アルベルトネクテス
アルベルトネクテス (学名:Albertonectes) はカナダ・アルバータ州のベアパウ累層後期白亜紀カンパニアンから知られるエラスモサウルス科の首長竜類の属の一つ。模式種アルベルトネクテス・ヴァンデルヴェルディ(Albertonectes vanderveldei)のみで構成されている。最長のエラスモサウルス類で、既知の中で最長の首と全長をもっていた[3]。 発見完全に保存された体骨格のホロタイプ MP 2007.011.0001 で知られ、標本はアルバータ州ドラムヘラーのロイヤル・ティレル古生物学博物館に所蔵されている。骨要素として環椎・軸椎から先端が癒合した尾椎までの132個の脊椎骨、完全な肩帯と不完全な腰帯、ほぼ完全な四肢、分離した肋骨、腹肋骨、そして少なくとも97個の胃石を含む。TMP 2007.011.0001 は、コライト・インターナショナル株式会社によるアンモライト発掘の最中に、場所はアルバータ州南部レスブリッジ近くのセント・マリーリバーの約150メートル南で発見された。その標本はセントマリーリバー部層の泥質ユニット1の下部の泥岩からほぼ完全な状態で発掘された。そこはその地層のバキュリテス・コンプレッスス(Baculites compressus)が採れるロケーションの最下層のすぐ下であった。標本は7350万年以上前のもので、およそ前期から後期白亜紀の間頃である。アルベルトネクテスの発見は、首長竜の中で首と全長の最長記録となった。頭より後ろが11.2メートル(頭を含めると11.6メートル)で、そのうち首は7メートルである[3]。 語源アルベルトネクテスは久保泰、マーク・ミッチェルそしてドナルド・ヘンダーソンにより2012年に記載された。属名は古代ギリシャ語で「アルバータ州の泳者」を意味する。"nectes" は首長竜類の学名において一般的な単語である。種小名 vanderveldi は、ホロタイプを発見したコライト・インターナショナル株式会社の創始者、故レネ・ヴァンダーヴェルデへの献名である[3]。 記載アルベルトネクテスは最長のエラスモサウルス類の一つで、これまでに見つかっている他のどのエラスモサウルス類よりも長い7mに達する首をもっていた。頭部を失っているホロタイプは、11.2メートルの長さで、環椎から尾の先端まで保存されている。頭を含めた全長は11.6メートルに達したことが示唆されている。アルベルトネクテスはまた他のエラスモサウルス類と比べて独特な形質である76個の頚椎をもっていた。これはエラスモサウルス類の頚椎としては最大個数である。他のエラスモサウルス類にも稀に見られる本属の特徴としては以下のようなものがある。
アルベルトネクテスは成体の標本がしられている。成体であることは神経棘とほとんどの頸肋骨と中心体が癒合していることや、TMP 2007.011.0001. において部分的な結合は転子と大腿骨上部の間にのみ確認されることから示唆される。成体であることを示す他の要素としては、よく発達した脊椎表面の粗い皺や手首と踵の骨の関節がある[3]。 系統解析2012年、久保らは2002年の佐藤たまきのデータを大きく改変したものを用い、系統解析を試みた。しかしそれは不確かなもので、多くのエラスモサウルス類がより大きな多系統群に属していると思われる[3]。この分析は2015年に O’Gorman et al. によって改変された。以下のクラドグラムはその結果のうち、エラスモサウルス科の類縁のみを抜粋したものである[4]。
出典
関連項目 |