ウィーン国立歌劇場名誉団員 (ウィーンこくりつかげきじょうめいよだんいん)はウィーン国立歌劇場 に功績のあった芸術家を表彰する制度。1869年、前身のウィーン宮廷歌劇場時代に設けられ、現在まで実施されている。
表彰
ウィーン国立歌劇場名誉団員は、歌劇場総支配人の提案を受け、運営委員会の承認を経て決定される。長年に渡り歌劇場の活動に従事した芸術家、並びに、歌劇場に貢献のあった者が対象となる。
2004年以前は書状のみの贈呈だったが、2004年以降は記念指輪も合わせて贈呈されている。指輪の製造者はウィーン市内のワーグナー宝飾店 (ヘルマン・グマイナー・ワーグナー氏)で、表彰者の氏名が刻印される。表面は国立歌劇場の外観を表した彫像が彫られ、裏面は観客席を表現している[ 1] 。
2004年以前の表彰者には追贈の形で指輪も贈呈されている。例えば、1995年表彰のヨアン・ホレンダーには、指輪の贈呈が始まった2004年に贈呈された他、1988年表彰のプラシド・ドミンゴとホセ・カレーラスにはそれぞれ2012年と2013年に贈呈されている。2003年表彰のニール・シコフのときは翌年の2004年に贈呈されている。
2016年に表彰を受けたヨハン・ボータのケースでは、病気を理由に公式の贈呈式が延期されたが、その開催前に死去したため、本人の手で書状を受け取ることができなかった[ 2] [ 3] [ 4] 。
名誉団員の年代順リスト
1881年: ヨハン・ネポムック・ベック、グスタフ・ワルター
1882年: ヨーゼフ・フォン・メステルハージー、ペーター・ゾウチェク(ともに合唱団員)
1883年: ルイ・フォン・ビニオ、マリア・ヴィルト(1834–1891、歌手)[ 5]
1884年: ベルタ・フォン・ディルナー
1886年: マティルデ・ヴェセリー(合唱団員)
1895年: ルイ・フラパール(ルイ・リュオー・フラパール、ルイ・リュオーとも、1832–1921、舞踏家)[ 6] 、カール・マイヤーホーファー
1897年: ゲオルク・ミュラー(1840–1909、テノール歌手)[ 7]
1903年: ヘルマン・ヴィンケルマン
1907年: トーマス・コシャット
1910年: フリッツ・シュレーター、アウグスト・シュトル(1853–1918、歌手・演出家・作曲家)[ 8]
1915年: ヨーゼフ・ハスライター
1920年: ラウラ・ヒルガーマン
1923年: マリア・イェリッツァ、エリック・シュメーデス
1925年: マリー・グートハイル・ショーダー
1926年: リヒャルト・マイヤー、アルフレート・ピカヴェル、レオ・スレツァック
1927年: ルシー・ヴァイト(1876–1940、ソプラノ歌手)[ 9]
1928年: アンナ・バール・ミルデンブルク、ロッテ・レーマン
1929年: ゼルマ・クルツ
1931年: アルノルト・ロゼー
1932年: ヘレーネ・ヴィルトブルン
1934年: フェリックス・ワインガルトナー
1935年: グスティ・ピヒラー(グスティ・ショート・ピヒラーとも、1893–1978、舞踏家)[ 10]
1937年: エミール・シッパー、エリーザベト・シューマン
1941年: ゲオルク・マイクル
1945年: ブルーノ・ワルター
1949年: ハンス・プフィッツナー、リヒャルト・シュトラウス
1955年: ハンス・ドゥハン、アニー・コネツニ、ヒルデ・コネツニ, マリア・ネーメト[ 11]
1959年: マリア・ライニング
1960年: アルフレート・イェルガー
1961年: ロゼッテ・アンダイ
1962年: マックス・ローレンツ、リューバ・ヴェリッチュ
1963年: フランツ・ザルムホーファー
1966年: ルートヴィヒ・ウェーバー、カール・マディン
1967年: クリステル・ゴルツ、パウル・シェフラー
1968年: カール・ベーム 、ヨーゼフ・クリップス、ビルギット・ニルソン
1969年: アントン・デルモータ、エリーザベト・ヘンゲン、エーリッヒ・クンツ、イルムガルト・ゼーフリート、エルンスト・アウグスト・シュナイダー(1902–1976、ウィーン国立歌劇場総支配人)[ 12]
1970年: マリー・ゲルハルト、ハンス・ホッター、ハインリヒ・ライフ・ギントル、ヨーゼフ・ヴィット
1971年: セーナ・ユリナッチ、ヴィルヘルム・ロープナー(1909–1971、コレペティトル、カペルマイスター、没後追贈)[ 13] [ 14]
1972年: ヒルデ・ギューデン
1973年: カール・フリードリヒ
1974年: レオニー・リザネック
1975年: ヘルベルト・アルゼン、カール・デンヒ、ヴィリー・フレンツル、エステル・レーティ、ユリア・ドラパル(1917–1988、舞踊家)[ 15]
1976年: ルドルフ・ガムスイェーガー
1977年: ハンス・ブラウン、ヒルデ・ツァデック
1979年: レナード・バーンスタイン 、ヘルベルト・フォン・カラヤン 、ゲルダ・シャイラー
1980年: エーデルトラウト・ブレクスナー、オットー・シェンク、ジュゼッペ・タッデイ
1981年: ハンス・バイラ―、ワルター・ベリー、グンドゥラ・ヤノヴィッツ、クリスタ・ルートヴィヒ、エゴン・ゼーフェールナー、マルツェル・プラヴィー、エーバーハルト・ヴェヒター、オットー・ヴィーナー
1982年: オスカー・チェルヴェンカ、オットー・エーデルマン、ペーター・クライン、ワルデマール・クメント、ウィルマ・リップ 、エミー・ローゼ、フリーデリカ・メースコリッチュ
1983年: エリーザベト・シュヴァルツコップ
1984年: カール・テルカル
1987年: リーザ・デッラ・カーザ、ロベルト・ユングブルート、ロッテ・リザネック
1988年: アグネス・バルツァ、ホセ・カレーラス、プラシド・ドミンゴ 、エディタ・グルベローヴァ 、ルドルフ・ヌレーエフ
1989年: ニコライ・ギャウロフ、ギネス・ジョーンズ、ルチア・ポップ
1991年: ピエロ・カプッチッリ、イレアナ・コトルバシュ、クラウス・ヘルムート・ドレーゼ、ハインリヒ・ホルライザー、ジェームズ・キング、アルフレード・クラウス、エヴァ・マルトン
1992年: ベリスラフ・クロブチャール、ヴィリー・ディルトル
1993年: ゲルハルト・ヘッツェル (1940–1992、没後追贈、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 とウィーン国立歌劇場管弦楽団 の第一コンサートマスター )[ 16]
1994年: ホルスト・シュタイン、ハインツ・ツェドニク
1995年: ヨアン・ホレンダー
1996年: レナート・ブルゾン
1997年: マーラ・ザンピエーリ、ズビン・メータ
1998年: ベルント・ヴァイクル
1999年: エルンスト・メルツェンドルファー
2001年: ライナー・キュッヒル 、ヴェルナー・レーゼル
2002年: リッカルド・ムーティ 、ロベルト・シュタングル
2003年: ニール・シコフ
指輪の贈呈者
(2004年以前の表彰者への指輪追贈を含む)
ウィーン国立歌劇場名誉団員の名誉指環
2004年: ニール・シコフ、レオ・ヌッチ、ペーター・シュライヤー、ヨアン・ホレンダー
2006年: トーマス・モーザー、ノルベルト・バラッチュ
2007年: 小澤征爾 、フェルッチョ・フルラネット
2008年: ゲオルク・シュプリンガー
2010年: マルコ・アルトゥーロ・マレッリ、フランツ・グルントヘーバー
2012年: プラシド・ドミンゴ、ウィーン国立歌劇場管弦楽団、フランツ・バルトロメイ[ 17]
2013年: ホセ・カレーラス、ロリン・マゼール
2014年: アルフレート・シュラメック
2016年: ヨハン・ボータ[ 2] [ 3] [ 4]
2017年: アダム・フィッシャー[ 18] 、ヴァルトラウト・マイヤー[ 19]
2018年: マニュエル・ルグリ [ 20]
脚注
^ Wiener Zeitung: Ehrenmitglieder sind jetzt Ringträger. Staatsoper vergibt künftig von Juwelier Wagner gestaltete Ringe zusätzlich zur Urkunde . Artikel vom 3. März 2004, abgerufen am 12. Jänner 2016.
^ a b Wiener Staatsoper: Die Wiener Staatsoper trauert um Kammersänger und Ehrenmitglied Johan Botha (Memento vom 19. 9月 2016 im Internet Archive )
^ a b Kurier: Startenor Johan Botha verstorben . Artikel vom 8. September 2016, abgerufen am 10. September 2016.
^ a b Die Welt: Am Ende konnte Johan Botha dann doch nicht siegen . Artikel vom 8. September 2016, abgerufen am 10. September 2016.
^ Marie Wilt im Wien Geschichte Wiki der Stadt Wien
^ Louis Frappart im Wien Geschichte Wiki der Stadt Wien
^ Georg Müller im Wien Geschichte Wiki der Stadt Wien
^ H. Reitterer: Stoll, August . In: Österreichisches Biographisches Lexikon 1815–1950 (ÖBL). Band 13, Verlag der Österreichischen Akademie der Wissenschaften, Wien 2007–2010, ISBN 978-3-7001-6963-5 , S. 311 f. (Direktlinks auf S. 311 , S. 312 ).
^ Lucie Weidt im Wien Geschichte Wiki der Stadt Wien
^ Gusti Pichler im Wien Geschichte Wiki der Stadt Wien
^ Alexander Rausch: Németh, Maria . In: Oesterreichisches Musiklexikon. Online-Ausgabe, Wien 2002 ff., ISBN 3-7001-3077-5 ; Druckausgabe: Band 3, Verlag der Österreichischen Akademie der Wissenschaften, Wien 2004, ISBN 3-7001-3045-7 .
^ Barbara Boisits: Schneider, Ernst August . In: Oesterreichisches Musiklexikon. Online-Ausgabe, Wien 2002 ff., ISBN 3-7001-3077-5 ; Druckausgabe: Band 4, Verlag der Österreichischen Akademie der Wissenschaften, Wien 2005, ISBN 3-7001-3046-5 .
^ Wilhelm Loibner im Wien Geschichte Wiki der Stadt Wien
^ Alexander Rausch: Loibner, Wilhelm . In: Oesterreichisches Musiklexikon. Online-Ausgabe, Wien 2002 ff., ISBN 3-7001-3077-5 ; Druckausgabe: Band 3, Verlag der Österreichischen Akademie der Wissenschaften, Wien 2004, ISBN 3-7001-3045-7 .
^ Julia_Drapal im Wien Geschichte Wiki der Stadt Wien
^ Wiener Philharmoniker: Zum 10. Todestag von Gerhart Hetzel . Artikel vom 2. November 2002, abgerufen am 11. Jänner 2016.
^ diepresse.com: Franz Bartolomey – 120 Jahre Oper in Wien! . Artikel vom 1. Juli 2012, abgerufen am 8. Oktober 2016.
^ Ádám Fischer wird Ehrenmitglied der Wiener Staatsoper . Artikel vom 20. Jänner 2017, abgerufen am 20. Jänner 2017
^ Waltraud Meier wird Ehrenmitglied der Wiener Staatsoper . Artikel vom 14. Juni 2017, abgerufen am 16. Juni 2017.
^ Nurejew-Gala geriet zur Feierstunde für Legris . Artikel vom 30. Juni 2018, abgerufen am 30. Juni 2018.
外部リンク