アンビオリクス(Ambiorix II、1946年 - 1975年)はフランス生まれの競走馬及び種牡馬である。トウルビヨン産駒であり、競走馬としてグランクリテリウムなどに優勝し、種牡馬入り後はアメリカ合衆国に輸出され、同国のリーディングサイアーに輝いた。1940年生の同名の別馬がいたため、しばしばアンビオリクスIIと呼ばれる[2]。
出自
アンビオリクスはマルセル・ブサック所有のフレスネルビュファール牧場で生まれており、父トウルビヨンは仏リーディングサイアーであり、母ラヴェンデュラはファロス産駒であり、アンビオリクスのほかにターントゥの母ソースサクリー (Source Sucree) やマイバブーの母パフューム(Perfume II)などを産んでいる。
競走馬時代
アンビオリクスはコロネーションなどと同じようにシャルル・センブラのもとで調教を受けており、2400メートル前後のヨーロッパクラシックディスタンスよりも1600メートルから2000メートルの中距離で活躍した。
1948年 (2歳時)
シャトゥー賞でデビューしたが、着外に終わった。渡英したグッドウッドのセルシーステークスで楽勝し初勝利を上げた後に、フランスの2歳最重要レースであるグランクリテリウムに優勝し、3戦2勝の成績で最優秀2歳牡馬に選出された。
1949年 (3歳時)
3歳時はサンクルーのグレフュール賞及びロンシャンのリュパン賞に勝利し、オカール賞及びジョッケクルブ賞で2着に入った。勝ち星はいずれも2000m戦であった。
種牡馬時代
競走馬引退後、距離適性からヨーロッパよりもアメリカの競馬で真価を発揮すると考えたマルセル・ブサックは250,000ドルでアンビオリクスをシンジケートに売り渡し、アンビオリクスはアーサー・ハンコックのクレイボーンファームで種牡馬入りした[1]。生涯で51頭のステークスウィナーを輩出し、1961年には北米リーディングサイアーに輝いた。また、リボー産駒のラグーサの活躍により1963年には英愛リーディングブルードメアサイアーにも輝いた。
1972年に種牡馬を引退、その後老衰のため1975年に安楽死の処置がとられた。29歳であった。遺骸はクレイボーンファームの墓地に埋葬されている[1]。
主な産駒
- Pleasure Seeker (USA,1966,鹿毛) - 1970 ハリウッドゴールドカップ
- Prego (USA,1959,黒鹿毛) - 1962 フラミンゴステークス
- High Voltage (USA,1952,芦毛) - 1954年アメリカ2歳牝馬チャンピオン、1954 メイトロンステークス、1955 エイコーンステークス、コーチングクラブアメリカンオークスなど45戦13勝
- Cordially (USA,1962,鹿毛) - 1965 マザーグースステークス
- Rash Statement (USA,1957,黒鹿毛) - 1960スピンスターステークス
- Make Sail (USA,1957,黒鹿毛) - 1960 アラバマステークス、ケンタッキーオークス
- Pinjara (USA,1965,鹿毛) - 1969 センチュリーハンデキャップ
- Ambiopoise (USA,1958,鹿毛) - 1961 ジャージーダービー、ゴーサムステークス
- Sarcastic (USA,1957,鹿毛) - 1960 ガゼルハンデキャップ
- Fortunate Isle (USA,1959,黒鹿毛) - 1963 ミレイディハンデキャップ
- ヒッティングアウェー (USA,1958,鹿) - 1961 ウィザーズステークス、ドワイヤーステークス、1962 イクセルシアハンデキャップなど52戦13勝 ※母Striking
- Amri-an (USA,1958,黒鹿毛) - 1960 デルマーデビュタントステークス
- Amber Morn (USA,1956,黒鹿毛) - 1960 ボーリンググリーンハンデキャップ
- Ambehaving (USA,1954,黒鹿毛) - 1956 レムゼンステークス
- Full Flight (USA,1951,鹿毛) - 1954 サラナクハンデキャップ
- Rehabilitate (USA,1963,鹿毛) - 1967 サンマルコスハンデキャップ
- No Resisting (USA,1960,鹿毛) - 1964 ヴェイグランシーハンデキャップ
- King Grail (1953) - 1956 ヴェントナーハンデキャップ
- Ambler (USA,1951,鹿毛) - 1954 英国ブルーリバンドトライアルステークス
母の父として
- Ragusa (GB,1960,鹿毛,Ribot) - 1963 アイリッシュダービー、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス、セントレジャーステークス、1964 エクリプスステークス
- Poleax (USA,1965,鹿毛,The Axe) - 1968 ハリウッドダービー
- Trojan Bronze (USA,1971,黒鹿毛,Tobin Bronze) - 1975 サンルイレイステークス
- Captain's Gig (USA,1965,黒鹿毛,Turn-to,母Make Sail) - 1967 フューチュリティステークス
- Great Power (USA,1964,黒鹿毛,Bold Ruler,母High Voltage) - 1966 サプリングステークス
- ステューペンダス (USA,1963,青毛,Bold Ruler) - 1967 ホイットニーステークス
- Bold and Brave (USA,1963,黒鹿毛,Bold Ruler) -1966 ジェロームハンデキャップ
- King of the Castle (USA,1966,鹿毛,Bold Ruler) - 1969 ルイジアナダービー
- Impressive (USA,1963,黒鹿毛,Court Martial,母High Voltage) - 1965 サラトガスペシャルステークス
- Selari (USA,1962,鹿毛,Prince John) - 1966 グレイラグハンデキャップ
- クレアーブリッジ (USA,1967,鹿毛,Quadrangle) - 繁殖牝馬
血統表
脚注
外部リンク
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