カスタムメイド3D2
『カスタムメイド3D2』は、2015年7月24日にKissから発売されたアダルトゲームである。 『カスタム隷奴』の流れを組む『カスタムメイド3D』の続編である本作は、これまでと同様キャラクターエディットに特化している一方、アダルトVRゲームとしての一面を持つことで知られている。 2015年9月18日に発売された『カスタムメイド3D2 with Chu-B Lip』は、ワイヤレスオナホール・Chu-B Lipを同梱したものであり、実用性を強化するため、育成および経営シミュレーション要素が廃止された。 また、2016年5月のアップデートで、『カスタムメイド3D2』と『カスタムメイド3D2 with Chu-B Lip』のVR化パッチが配信されたほか、2017年4月28日にはVRに特化した追加パック「カスタムメイド3D2 バケーションパックVR」が発売された[2]。 さらに、2018年2月23日には続編である『カスタムオーダーメイド3D2』が発売された。 システムカスタマイズプレイヤーはツンデレ(声:佐倉もも花)、クーデレ(声:手塚りょうこ)、純真(声:御苑生メイ)の3タイプから1名選んで、メイドをカスタマイズする。服装や肌の色などを細かく設定できるほか、ランダムで設定することも可能である。また、カスタマイズの内容を保存することも可能である。 スケジュールスケジュールは昼と夜に分かれており、昼はサロンの仕事や習い事、夜は接客業を中心とした内容となっている。このうち接客業ではメイドにVIPの接待をさせることもできるほか、夜伽はメイドたちに性的な施しをすることができる。ゲームを進めると、客とのHが可能な「フリー」と主人公以外のHが原則として認められていない「専属」のどちらかの契約を結ばせることができる。ゲーム内で得た資金はエディットパーツの購入に使うことができる。 また、これとは別に、メイドたちを踊らせることもできる。 品評会本作では品評会のシステムがあり、メイドのステータスが条件を満たすと、メイドのクラス(階級)を入手することができる。 2016年1月29日に発売されたアペンドディスク『カスタムメイド3D2+』では、プレイヤーが育成したメイドがNPCのメイド競い合う「メイドバトル」の機能が追加された。NPCメイドは、一之瀬 桜(声:こたつみやこ)、土屋 よし子(声:藤堂みさき)、宮原 安祐美(声:美空なつひ)、椎名 藍衣(声:藍川珪)の4人がおり、メイドバトルに勝利すると「レンタルメイド」として雇うことができる。また、これらのNPCメイドはある条件を満たすとイベントを発生させることもできる。 同年7月29日に発売されたアペンドディスク『カスタムメイド3D2+ ACT.2』では、『エンパイアクラブ』の支店のNPCメイドたちと競い合う『エンパイアリーグ』が追加された。『ACT.2』に登場するNPCメイドは唐崎 恵(声:楠田兎)、西周 美琴(声:八尋まみ)、ギンガ・S・ナメイド(声:藤邑鈴香)、赤羽 悠夏(声:あかしゆき)の4人である。 結婚『ACT.2』では、ある条件を満たすとメイドと結婚することができる機能が追加されたことに合わせて、夜伽に寝取られ系のプレイが追加された。また、2017年1月27日に発売された『カスタムメイド3D2+ ACT.3』では、メイドを新妻にすることができ、新婚旅行に行くことができるようになった。なお、『ACT.2』を導入していないプレイヤーが、 『ACT.3』でメイドを新妻にすることはできるが、結婚式等のイベントは発生しない。 『カスタムメイド3D2 オフィシャルファンブック』付属アペンドディスク『カスタムメイド3D2 オフィシャルファンブック』に同梱されているアペンドディスクは、複数のブランドとのコラボレーションイベントやKISSのユーザー投稿型企画"嫁イドグランプリ"の最終選考作品が収録されている[3]。 他社ブランドとのコラボレーションのうち、LiLiTHとのコラボレーションイベントは、LiLiTHの代表作である『対魔忍アサギ』を題材としたプレイであり、過激な内容も含まれている[3]。また、筆柿そふととのコラボレーションイベントは催眠プレイであり、シナリオは筆柿そふとの代表作である催眠シリーズを手掛けたNATORI烏賊が担当している[3]。 VR対応パッチアップデートで配信されたVR対応パッチの対応製品のうち、HTC Viveはハンドコントローラに対応しており、キャラクターのカスタマイズは「空中マウス」モード、視点の移動は「ムーブ」モード、そしてオブジェクトをつかむ動作は「グラブ」モードに分かれており、それぞれのハンドコントローラで別々に割り振ることができる[4]。また、キーボードのTabキーとCまたはVキーを押すと、プレイヤーのヘッドスケールのサイズが変わり、大きくなったり小さくなったりすることができる[4]。なお、VR対応βパッチの時点ではOculus Riftはハンドコントローラに対応していなかったが[4]、2016年12月16日のアップデートにより対応した[5]。 2017年2月10日のアップデートでは、視線追跡型ヘッドマウントディスプレイ(HMD)・FOVE 0に対応し、エディット画面でキャラクターの身体のある部分を見つめると表情が変化するといったシステムが追加された[6]。 バケーションパックVRバケーションパックVRの時点では、ワープ方式が導入された[2]。2017年4月28日に発売された追加パック「バケーションパックVR」のテーマは「VRで夏のバカンス」であり、プレイヤーはメイドたちの中から選んだ1人とともに、主人公の叔父が所有していたプライベートアイランドで過ごすという内容である[7]。この追加パックはVIPモードや夜伽モードだけでなく、VRコントローラを用いたミニゲームや家庭菜園も楽しめるほか、特定のフォルダに動画や音楽のファイルを入れると、ゲーム内の別荘にあるオーディオで視聴することができる[7]。 前述のVR化パッチ同様、この追加パックも製品版Oculus RiftとHTC Viveに対応しているが、ヘッドマウントディスプレイがない場合でも一人称視点のゲームとして楽しめるようになっている[7]。 開発前作ではアペンドディスクという形でVRに対応させたのに対し[8]、本作は開発当初からバーチャルリアリティに対応させるということが念頭に置かれており、通常のゲームの倍以上の処理能力を要するVRゲームでも対応できるようソフトそのものの容量を軽くするため、あえて低いスペックのコンピュータで開発が行われ、ゲームエンジンにはUnityが使われた[9]。 KissのCTOにして本作の開発チームの一人であるねいは、個人で購入したOculus RiftのDK1(2012年に提供開始された開発キット)の試用時に衝撃を受けたことがVR導入のきっかけになったとAKIBA PC Hotlineとのインタビューの中で明らかにしており、「前作の開発も一段落してリソースに余裕があったことからDK1に対応させた結果、メディアやSNSで大きな反響があった」と振り返っている[9]。 本作の発売から1か月後の2015年8月には開発者キットのみの存在だったOculus Riftに対応し、2016年5月にはHTC Viveにも対応し、同年10月にはLeap Motionにも対応した[10][8]。 KISSの広報担当者は、GQ JAPANの記事の中で「データ収集と試行錯誤を重ねた結果、『カスタムメイド3D2 with Chu-B Lip』の開発に2年もかかった」とコメントを残している[11]。 ねいは、paranoのVR対応パッチのベータ版の紹介記事の中で、VRのユーザーインターフェースの操作について悩んでいることや、空中マウスモードは苦肉の策で入れたことなどを明かし、「コントローラのタッチパッドを押しながら移動するスタイルではVR酔いになりやすいので、Valve Corporationの『The Lab』のようなワープ方式に変更したい」とも述べている[4]。 KISSはもぐらゲームスの取材に対し、「『バケーションパックVR』は性的要素を含んだVRにおけるキャラクターコミュニケーションの中でやりたいことを詰め込んだ作品であり、今後もVRに関する研究を行い、Hな視点からVRを日常のものに目指したい」とコメントした[7]。 「VRは体験しないとその良さを理解できない」というねいの考えから、本作の広報活動が積極的に行われ、キャストのトークショーや歌手のライブおよびファンイベントのほかにも、VRの講習会が実施された[9]。 反響VR技術の導入がメディアで取り上げられた結果、本作は先進的なアダルトゲームとして知られるようになり、ハンドジェスチャーを用いて操作するLeap Motionに対応したことによってコントローラなしで自らの手でヒロインに触れられる点がユーザーに受け入れられた[9]。 また、「嫁メイド」と呼ばれるユーザーが自作したヒロインやModなどがSNS上に公開されるなどして情報が拡散した結果、アダルトゲームのファン層以外からも購入が相次いだこともあり、本作は長期的な売れ行きを見せている[12]。 特にパッケージ版の売れ行きが大きかったのは発売日から2か月間にあたる2015年7月と8月であり、KISSの代表を務めるYamatoはショップから聞いた話として、「『カスタムメイド』シリーズは知る人ぞ知る作品であり、しっかり売れる印象がなかったため、ショップ側も7月に発売される作品としてここまで売れたことは予想していなかった。」とテックジャイアン編集長のヘマ大村とのインタビューの中で述べており、「毎年8月は大きなイベントがあるためアダルトゲームが売れず、ショップ側も8月の売り上げに苦心していたが、8月に入った後も本作が売れた結果、ショップ側から『8月の救世主』のように感謝されて驚いた」とも振り返っており、2週間で6回もパッケージ版の再製造を依頼したことも明かしている[12]。 9月に配信開始されたダウンロード版の売れ行きも好調であり、発売から2年後の2017年9月のDMM.comダウンロードランキングの5位にランクインし、同時期のDL.siteのダウンロードランキングでも1位にランクインするなど、こちらも長期的なヒットを記録している[13]。 本作の売れ行きの影響は各種イベントなどにもあらわれており、2015年8月の秋葉原電気外祭りでは、早朝から本作のアイテムコードを求める客の行列ができたほか、同年12月に開かれた秋葉原電気外祭りでも配布物がすぐになくなりクレームに発展する事態となった[12]。 2016年12月3日に開かれたVR体験イベントでは、100人の募集人数を大きく上回ったため、2度の抽選が行われた[10]。来場者の中には自作の「嫁メイド」を持参してVRでの触れ合いを楽しむ女性の姿もあった[10]。 さらに、既にニコニコ生放送で配信されていた「KISS公式ニコニコ生放送!」で「嫁イドアワー」という企画を新たに始めたところ、KISSのニコニココミュニティの登録者や生放送の視聴者が一気に増加した[12]。 その一方、ユーザーからは本作の推奨スペックが高いという指摘が相次いだ[9]。ねいはAKIBA PC Hotlineとのインタビューの中で、「一般的なアダルトゲームは低スペックのコンピュータでも動くと業界全体で認識されており、ユーザーが低グレードのコンピュータをメインに使うということは予想できていた。そのため、要求スペックの高さを指摘する口コミを見ても、パソコンの性能の問題は時間の経過とともに解消されるため、あまり大きな問題として認識していない」と述べた一方、Steamのユーザーやオンラインゲームの愛好家を一つのターゲット層として意識していることを明らかにした[9]。 受賞本作は萌えゲーアワード2015の審査員特別賞とDMM賞を受賞しており、その年において唯一のユーザー投票上位以外からの選出作品となった[14]。 選考委員の一人である元PC PRESSの編集長・津田清和は、美少女ゲームのコミュニティ以外でもSNSを通じて大いに話題となったことを選考理由として挙げている[14]。 また、本作はGetchu.com主催の美少女ゲーム大賞2015のシステム部門(2位)と[15]エロ部門(8位)[16]にそれぞれランクインした。 評価ライター・佐藤はおたぽるとのインタビューの中で、「本作の育成シミュレーションの要素が、単なる作業にならないように調整されたことによってエロゲー版『プリンセスメーカー』とも思える仕上がりになり、ユーザーを虜にした」と評している[17]。 高須賀哲はGQ JAPANに寄せた記事の中で、「キャラクターをアニメ調にする形であえて非現実を現実に接続した結果、よりエンターテインメント性の高い作品となった」と述べ、新たな可能性を感じさせると評した[11]。
主題歌カスタムメイド3D2
コラボレーション他企業の作品とコラボレーションが実施されると有償で衣装DLC (ダウンロードコンテンツ) が配信される。DLCは無期限か雑誌付録による数量限定の2種類がある。後継作のカスタムオーダーメイド3D2の互換性は一部DLCのみあり、COM3D2ショップにも販売している。 2016年
2017年
2018年
関連商品
脚注
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