コロマンデル海岸コロマンデル海岸(英語: Coromandel Coast)は、インド南東部の海岸。クリシュナ川の河口からカリメール岬に至るまでの海岸を指す。全長は約720キロメートル。 主要な港湾都市の一つ・チェンナイ近郊のマイラポールにポルトガル人が築いた交易拠点の名から、歴史的に日本ではこの地方を「サントメ(桟留)」と呼んだ。綿織物の「桟留縞」[1][2][3]や、なめし革の「桟留革」[4]は、この地名に由来する。 地理コロマンデル海岸はデカン高原東部の東ガーツ山脈のさらに東側にあるベンガル湾の海岸で、北東モンスーンの影響で10月と11月に雨が多い。クリシュナ川、ペンナ川、パーラール川、ポンナイヤル川、カーヴェーリ川などの河口およびプリカット湖、カリヴェリ湖などの湖があり、主な都市はチェンナイ、ポンディシェリ、カッダロール、ナーガパッティナムおよび石窟寺院などで有名なマハーバリプラムなどがある[5]。 一帯にはベニサガリバナ、アラビアゴムモドキ、パーキンソニア・アクレアタ、フタバナヒルギ、オオバヒルギ、シマシラキなどのマングローブまたはヤシ林が生え、ブロンズトキ、ケリ、レンカク、アジアヘビウ、ホシバシペリカン、クロトキ、ヘラサギ、ゴイサギ、インドトキコウ、シロハラサギ、ヘラシギ、カラフトアオアシシギ、ヒドリガモ、オナガガモ、シマアジ、カラフトワシ、カタシロワシ、カワアジサシ、ジャングルキャット、ボンネットモンキー、ジャッカル、Daboia siamensis、ニシキヘビ属、スナボア亜科、ヒメウミガメ、インドハコスッポン、インドホシガメ、カエル、魚類、ショウナンエビ、ウシエビ、カニなどの動物が生息している。チェンナイ南郊のパッリカラナイ湿地[6]、カリキリ鳥類保護区[7]、ヴェダンターンガル鳥類保護区[8]、ポンディシェリ北郊のカルヴェリ鳥類保護区[9]、ピチャヴァラム・マングローブ[10]、ヴァドゥヴール鳥類保護区[11]、ウダヤマルタンダプラム鳥類保護区[12]などのラムサール条約登録湿地がある。 歴史9世紀から13世紀まで続いたチョーラ王朝がこの地に栄えた[5]。 1530年代末までに、ポルトガルが三箇所の交易拠点(ナーガパッティナム、São Tomé de Meliapore、Pulicat)を設けた。 しかし、17世紀になるとオランダにナーガパッティナムなどを奪われ、コロマンデル海岸への影響力を失った。一方で、オランダがSadras、Covelongなどにも拠点を置き、イギリスも17世紀前半にマスリパタム、マドラス(チェンナイ)などに商館を建て、マドラスにセント・ジョージ要塞を建設した。 フランスもポンディシェリ、カーライッカール、ニザームパトナムなどに拠点を置いたほか、デンマークもこの地域への進出を図った。こうしたヨーロッパ諸国による進出は、インド産綿布を扱うことを目的としていた。最終的にはイギリスがこの地域を確保したが、わずかながらフランスもポンディシェリなどに拠点を保った。 脚注注釈出典
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