アンフィオニデス
アンフィオニデス Amphionides reynaudii は、プランクトン性甲殻類の1種である。全世界の熱帯域の海洋に生息し、幼生は表層でよく見られるが、成体になると深海に移動する。アンフィオニデス目、アンフィオニデス科は単型である。 形態全長25mm程度になる[1]。ミシス幼生期が13期あり、この間は表層で生活する[2]。 眼は大きく、眼柄を持ち前方に突出する。第1胸脚は口を覆っており、その基節は平たい。これは、餌粒子を口に運ぶための適応だと考えられる[2]。 雄は雌より第一触角が太く、長くなる。また、雄は成長に連れて第8胸脚が出現するが、雌では出現しない。これに伴い、雄の生殖孔は第8胸脚に開くが、雌では第6胸脚に開く[1]。雌では第一腹肢が大型化して背甲の開口部を塞ぎ、受精卵を育てるための憩室とする。第5胸脚も伸長し、これで卵の掃除を行う[1]。雄成体はほとんど発見されない。これは、雄は背甲が流線型で遊泳力が強いことと、成熟後の寿命が非常に短いことによると考えられる[1]。 分布汎存種であり、全世界の熱帯海域に分布する。プランクトンで、幼生は深度100m以浅、成体は700-1700mに生息する[1]。 分類記載は幼生個体によるもので、当初はエビの1種だと考えられていた。1904年にCarl Wilhelm Erich Zimmerが成体を別種として記載したが、これが同一種だと分かったのは1969年のことだった。1973年、Donald I. Williamsonによって本種は独自の目に移された[1]。種小名 reynaudii はアンリ・ミルン=エドゥアールによって付けられたもので、おそらく彼の友人であるFrançois Dominique de Reynaudへの献名である[3]。ミルン=エドゥアールが付けた属名は Amphion であったが、これはスズメガ科の一属のジュニアホモニムである[1]。 脚注
参考文献
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