ウォルター・ビショップ・ジュニア(Walter Bishop Jr.、1927年10月4日 - 1998年1月24日)は、アメリカ合衆国のジャズ・ピアニストで音楽教師・音楽理論家。主にビバップ期およびハード・バップ期に活躍したが、1990年代まで演奏活動を続けた。ジャマイカ出身の作曲家ウォルター・ビショップ・シニアの息子である。また、イブラヒム・イブン・イスマイル(Ibrahim Ibn Ismail)というイスラム名も持つ。
略歴
ハイスクールでケニー・ドリューやソニー・ロリンズ、アート・テイラーと友人になる。第二次世界大戦後に音楽活動に入り、アート・ブレイキーやチャーリー・パーカー、オスカー・ペティフォード、カイ・ウィンディング、マイルス・デイヴィス、ジャッキー・マクリーン、カーティス・フラー、テリー・ギブス、クラーク・テリー、ブルー・ミッチェル、スーパーサックスと共演して録音活動を行なった。1960年代初頭にバンドリーダーとしてジミー・ギャリソンやG・T・ホーガンとトリオを結成する。
1960年代後半にジュリアード音楽院でホール・オーヴァートンに師事した後、1970年代にロサンゼルスの大学で音楽理論を指導した。1983年よりハートフォード大学のハート校で教鞭を執る。著書『四度の研究(英語: A Study in Fourths)』では、4度圏や5度圏に基づくジャズの即興演奏の仕方について論じている。
ディスコグラフィ
リーダー・アルバム
録音年
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タイトル
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レーベル
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パーソネル
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1961
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スピーク・ロウ Speak Low
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Jazztime
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トリオ with ジミー・ギャリソン (ベース)、G・T・ホーガン(英語版) (ドラム)。ブラック・ライオン(英語版)からも『Milestones』としてリリース
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1962
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A Pair of "Naturals"
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Operators
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4曲トリオ with ブッチ・ウォーレン(英語版) (ベース)、G・T・ホーガン (ドラム) ※ピーター・ヨーク・オーケストラ(7曲)とのスプリット盤
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1963
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サマータイム Summertime
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コティリオン
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トリオ with ブッチ・ウォーレン (ベース) ジミー・コブ (ドラム)
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1964–1968
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ビッシュ・バッシュ Bish Bash
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ザナドゥ(英語版)
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一部トリオ with エディ・カーン(英語版) (ベース)、ディック・バーク(英語版) (ドラム) / 一部カルテット with フランク・ヘインズ (テナーサックス) / 一部トリオ with レジー・ジョンソン(英語版) (ベース)、アイドリス・ムハマッド(英語版) (ドラム)
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1971
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コーラル・キイズ Coral Keys
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ブラック・ジャズ(英語版)
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カルテット with ハロルド・ヴィック (フルート、ソプラノサックス、テナーサックス)、レジー・ジョンソン (ベース)、アラン・シュワルツ・ベンジャー または アイドリス・ムハマッド (ドラム) / 一部クインテット with ウディ・ショウ (トランペット)
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1973
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キーパー・オブ・マイ・ソウル Keeper of My Soul
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ブラック・ジャズ
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With ロニー・ロウズ(英語版) (フルート、サクソフォーン)、ウディ・マレイ (ヴィブラフォン)、ジェラルド・ブラウン (ベース、エレクトリックベース)、バヒル・ハッサン (ドラム)、シャクール・M・アブドゥラ (コンガ、ボンゴ)
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1974
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ヴァレー・ランド Valley Land
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ミューズ
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トリオ with サム・ジョーンズ (ベース)、ビリー・ハート (ドラム)
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1975
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ソリロキュイ Soliloquy
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Seabreeze
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ピアノ・ソロ
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1976
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ソロ・ピアノ Solo Piano
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インタープレイ(英語版)
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ピアノ・ソロ
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1976
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オールド・フォークス Old Folks
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イースト・ウィンド
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トリオ with サム・ジョーンズ (ベース)、ビリー・ヒギンス (ドラム)
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1977
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ソウル・ヴィレッジ Soul Village
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ミューズ
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With ランディ・ブレッカー (トランペット、フリューゲルホルン)、ジョージ・ヤング (ソプラノサックス、アルトサックス)、ジェリー・ニーウッド(英語版) (テナーサックス、フルート)、スティーヴ・カーン (ギター)、マーク・イーガン (ベース)、エド・ソフ(英語版) (ドラム)、ヴィクトリア (コンガ、パーカッション)
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1977–1978
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Hot House
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ミューズ
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一部 トリオ with サム・ジョーンズ (ベース)、アル・フォスター (ドラム) / 一部カルテット with ビル・ハードマン (トランペット)、ジュニア・クック (テナーサックス)
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1978
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Cubicle
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ミューズ
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With ランディ・ブレッカー (トランペット、フリューゲルホルン)、カーティス・フラー (トロンボーン)、ルネ・マクリーン (ソプラノサックス、アルトサックス、テナーサックス)、ペッパー・アダムス (バリトンサックス)、ジョー・カロ (ギター)、ボブ・クランショウ(英語版) (エレクトリックベース)、ビリー・ハート (ドラム)、レイ・マンティラ(英語版) (パーカッション)、マーク・イーガン (エレクトリックベース)、カーメン・ランディ(英語版) (ボーカル)
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1978
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ザ・トリオ The Trio
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プログレッシブ(英語版)
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with ビリー・ハート (ドラム)、ジョージ・ムラーツ (ベース)
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1988
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ジャスト・イン・タイム Just in Time
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インタープレイ
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トリオ with ポール・H・ブラウン(英語版) (ベース)、ウォルター・ボールデン (ドラム)
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1989
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オード・トゥ・バード Ode to Bird
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インタープレイ
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トリオ with ポール・H・ブラウン (ベース)、ウォルター・ボールデン (ドラム)
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1990
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ホワッツ・ニュー What's New
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DIW
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トリオ with ピーター・ワシントン (ベース)、ケニー・ワシントン(英語版) (ドラム)
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1991
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Midnight Blue
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レッド
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トリオ with レジー・ジョンソン (ベース)、ダグ・サイズ (ドラム)
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1993
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スピーク・ロウ・アゲイン Speak Low Again
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ヴィーナス(英語版)
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トリオ with ポール・H・ブラウン (ベース)、アル・ヘアウッド(英語版) (ドラム)
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コンピレーション・アルバム
- The Walter Bishop Jr. Trio / 1965 (1965年、Prestige) ※1962年-1963年のセッション(『A Pair of "Naturals"』『Summertime』)
参加アルバム
ジーン・アモンズ
- Up Tight! (1961年、Prestige)
- Boss Soul! (1961年、Prestige)
ショーティ・ベイカー(英語版) & ドク・チータム(英語版)
- Shorty & Doc (1961年、Swingville)
アート・ブレイキー
- 『ザ・コンプリート』 - Blakey (1954年、EmArcy)
- 『アート・ブレイキーズ・ビッグ・バンド』 - Art Blakey Big Band (1957年、Bethlehem)
ロッキー・ボイド
- 『イーズ・イット』 - Ease It (1961年、Jazztime)
マイルス・デイヴィス
- 『ディグ』 - Dig (1951年、Prestige)
- 『コレクターズアイテム』 - Collectors' Items (1956年、Prestige)
ケニー・ドーハム
- 『ケニー・ドーハム・クインテット』 - Kenny Dorham Quintet (1953年、Debut)
- 『インタ・サムシン』 - Inta Somethin' (1961年、Pacific Jazz)
カーティス・フラー
- 『ボス・オブ・ザ・ソウル・ストリーム・トロンボーン』 - Boss of the Soul-Stream Trombone (1960年、Warwick)
- 『ザ・マグニフィセント・トロンボーン』 - The Magnificent Trombone of Curtis Fuller (1961年、Epic)
- Fire and Filigree (1978年、Bee Hive)
ジョン・ハンディ(英語版)
ビル・ハードマン
- Focus (1984年、Muse) ※1980年録音
- Politely (1982年、Muse)
ミルト・ジャクソン
- 『ミート・ミルト・ジャクソン』 - Meet Milt Jackson (1949年、Savoy)
ケン・マッキンタイアー(英語版)
- 『ルッキング・アヘッド』 - Looking Ahead (1960年、New Jazz)
ジャッキー・マクリーン
- 『スイング・スワング・スインギン』 - Swing, Swang, Swingin' (1959年、Blue Note)
- 『カプチン・スウィング』 - Capuchin Swing (1961年、Blue Note)
ブルー・ミッチェル
- 『ブルー・ミッチェル』 - Blue Mitchell (1971年、Mainstream)
- 『ヴァイタル・ブルー』 - Vital Blue (1971年、Mainstream)
ハンク・モブレー
- 『モブレーズ・セカンド・メッセージ』 - Mobley's 2nd Message (1956年、Prestige)
チャーリー・パーカー
- 『スウェディッシュ・シュナップス』 - Swedish Schnapps (1951年、Verve) ※サイド2
- 『フィエスタ』 - Fiesta (1952年、Verve)
- 『チャーリー・パーカー・プレイズ・コール・ポーター』 - Charlie Parker Plays Cole Porter (1954年、Verve)
- 『ライヴ・アット・ロックランド・パレス1952』 - Live at Rockland Palace (1983年、Parker) ※1952年録音
オスカー・ペティフォード
- 『リトル・セロ』 - The New Oscar Pettiford Sextet (1953年、Debut)
ディジー・リース
- 『サウンディン・オフ』 - Soundin' Off (1960年、Blue Note)
チャーリー・ラウズ
- 『テイキン・ケア・オブ・ビジネス』 - Takin' Care of Business (1960年、Jazzland)
アーチー・シェップ
- 『グリーン・ドルフィン・ストリート』 - On Green Dolphin Street (1978年、Denon)
ソニー・スティット
- 『ブロードウェイ・ソウル』 - Broadway Soul (1965年、Colpix)
ハロルド・ヴィック
- Commitment (1974年、Muse) ※1967年録音
スタン・ゲッツ・アンド・ヒズ・フォー・ブラザーズ (アル・コーン、ズート・シムズ、アレン・イーガー(英語版)、ブリュー・ムーア(英語版))
- 『ザ・ブラザーズ』 - The Brothers (1949年、Prestige)
参考資料・外部リンク
音源