オオヒルヤモリ (Phelsuma madagascariensis )は、有鱗目 ヤモリ科 ヒルヤモリ属 に分類されるトカゲ。
分布
マダガスカル 東部[ 3]
種小名madagascariensis は「マダガスカル産の」の意だが、本種のみにかかわらずヒルヤモリ属の構成種は多くがマダガスカルに分布する。
形態
最大全長24センチメートル[ 4] 。体側面の顆粒状の鱗が背面の顆粒状の鱗と比較して大型で、直径1ミリメートルに達することが多い[ 7] 。
吻端から眼を通り、頸部にかけて筋模様が入る[ 7] 。
分類
Raxworthy et al .(2007)よりミトコンドリアDNAのシトクロムb・12S rRNAの塩基配列を決定し最尤法によって推定された系統樹より抜粋[ 7]
亜種ベーメオオヒルヤモリP. m. boehmei をシノニムとする説もある[ 7] 。
2007年に吻端から眼にかけての筋模様や体側面の顆粒状の鱗といった形態、ミトコンドリアDNAのシトクロムb・12S rRNAの分子系統解析で基亜種ではなくP. abbotti にP. perkeri とより近縁(P. abbotti やP. perkeri を含まない本種は偽系統群と推定された)という解析結果が得られたことから、亜種キタオオヒルヤモリP. m. grandis と亜種ミドリオオヒルヤモリP. m. kochi を独立種とする説が提唱された[ 7] 。
生態
低地から標高1,000メートル付近にかけての森林 に生息する[ 3] 。樹上棲。昼行性 。
食性は雑食 で、昆虫 、節足動物 、小型爬虫類、果実 、花 の蜜 などを食べる。
繁殖様式は卵生。
人間との関係
分布域が広いことから絶滅の危険性は低いと考えられている[ 3] 。一方で森林伐採による生息地の破壊、ペット用の採集により生息数は減少している[ 3] 。1977年にヒルヤモリ属単位でワシントン条約附属書IIに掲載されている[ 2] 。
ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。
出典
^ Appendices I, II and III <https://cites.org/eng >(Accessed 22/07/2017)
^ a b UNEP (2017). Phelsuma madagascariensis . The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net . (Accessed 22/07/2017)
^ a b c d e f Raxworthy, C.J., Glaw, F. & Vences, M. 2011. Phelsuma madagascariensis . The IUCN Red List of Threatened Species 2011: e.T172977A6951710. doi :10.2305/IUCN.UK.2011-2.RLTS.T172977A6951710.en , Downloaded on 22 July 2017.
^ a b c Phelsuma madagascariensis . Uetz, P. & Jiri Hosek (eds.), The Reptile Database, http://www.reptile-database.org , accessed 29 Dec 2016
^ 千石正一 「ハープタイルカタログ オオヒルヤモリ」『フィッシュマガジン』498号、緑書房、2007年、113頁。
^ 松本通範 「マダガスカルヒルヤモリ」『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』千石正一監修 長坂拓也編、ピーシーズ、2002年、22頁。
^ a b c d e Christopher J. Raxworthy, Colleen M. Ingram, Nirhy Rabibisoa, Richard G. Pearson, "Applications of Ecological Niche Modeling for Species Delimitation: A Review and Empirical Evaluation Using Day Geckos (Phelsuma ) from Madagascar ," Systematic Biology Volume 56, Issue 6, Society of Systematic Biologists, 2007, Pages 907-923.
関連項目
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