カッショクハイエナ
カッショクハイエナ(褐色鬣犬[5]、学名: Hyaena brunnea)は、ハイエナ科シマハイエナ属に分類される食肉類。本種のみでParahyaena属を構成する説もある[2]。 分布アンゴラ南西部、ジンバブエ、ナミビア、ボツワナ南東部、南アフリカ共和国[1] 模式標本の産地(基準産地・タイプ産地・模式産地)は、喜望峰[4]。 形態頭胴長(体長)110 - 140センチメートル[3]。尾長20 - 27センチメートル[3]。体高65 - 88センチメートル[3]。体重35 - 50キログラム[3]。平均11.2センチメートルの、暗褐色の粗い体毛で被われる[4]。独名Schabrackenhyaeneは、本種の長い体毛に由来する[4]。頭部は灰色[3]。 生態夜行性で[4]、昼間は穴の中で休む[3]。カラハリ南部では、行動圏は235 - 480平方キロメートルに達するという報告例もある[4]。時速4キロメートルで歩行するが、時速40 - 50キロメートルで走行することもできる[4]。カラハリ南部では1日のうち42.6 %を食物の探索に費やし、1晩あたり2 - 54キロメートル(平均32キロメートル)を移動したという報告例もある[4]。 主に動物の死骸を食べるが、甲虫類やシロアリ類などの昆虫、鳥類の卵、スイカなどの果実なども食べる[4]。トビウサギ類、スプリングボックの幼獣、オオミミギツネなどの小動物を捕食することもある[4]。沿岸部ではカニ類、魚類、鳥類、海岸に打ち上げられた海洋哺乳類などを食べる[4]。独名やアフリカーンス語の名称であるStrandwolfは英名のBeach wolfと同義で、海岸で採食を行うことに由来する[4]。語食物は単独で探し、死骸などは群れで分配する[3]。水分は主にスイカなどの果実から摂取し、飲めるときには飲むと考えられているものの水を必要としない[4]。 野生下ではカラハリ南部で12年以上の生存例が報告されており、飼育下でも13年以上の生存例が報告されている[4]。 人間との関係骨などが薬用になると信じられていたり、スポーツハンティングの対象とされることもある[1]。 2015年の時点では、生息数は安定していると考えられている[1]。一方で害獣としての駆除、イヌによる捕食などによる影響が懸念されている[1]。1975年のワシントン条約発効時にワシントン条約附属書Iに、1995年からはワシントン条約附属書IIに掲載されていたが、2000年に掲載が抹消された[6]。 日本では2021年の時点でハイエナ科単位で特定動物に指定されており、2019年6月には愛玩目的での飼育が禁止された(2020年6月に施行)[7]。 出典
関連項目
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