アメリカ輸送軍(アメリカゆそうぐん、英語: United States Transportation Command、略称:USTRANSCOM)は、アメリカ軍における統合軍(機能別統合軍)の1つ。1987年に創設された組織で、イリノイ州のスコット空軍基地に司令部を置く。
概要
TRANSCOMは、平時・戦時を問わず、全世界におけるアメリカ軍の兵站・輸送(戦略輸送・戦術輸送)に関する作戦指揮を統括的に担当する組織であり、陸・海・空の三軍が有する兵站・輸送担当部隊などを指揮下に収め、大型輸送機や空中給油機、輸送艦、補給艦、輸送コンテナ、鉄道車両、輸送車両などを運用している。
現任司令官はジャクリーン・ヴァン・オヴォスト空軍大将(2021年10月15日 - )。創設から司令官ポストには代々空軍大将が就いていたが、2018年には陸軍大将のスティーブン・ライオンズが就任した(2021年退任)。
編制
TRANSCOMの組織編制は、全世界におけるアメリカ軍の兵站・輸送(戦略輸送・戦術輸送)に関する作戦指揮を統括的に担当するという任務に基づき、指揮下に陸・海・空の三軍が有している兵站・輸送担当部隊を「構成部隊 (Component Command)」として組み込む形を採っている。また、TRANSCOM自身の「下部組織 (Subordinate Commmand)」という形で、統合能力付与コマンド (Joint Enabling Capabilities Command; JECC) を隷下に置き、これら4つの組織が中核となっている。
- 航空機動軍団 (AMC)
- 空軍の輸送機・空中給油機部隊であり、戦術・戦略輸送機を多数保有・運用する。TRANSCOMの3つの構成部隊の中では最も規模が大きく、AMC司令官はTRANSCOM司令官と同じく大将が就くポストとなっている。
- また、民間予備航空隊もAMCの傘下にあり、危機の時などは必要に応じて徴発・動員され、人員・物資の輸送に従事する。
- 軍事海上輸送司令部 (MSC)
- 海軍の補助艦艇を運用する部隊である。輸送船・補給艦だけでなく音響測定艦・海洋観測艦や潜水艦救難艦・病院船など海軍の戦闘艦以外のあらゆる補助艦艇を運用している。運用に際しては民間の船員を大幅に活用している。海上の補給・輸送・後方支援・特殊任務(ミサイル追跡・海洋観測・情報収集など)を司っている。司令官は少将。
- 陸軍配備流通コマンド (SDDC)
- 陸軍の部隊であり、主に陸上における輸送を取り扱う(陸軍も輸送艦や航空機を保有しており、陸上手段以外での輸送を行うこともある)。司令官はMSCと同じく少将が充てられている。
- 統合能力付与コマンド (JECC)
- どの軍種にも属さないTRANSCOM自身の下部組織。アメリカ軍の全世界的運用・統合運用に対応するため、各統合軍の司令官たちの要求・要望に応じ、統合的な作戦展開を可能にするための支援を行う。
歴代司令官
外部リンク
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配備流通司令部 |
- 第596輸送群
- 第597輸送群
- 第598輸送群
- 第599輸送群
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軍事海上輸送司令部 |
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航空機動軍団 |
航空機動部隊 |
- 第6航空機動航空団
- 第60航空機動航空団
- 第305航空機動航空団
- 第375航空機動航空団
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空輸部隊 |
- 第19空輸航空団
- 第43空輸航空団
- 第62空輸航空団
- 第89空輸航空団
- 第436空輸航空団
- 第437空輸航空団
- 第317空輸航空群
- 第463空輸航空群
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空中給油部隊 |
- 第22空中給油航空団
- 第92空中給油航空団
- 第319空中給油航空団
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第18空軍 | |
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第4空軍 | |
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第22空軍 | |
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