ウグルナールクの独自性は属を分けるほどではないのではないかという意見が2017年、Hai Xing と学生らによって提示された。Xing et al. (2017)では、ウグルナールクは既知のエドモントサウルスでないが、エドモントサウルス属内の新種であり、疑問名であると主張された[11]。
その後Takasaki et al. (2020)はエドモントサウルスからウグルナールクを区別する特徴が個体成長に依存することを指摘し、ウグルナールク属をエドモントサウルス属のジュニアシノニムとした[12]。またTakasaki et al. (2020)は既知のエドモントサウルスとの間で長い上顎骨という差異が見られると言及しているが、この特徴はLaiyangosaurus youngiにも存在するため、独立した種として分類することの妥当性に疑問が残るともしている[12]。なおこの研究により、エドモントサウルスが古緯度70°付近という従来知られていた範囲内よりも北方から産出したことになり、エドモントサウルスの分布域が広範であったこと、またその骨格形態が緯度に伴う環境の差異に大きく影響を受けなかったことが考えられている[12]。
^Brouwers, E.M., Clemens, W.A., Spicer, R.A., Ager, T.A., Carter, L.D., and Sliter, W.V., 1987, "Dinosaurs on the North Slope, Alaska: High latitude, latest Cretaceous environments". Science237: 1608–1610
^Xing, H., Zhao, X., Wang, K. Li, D., Chen, S., Jordan, C.M., Zhang, Y and Xu, X., 2014, "Comparative Osteology and Phylogenetic Relationship of Edmontosaurus and Shantungosaurus (Dinosauria: Hadrosauridae) from the Upper Cretaceous of North America and East Asia", Acta Geologica Sinica88: 1623–1652
^Mori, H., 2014, Osteology, Relationships And Paleoecology Of a New Arctic Hadrosaurid (Dinosauria: Ornithopoda) From the Prince Creek Formation Of Northern Alaska. Unpublished Ph.D. thesis, University of Alaska Fairbanks, Fairbanks 333 pp