ウィル・ウィトン(本名 Richard William "Wil" Wheaton, 1972年7月29日 - )は、アメリカ合衆国出身の俳優、声優、作家。ウィル・ウィートンとも表記される。
テレビシリーズ『新スタートレック』のウェスリー・クラッシャー役、映画『スタンド・バイ・ミー』のゴーディー・ラチャンス役、『トイ・ソルジャー』のジョーイ・トロッタ役などで有名。声優としても活躍しており、『ティーン・タイタンズ』のアクアラッド役や『ベン10』のマイク・モーニングスター役など多くのアニメやゲームで声を当てている。
来歴
2001年
バーバンク出身。女優のデブラ・ノーディーンと認定専門医のリチャード・ウィリアム・ウィトン・ジュニアの間に生まれる[1][2][3]、兄ジェレミーと姉エイミーがおり[4]、『新スタートレック』にもゲスト出演している[5]。
大人になってから、ウィルは父親から虐待を受けていたと明かしており、母もそれに加わっていたと話した。両親はウィルに役者になるように強制していたとも話している。ウィルは現在両親とは疎遠になっている[6][7]。
子役としての成功
1981年にテレビ映画『ア・ロング・ウェイ・ホーム』に出演してデビュー[8]。1982年のアニメ映画『ザ・シークレット・オブ・NIMH』ではマーティンの声を当てている[9]。
その名を一躍世に知らしめたのはスティーヴン・キングの同名小説を基にした映画『スタンド・バイ・ミー』への出演だった[10][11][12]、映画の中でウィルは兄を失った12歳のストーリーテラー、主役のゴーディーを演じている[12]。
新スタートレック
ウィルは『新スタートレック』シリーズの最初の4シーズンに渡って「天才少年であり宇宙軍の希望」という設定を持つキャラクター、ウェスリー・クラッシャーを演じた[13][14]。それ以後のシーズンでも4本のエピソードに出演している。ウェスリー・クラッシャーというキャラクターは視聴者やファンの間で評価が極端に分かれたキャラであり、彼を愛するスタートレック・ファンもいれば、憎む者も存在した[15][14] ウィルはこの評価について2004年のインタビューでこう話している
後年になってから、狂った人々 - ネットでしか威張れないような小心者 - は全体の中で本当に少ししかいないんだと強く思った。そして長年に渡って僕のウェブサイトにEメールをくれる人々や、ここ5年間で『スタートレック』についていろんな人と話したりしたことによって、僕の演技やキャラクターを含めて、否定派よりももっと多くの人々が楽しんでいてくれることに気づいたんだ。
[16]
ウィルは番組出演のスケジュールを組む上で、1989年の映画『恋の掟』への出演の希望が叶わなかったことから制作チームへの懸念を示し、番組を離れた[17][18]。
ウィルは2002年の『ネメシス/S.T.X』へのカメオ出演や2022年の『スタートレック:ピカード』第2シーズン最終話への再出演などでウェスリー役を再演している[19]。
2024年にはアニメーションの『スタートレック:プロディジー』でもウェスリー役の声を担当している[20]。その他ゲームなどでもウェスリー役を務めている。
スタートレック以後
1991年に『トイ・ソルジャー』に出演した後、トピカに移り、NewTek(英語版)のビデオトースターの開発を手伝う[21][22]。
その後、ロサンゼルスに戻り、5年間演劇学校に通う。そして再び俳優業に復帰した[23][24]。
2014年
それからは俳優としてテレビドラマや映画への出演のほかに、多くのアニメやゲームで声優としても活動。ナレーターとしても活動しており、様々なオーディオブックでもナレーションをしている。更に司会業も務めているほか、インターネット番組への参加も積極的に行っている。
2009年から放映されたシットコム『ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則』では本人役として出演。
2015年にはニンテンドー・オブ・アメリカからゲーム『Code Name: S.T.E.A.M. リンカーンVSエイリアン』でリンカーン役の声を務めることが発表された[25]。
2020年、スリラー映画『レント・ア・パル』で主演[26]。
YouTubeのボードゲーム・ショー『テーブルトップ』では司会と共同クリエイターを務めている。更にParamount+で放送されている『スタートレック』を語る番組The Ready Roomでは2020年の第2シーズンから司会を務めている[27]。
私生活
2024年
1999年にアン・プリンスと結婚し、二人の継子と一緒にカリフォルニア州パサデナ市で暮らしている[28]。
ダンジョンズ&ドラゴンズのプレイヤーであり[29]、大会にも出場している。
主な出演作品
映画
公開年 放映年 |
邦題 原題 |
役名 |
備考
|
1981 |
ロングウェイ・ホーム A Long Way Home |
ドナルド・ブランチ |
テレビ映画
|
1984 |
バディ・システム The Buddy System |
ティム |
|
1986 |
新・手錠のままの脱獄 The Defiant Ones |
クライド |
テレビ映画
|
スタンド・バイ・ミー Stand by Me |
ゴーディ・ラチャンス |
|
1987 |
デッドウォーター The Curse |
ザック |
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1991 |
トイ・ソルジャー Toy Soldiers |
ジョーイ・トロッタ |
|
あの夏、君を忘れない The Last Prostitute |
ダニー |
テレビ映画
|
1996 |
MR.STITCH 悪魔の種子 Mr Stitch |
ラザルス |
テレビ映画
|
1997 |
トレッキーズ スター・トレック万歳! Trekkies |
|
ドキュメンタリー
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フラバー Flubber |
ベネット |
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1998 |
リンカーン暗殺の日 The Day Lincoln Was Shot |
ロバート・トッド・リンカーン |
テレビ映画
|
2000 |
パイソン Python |
トミー |
テレビ映画
|
2002 |
ネメシス/S.T.X Star Trek Nemesis |
ウェスリー・クラッシャー |
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2003 |
ブック・オブ・デイズ/死を告げる書 Book of Days |
ダニー |
テレビ映画
|
2003 |
Neverland |
ジョン・ダーリング |
|
2007 |
Americanizing Shelley |
アラン・スミス |
|
2012 |
シャークネード2 カテゴリー2 Sharknado 2: The Second One |
客室乗務員 |
カメオ出演
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2014 |
ビデオゲーム THE MOVIE Video Games:The Movie |
本人 |
ドキュメンタリー
|
2020 |
Rent-A-Pal |
アンディ |
|
テレビシリーズ
テレビアニメ
(一部)
テレビゲーム
脚注
- ^ “Genealogy”. Roots Web. Ancestry. 2009年7月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年10月14日閲覧。
- ^ “Wil Wheaton Biography (1972–)”. Film reference. 2010年10月14日閲覧。
- ^ “Wil Wheaton Pedigree Chart - Richard William Wheaton III - Ahnentafel No: 1 (53708)”. famouskin.com. 2017年2月14日閲覧。
- ^ Grace Catalano (1988). Teen Star Yearbook. PaperJacks. ISBN 978-0-7701-0937-0. https://books.google.com/books?id=bAKMkI6aXcoC
- ^ Paula M. Block; Terry J. Erdmann (November 16, 2012). Star Trek: The Next Generation 365. Abrams. pp. 152–. ISBN 978-1-61312-400-0. https://books.google.com/books?id=JCbTA9wMmEAC&pg=PT152
- ^ “Why Big Bang Theory And Star Trek Vet Wil Wheaton Thinks Acting Is 'A Little Traumatic'”. Cinemablend (2020年11月17日). 2023年4月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。 Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ “'Stand by Me' Star Wil Wheaton Says Parents' Emotional Abuse Powered His Breakout Performance”. IndieWire (2021年5月22日). 2023年4月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。 Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ Kirk Honeycutt (1986年8月21日). “Teen actor Wheaton wants no part of trash”. Chicago Tribune. オリジナルの2022年6月29日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220629203544/https://www.chicagotribune.com/news/ct-xpm-1986-08-21-8603020609-story.html
- ^ Donahoo, Daniel (Jul 29, 2009). “A New Secret of NIMH”. Wired. オリジナルのApr 25, 2023時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20230425080727/https://www.wired.com/2009/07/a-new-secret-of-nihm/.
- ^ “Book vs. Movie: Stand By Me (The Body by Stephen King)”. The Readventurer (2012年5月1日). 2018年3月9日閲覧。
- ^ Cormier, Roger (2015年8月6日). “16 Nostalgic Facts About Stand by Me”. Mental Floss. 2018年3月9日閲覧。
- ^ a b “'Stand By Me': A Love Letter To Childhood Innocence”. NPR (2011年8月6日). 2018年3月9日閲覧。
- ^ “Star Trek: Why The Next Generation's Wesley Crusher Was So Hated”. CBR (2021年3月18日). Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ a b “Happy Birthday! Wil Wheaton Turns 44 Years Old”. Comicbook.com. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ Zabiegalski, Robin (2021年5月31日). “Why 'Star Trek's' Creator Loved Wesley Crusher”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ Greenlee, Dana (2004年9月18日). “From Star Trek: Next Generation to Geek Blogger”. Web talk guys. 2008年12月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。 Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ Elvy, Craig (2021年4月29日). “Star Trek: Why Wil Wheaton (Wesley Crusher) Quit TNG”. Screenrant.com. 2022年2月14日閲覧。
- ^ Noah Shachtman. “Wheaton's Trek to Respectability”. WIRED. https://www.wired.com/2001/12/wheatons-trek-to-respectability/ 2022年2月14日閲覧。.
- ^ Wheaton, Wil (2022年5月5日). “Welcome home, Wesley”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ Dinh, Christine (2024年7月23日). “WARP FIVE: Wil Wheaton on the Original Prodigy Returning to Star Trek”. Star Trek. 2024年12月28日閲覧。
- ^ Rabin, Nathan (November 20, 2002), “Wil Wheaton”, The A.V. Club (interview), https://www.avclub.com/wil-wheaton-1798208240
- ^ “Wil Wheaton”, Conversations with GoD, Geeks of Doom, (May 29, 2008), http://geeksofdoom.com/2008/05/29/conversations-with-god-wil-wheaton/ 2009年5月2日閲覧。
- ^ Wil Wheaton (podcast), Nerdist, (Nov 2011), 8 min, オリジナルのJanuary 27, 2013時点におけるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20130127085852/http://www.nerdist.com/2011/02/nerdist-podcast-63-wil-wheaton/ 2012年12月18日閲覧。
- ^ Wheaton, Wil (2004). Just a geek: unflinchingly honest tales of the search for life, love, and fulfillment beyond the Starship Enterprise. Sebastopol, CA: O'Reilly. p. 9. ISBN 0-596-00768-X. https://archive.org/details/justgeek0000whea/page/9
- ^ Nintendo of America [@NintendoAmerica] (2015年3月5日). ".@wilw spotting! Wil Wheaton lends his talents to #CodeNameSTEAM for #3DS as the voice of the great Abe Lincoln". X(旧Twitter)より。
- ^ Harper, Rachael (2020年11月13日). “Rent-A-Pal: Interview with Wil Wheaton”. SciFiNow. 2024年12月28日閲覧。
- ^ Bullard, Benjamin (2020年1月12日). “Wil Wheaton to Host Star Trek: Picard Aftershow The Ready Room at CBS All Access”. SyFy Wire. 2020年1月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月14日閲覧。
- ^ Wil Wheaton. "Seeking Sanctuary" WilWheatonDotNet in Exile, May 15, 2006. Retrieved September 23, 2007.
- ^ Pascale, Anthony (2009年1月21日). “Wil Wheaton Talks Geeking Out at Phoenix Comic Con w/TNG Co-stars + more”. Trek Movie. 2009年11月25日閲覧。
外部リンク