大変強く、1匹の雌が300 - 1000個もの卵を産む。日本では孵化して2年後の6月中旬 - 7月下旬に成虫となり、幹から脱出して交尾した後に産卵するというサイクルを経て、個体数を増やす。別名に「麝香」とつくように、成虫は芳香を分泌する。これとは別に、雄はフェロモンによって雌を誘引する。 公園や市街地の街路樹に生息し、サクラ、ウメ、モモなどのバラ科樹木に寄生する。 食害幼虫は樹木内部を食い荒らすため、寄生された樹木が枯死することもある。特に桜の大敵とされ[6]、大量に植樹されているソメイヨシノの被害が顕著であり、被害拡大防止の観点からサクラが伐倒される事態が相次いでいる。このことから本種が特定外来生物に指定された[7][8]。埼玉県環境科学国際センターでは、サクラへ寄生するクビアカツヤカミキリ対策を広く公開している[9]。 2019年初旬には奈良県と三重県でも確認されており、群馬県館林市は捕殺個体1匹につき50円か飲料水を贈る取り組みを始めた[10]。これを参考に埼玉県行田市も成虫10匹を捕殺すれば500円分の商品券を配っている[11]。また、2019同年11月には和歌山県でも確認されている[12]。 駆除・防除には薬剤が使われるほか、産卵管を通さない0.4mmメッシュのネットも開発されている[13]。 出典
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