エドマンド・ロッジ

レミュエル・フランシス・アボットによる肖像画、1790年から1795年ごろ。

エドマンド・ロッジ英語: Edmund Lodge KH FSA1756年6月13日1839年1月16日)は、イギリス紋章官系譜学者。紋章学に関する著作と短編の伝記を著している。一方でよく知られる『ロッジ貴族名鑑』には名前を貸しているだけであり、実際にはイネス姉妹の著作である[1]

生涯

聖職者エドマンド・ロッジ(Edmund Lodge、1729年ごろ – 1781年)と妻メアリー(リチャード・ガラードの娘)の息子として、1756年6月13日にロンドンポーランド・ストリート英語版で生まれた[2]。1771年11月29日に騎兵少尉として第3(国王所有)竜騎兵連隊英語版に配属され[1]、1772年1月に官報で掲載された[3]。しかし陸軍は肌に合わなかったらしく、1772年10月11日に辞任[2]、11月に官報で掲載された[4]

1782年2月22日にブルーマントル紋章官補英語版に就任、以降1793年10月29日にランカスター紋章官英語版、1822年6月11日にノロイ統括紋章官英語版、1838年7月30日にクラレンス統括紋章官英語版に昇進した[1]。1787年3月15日、ロンドン考古協会フェローに選出された[5]。1832年にロイヤル・ゲルフ勲章英語版ナイトを授与された[1][6]

1808年4月27日、ジェーン・アン・エリザベス・フィールド(Jane Anne Elizabeth Field、1820年5月没、マイケル・フィールド海尉の娘)と結婚したが、2人の間に子供はいなかった[1][2]。1839年1月16日にブルームズベリー・スクエア英語版2号の自宅で死去、24日にブルームズベリーのセント・ジョージ教会英語版に埋葬された[2]。遺産は姉妹にあたるメアリー・シャーロット・ロッジが相続、うち蔵書は同年3月11日に競売を経て361ポンド4シリング6ペニーで売却された[2]

著述

  • Imitations of Original Drawings by Hans Holbein(1792年初版、1812年再版[1]
  • Portraits of Illustrious Personages of Great Britain(1814年 – 1834年、4巻[1]

この2つの著作はそれぞれハンス・ホルバインの作品とイギリス史の人物の肖像画に、ロッジが書く人物略歴を付した著作である[2]ウォルター・スコットは1828年にこれらの作品を賞賛した[2]

  • The Genealogy of the existing British Peerage(1832年[1]

系譜学の著作。それ以外では系図作成を安価で請け負ったり、アン・イネス、イライザ・イネス、マリア・イネス3姉妹が1827年から1829年にかけて著したAnnual Peerageに名義を貸したり(イネス3姉妹が著したが、3姉妹の名前は記載せず、代わりにロッジの名前が著者として記載された)した[2]。この著作は版が重なるうちに『ロッジ貴族名鑑』(Lodge's Peerage)として知られるようになり、ロッジとイネス3姉妹の没後も20世紀初まで同じ名前で出版された[1]

ほかにもIllustrations of British History, Biography and Manners in the reigns of Henry VIII., Edward VI., Mary, Elizabeth and James I(1791年初版、1838年第2版、全3巻)、Life of Sir Julius Caesar(1810年初版、1827年第2版、全2巻)といくつかの書評を出している[1][2]。このように多作だったが、遅筆であることと締め切りを破ることで知られた[2]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j Goodwin, Gordon (1893). "Lodge, Edmund" . In Lee, Sidney (ed.). Dictionary of National Biography (英語). Vol. 34. London: Smith, Elder & Co. pp. 57–58.
  2. ^ a b c d e f g h i j Peltz, Lucy (3 January 2008) [23 September 2004]. "Lodge, Edmund". Oxford Dictionary of National Biography (英語) (online ed.). Oxford University Press. doi:10.1093/ref:odnb/16920 (要購読、またはイギリス公立図書館への会員加入。)
  3. ^ "No. 11216". The London Gazette (英語). 21 January 1772. p. 11.
  4. ^ "No. 11303". The London Gazette (英語). 21 November 1772. p. 1.
  5. ^ A List of the Members of the Society of Antiquaries of London, from Their Revival in 1717, to June 19, 1796 (英語). London: John Nichols. 1798. p. 42.
  6. ^ Shaw, William Arthur (1906). The Knights of England (英語). Vol. I. London: Sherratt and Hughes. p. 468.

外部リンク

紋章官職
先代
サー・チャールズ・タウンリー英語版
ブルーマントル紋章官補英語版
1782年 – 1793年
次代
ジョージ・ネイラー英語版
先代
チャールズ・タウンリー
ランカスター紋章官英語版
1793年 – 1822年
次代
ジョージ・フレデリック・ベルツ英語版
先代
ラルフ・ビッグランド英語版
ノロイ統括紋章官英語版
1822年 – 1838年
次代
ジョセフ・ホーカー
先代
ウィリアム・ウッズ英語版
クラレンス統括紋章官英語版
1838年 – 1839年
次代
ジョセフ・ホーカー