イルーシヴウェーヴ (Elusive Wave) とは、アイルランドで生産された競走馬である。G1競走の勝ち鞍は2009年のプール・デッセ・デ・プーリッシュ。
馬名は父イルーシヴシティの「イルーシヴ」と母マルチカラーウェーヴの「ウェーヴ」を組み合わせたもの。
イルーシヴウェイヴ、イリューシヴウェーヴ、イリューシヴウェイヴなどと表記される場合もある。
経歴
- 2008年(2歳)
イギリスのリチャード・ハノン厩舎に所属し、5月にグッドウッド競馬場で行われたメイドン競走が競走馬デビュー戦となり、リチャード・ヒルズが騎乗してデビュー初戦で初勝利を挙げた。レース後はフランスのジャン=クロード・ルジェ厩舎に転厩し、以降主戦騎手となるクリストフ・ルメールが騎乗して7月に準重賞競走を制し転厩後初戦で初勝利を挙げ、8月には重賞競走初挑戦となったカルヴァドス賞(G3)も制し、デビュー戦以来無敗の3連勝で重賞競走初勝利を挙げた。そして10月にはG1競走初挑戦となるマルセルブサック賞に出走したがプロポーショナルに3馬身差で敗れて2着となりデビュー戦以来の連勝が3でストップした。なおレース後は休養に走り4戦3勝で2歳を終えた。
- 2009年(3歳)
3歳となっての初戦となった4月のインプルーデンス賞(G3、アンプルダンス賞とも表記)を制して重賞競走2勝目を挙げると、続く5月のプール・デッセ・デ・プーリッシュでは、2着となった同じジャン=クロード・ルジェ厩舎所属のタマジルトに半馬身差をつけてG1競走初勝利を挙げた[注 1][1]。その後、6月のコロネーションステークスでは2番人気に推されたが、4着に敗れた。古馬初挑戦となるロートシルト賞では前年の勝ち馬ゴルディコヴァに敗れ、2着となった。続く9月6日のムーラン・ド・ロンシャン賞では1番人気に推されたが、スタートが切られてもゲートを出ないまま、競走を中止した。
- 2010年(4歳)
4歳となっての初戦は5月1日のミュゲ賞(G2)に出走したが、5着に敗れた。続く6月13日のシェミンデフュールデュノール賞(G3)では4着、8月1日のロートシルト賞では3着と勝ちきれないレースが続いていたが、8月29日のクインシー賞(G3)では1番人気に応えて久々の勝利を収めた。10月2日のダニエルウィルデンシュタイン賞(G2)でも1番人気に推されたが、ロイヤルベンチの5着に終わった。そのレースを最後に引退した。
年度別競走成績
- 2008年(2歳) 4戦3勝
- 1着 カルヴァドス賞(G3)
- 2着 マルセルブサック賞(G1)
- 2009年(3歳) 5戦2勝
- 1着 インプルーデンス賞(G3)、プール・デッセ・デ・プーリッシュ(G1)
- 2着 ロートシルト賞(G1)
- 2010年(4歳) 5戦1勝
- 1着 クインシー賞(G3)
- 3着 ロートシルト賞(G1)
繁殖牝馬時代
引退後は繁殖牝馬となり、アイルランドで2頭産んだのち、フランケルの仔を受胎した状態でノーザンファームに購買され日本に渡り、以降はノーザンファームで繋養されている。セレクトセールでは、2016年生まれの5番仔(競走名サトノソロモン)が2億8000万円で里見治に落札され、これはマルペンサの2016(競走名サトノジェネシス)と同額であった[2]。2017年生まれの6番仔(競走名アドマイヤビルゴ)は、国内のセールでは史上2番目の値となる5億8000万円で近藤利一が落札した[3]。
産駒一覧
血統表
脚注
注釈
- ^ 鞍上のルメールは4年ぶり2度目、ルジェ厩舎は初の同競走制覇となり、父イルーシヴシティにとっては産駒のG1競走初勝利となった。
出典
外部リンク