イトヒキギス
分類
学名
Sillaginopsis panijus (Hamilton , 1822)
シノニム
Sillago panijus Hamilton, 1822
Cheilodipterus panijus Hamilton, 1822
Sillaginopsis domina Cuvier, 1829
Sillago domina Cuvier, 1829
英名
Gangetic whiting flathead sillago
分布
イトヒキギス (Sillaginopsis panijus )はキス の一種。ベンガル湾 岸に生息する。平たい頭と長く伸びた背鰭が特徴。現地で漁獲され、食用・観賞用として取引される。
分類
Sillaginopsis 属は単型 であり、他の2属とともにキス科を構成する[ 1] 。
1822年、Francis Buchanan-Hamilton によってCheilodipterus panijus として記載された。ホロタイプ はガンジス・デルタ 産。1861年、Theodore Gill は"Synopsis of the Sillaginoids"の中でキス科の分類を再編し、Sillaginopsis 属が創設され学名はSillaginopsis panijus となった[ 2] 。
分布
南アジア沿岸に分布する。ポンディシェリ からコロマンデル海岸 、ガンジス・デルタ 、ミャンマー ・マレーシア ・稀にインドネシア でも確認されている[ 2] 。
沿岸の湾 ・三角江 の泥底 に生息する。幼魚 は外敵を避けるため河川に進入する[ 3] 。
形態
形態から他のキス科魚類とはすぐに区別できる。頭部 は強く縦扁し、眼は非常に小さい[ 3] 。第一背鰭 は10棘で、第二棘の先端が長く伸びる。第二背鰭は1棘25-27軟条 。尻鰭 は2棘24-27軟条。側線鱗数 は84-90、脊椎骨数 は42。44cmまで成長する[ 4] 。
他のキス科魚類には鰾 があるが、本種ではほぼ消失する。口は小さく、下顎が上顎より短く、最前方の2本の歯が他の歯より大きい[ 2] 。
生態
消化管 内容物の分析から、小魚・甲殻類 ・藻類 を食べることが示された。口が小さいため、餌の大きさは限られる[ 4] 。
西ベンガル州 の標本から、固有の消化管寄生虫 Dichelyne alatae [ 5] を始めとした寄生虫が発見されている。
Krishnayya(1963)によるフーグリー川 三角江での耳石 を用いた年齢構成調査では、年2回、11-2月・8-9月に繁殖 することが示された。稚魚はそれぞれ3-4月・12月に川を遡り、2-3か月過ごす。全長120mmで性成熟 する[ 6] 。
人との関連
ベンガル湾 沿岸・フーグリー川・ガンジス川デルタなどで漁網や延縄 で漁獲される。重要種であるが、現地で消費されるため海外への輸出は少ない[ 2] 。稚魚は汽水 性観賞魚 として取引されることもある[ 7] 。
出典
^ "Sillaginopsis panijus" (英語). Integrated Taxonomic Information System . 2008年5月5日閲覧 。
^ a b c d McKay, R.J. (1992). FAO Species Catalogue: Vol. 14. Sillaginid Fishes Of The World . Rome: Food and Agricultural Organisation. pp. 19–20. ISBN 92-5-103123-1 . ftp://ftp.fao.org/docrep/fao/009/t0538e/t0538e07.pdf
^ a b McKay, R.J. (1985). “A Revision of the Fishes of the Family Sillaginidae”. Memoirs of the Queensland Museum 22 (1): 1–73.
^ a b Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2007). "Sillaginopsis panijus " in FishBase . Aug 2007 version.
^ De, N.C.; R.N. Maity (1995). “A new nematode, Dichelyne alatae sp. n. (Cucullanidae), from Sillaginopsis panijus (Pisces) of West Bengal, India”. Folia Parasitologica 42 (3): 220–226. PMID 8774775 .
^ Krishnayya, C.G. (1963). “On the use of otoliths in the determination of age and growth of the Gangetic whiting, Sillago panijus (Ham.Buch.), with notes on its fishery in Hooghly estuary”. Indian Journal of Fisheries 10 : 391–412.
^ Schaefer, Frank (2005). Brackish-water fishes : all about species, care and breeding . Rodgau: Aqualog. ISBN 3-936027-82-X