オシロイバナ
オシロイバナ(白粉花、白粧花; 学名: Mirabilis jalapa)は、オシロイバナ科の多年草。 南アメリカ原産で、日本には江戸時代始めごろに渡来し、観賞用に栽培される[1]。気候上、一年草として扱われていたが、温暖化により宿根草として広く野生化している。 リンネの『植物の種』(1753年) で記載された植物の一つである[2]。 特徴発芽率が高く強壮で、踏まれたり折れたりしても維管束が断絶しなければ成長を続ける。 茎はよく枝分かれして灌木状となるが節がはっきりしていて、木質化はしない。多年草になっても全体にみずみずしい緑色をしている。 花は五裂するが花弁ではなく萼で、雌しべと5本の雄しべがあり、基部は緑色でふくらみ、がくのように見える総苞がある。芳香がある。色はベタレインの発現差による赤(ベタシアニン)、黄(ベタキサンチン)、白(発現無し)の三色が基本で、さらに不完全優性によるピンク(赤と白の混合)、トランスポゾン発現とその時期による源平咲き(ひとつの株にふたつの色の花が咲く)、咲き分け(ひとつの花がふたつの色に区分される)、絞り模様(筋、まだら、斑点状にふたつの色が分散する)が見られる[1][3]。白と黄の絞りは少ない。 咲くのは夕方4時頃で[4]、和名としてはユウゲショウ(夕化粧)とも呼ばれるが、この名はアカバナ科のものにも使われているので注意を要する。英語ではFour o'clock[4]、中国語では洗澡花(風呂に入る時間から)、煮飯花(夕飯の時間から)などと呼ばれる。夜間に開き花筒が長いので、口吻の長い大型の夜行性鱗翅目でなければ吸蜜は困難である。日本のオシロイバナでは主にスズメガが吸蜜し、送粉に関わっている。 花後、萼は基部を残して脱落し、総苞に包まれた果実(種子を1つ含む)が黒く熟す。種子は白い粉状の胚乳を持ち、白粉花の由来となった[4]。 根はいも、ごぼう状で、冬期に凍結しなければ翌春に芽吹いて宿根草となる。 利用オシロイバナ属には観賞用に栽培されるもののほか、アンデス山脈周辺でいもを食用にするもの(maukaまたはchago、M. extensa)もある。 根を利尿、関節炎の生薬として処方される。また、葉は切り傷、たむしの治療に用いられる[5]。ただし全草、特に種子や根は有害なアルカロイド(トリゴネリン)を多く含むため、利用は専門職の知見に基づく必要がある。 脚注
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