となる G の非自明な部分群 H が存在することは比較的簡単に証明できる[2][6]。
に関する数学的帰納法で証明する。
のとき、どのような部分群 H をとっても
である。
として、定理が となるような空でない有限部分集合 に対して成り立つとする。
任意の に対して
が成り立つとする。このとき H をb2-b1 の形の元から生成される G の部分群とする。
B の元 b0 を1つとれば H は の形の要素をすべて含むから
かつ
に対して
となる がとれる。
また より A + H = A であるが、 B が空でないことから より
A + H は G とは一致せず、特に H も G とは一致しない。よって H は G の非自明な部分群であり
が成り立つ。
次に
が成り立つ がとれるとする。
とおく。
かつ
となる。そこで
とおく。
より
が成り立つ。また ならば となることから つまり
が成り立つ。
ところで
より だから である。よって帰納法の仮定より
となる G の非自明部分群 H がとれる。上記の不等式を使って
がいえる。よって帰納法により弱い形の定理が証明される。
脚注
^Kneser, Martin (1953). “Abschätzungen der asymptotischen Dichte von Summenmengen” (German). Mathematische Zeitschrift /58: 459-484. doi:10.1007/BF01174162. MR0056632.
^ abKneser, Martin (1955). “Ein Satz über abelsche Gruppen mit Anwendungen auf die Geometrie der Zahlen” (German). Mathematische Zeitschrift61: 429-434. doi:10.1007/BF01181357.
^Kneser, Martin (1956). “Summenmengen in lokalkompakten abelschen Gruppen” (German). Mathematische Zeitschrift66: 88-110. doi:10.1007/BF01186598.
^Kemperman, J. H. B. (1960). “On small sumsets in an abelian group”. Acta Mathematica103: 63-88. doi:10.1007/BF02546525. MR0110747.
Tao, Terence; Vu, Van H. (2010). Additive Combinatorics. Cambridge studies in advanced mathematics. 105. Cambridge: Cambridge University Press. ISBN978-0-521-17012-3
Nathanson, Melvyn B. (1996). Additive Number Theory, Inverse Problems and Geometry of Sumsets. Graduate Texts in Mathematics. 165. Cambridge: Springer Verlag. ISBN978-0-521-17012-3