アミュターオーン (古希: Ἀμυθάων, Amythāōn) は、ギリシア神話の人物である。長母音を省略してアミュタオンとも表記される。クレーテウスとサルモーネウスの娘テューローの子で、アイソーン、ペレースと兄弟。ペリアース、ネーレウスとは異父兄弟である。ペレースの娘エイドメネーとの間にビアース、メラムプース[1]、アイオリアー[2]、ペリメーレーをもうけた[3]。なお、妻はアバースの娘エイドメネーとも[4]、アグライアとも言われる[5]。
パウサニアスによれば、アミュターオーンは神話時代におけるオリュンピア競技祭の開催者の1人である[6]。
子供のうちメラムプースは予言者として有名で、その家系はしばしば優れた予言者を輩出した。1世紀頃の歴史家ダマスコスのニコラーオス(en)もアミュターオーンの子孫が優れた知識を持つために、古より予言にかけては他に並ぶ者がないと考えられていたと述べたうえで[7]、アイアコス、アミュターオーン、アトレウスの子供たちが、ゼウスによってそれぞれ武勇、知識、富を授けられたことを詠ったヘーシオドスの詩を引用している[8]。
娘たちのうちでは、アイオリアーはカリュドーンの妻となった[2]。ペリメーレーはラピテース族のアンティオーン[3]あるいはプレギュアースと結婚し、イクシーオーンの母になった[9]。
系図
脚注
- ^ アポロドーロス、1巻9・11。
- ^ a b アポロドーロス、1巻7・7。
- ^ a b シケリアのディオドロス、4巻69・3。
- ^ アポロドーロス、2巻2・2。
- ^ シケリアのディオドロス、4巻68・3。
- ^ パウサニアス、5巻8・2。
- ^ ダマスコスのニコラオス『世界史』断片24。
- ^ ヘーシオドス断片249。
- ^ 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p.50a。
参考文献